2018年6月 5日 (火)

カルトカレンダー

 カルト関連の訴訟、集会、記者会見、シンポジウム、その他イベントに関するスケジュール表を作りました。たぶん、日本初のカルトカレンダーなのではないかと思います(それが何の自慢になるのかナゾですが)。みなさんの力で充実させていただけると嬉しいです。

 追加したいイベントがある方は、コメント欄に書き込むか藤倉までご一報ください。カルト的集団が主催するイベントでも、そうでないものでも、カルト観察をする上で重要なものであれば掲載します。ここで掲載された団体=カルト、とは限りませんので、ご理解を。

 カレンダーを大きいサイズで見たい方はこちら

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2009年4月26日 (日)

X JAPANのTOSHIが藤倉を告訴するって言ってます

 前回のエントリで紹介したように、書いたように、PJニュースで「X Japan・TOSHIがファンにカネをたかって詐欺事件に?=神戸地裁で初公判」という記事を書きました。これはPJニュースからlivedoorニュースに配信されたんですが、どうもTOSHI本人が、PJニュース編集部ではなくlivedoorの方にクレームをつけたようです。

 以下、livedoorから転送されてきたTOSHIのクレームメールの全文です。

・氏名:出山利光
・メールアドレス:********@iyashi-no-concert.com

・お問い合わせ内容:
私は株式会社トシオフィス代表取締役出山利光と申します。
このたびの記事で弊社アーティストTOSHIが虚偽に基づいた事実無根の誹謗中傷を受け名誉毀損、営業妨害を被っております。
至急削除をしてください。
記事を書いた藤倉につきましては告訴をいたします。

 PJニュースの編集長と相談した結果、「連絡先も書いてないし、本当にトシオフィスが出したものか判断できない」「なぜ削除しなければならないのか(具体的に、記事のどこがどう事実と違うのか)が不明では、判断できない」ということで、TOSHIからもっと説明がないと対応のしようがない、という結論になりました。当たり前です。

 なので、ぼくは4月23日にトシオフィスに電話して、これが本当にTOSHIからのメールなのかどうかを尋ね、もし本当にそうなら、記事のどこがどう事実と違うのか説明して欲しいとお願いしました。先方は、「担当者不在、明日連絡させる」としていましたが、いままでぼくがトシオフィスに取材をかけたときも、いつもこういう対応で、連絡が来たためしがありません。今回も、やっぱり返事はありませんでした。

 一方TOSHIは、ぼくが姫路の詐欺事件のことを書こうとしていた週刊誌の編集部に対して、「(PJニュースのような)記事を書いたら訴える」「取材に来い」といった趣旨のFAXを送りつけてきたんですが、その中で週刊誌の編集部に対して、livedoor宛のクレームメールは間違いなく自分が送ったものであると説明していました。PJニュースについての件について週刊誌に説明してどうするんだ(しかもPJニュースの方には返事をよこさずに)。

 クレームメールには、ぼくのことを告訴すると書いてあります。こちらが取材を申し入れたのに無視し、記事にクレームをつけてきたから詳細の説明を求めたのに、これも無視し、そんな態度でぼくを告訴するなんていうのは、単なる脅迫以外の何ものでもないと思います。

 TOSHIは、愛が足りないのではないでしょうか。

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2009年4月23日 (木)

X Japan・TOSHIがファンにカネをたかって詐欺事件に?=神戸地裁で初公判

 自己啓発セミナー団体「ホームオブハート」の広告塔であるTOSHI(X JAPANのヴォーカル)こと出山利三氏にからんで、姫路で詐欺事件がありました。公判を傍聴し、PJニュースで記事にしました。

X Japan・TOSHIがファンにカネをたかって詐欺事件に?=神戸地裁で初公判

 コンサート主催なんか素人のTOSHIファンに、赤字になるかもしれないコンサートを主催させ、TOSHIのギャラはしっかり確保して赤字はファンにかぶらせる。公判を傍聴した限り、どうやらこうした「トシオフィス商法」が原因で起こった詐欺事件のようです。

 TOSHIの音楽事務所であるトシオフィスに取材を申し入れましたが、「担当者不在、明日以降折り返す」と言われたまま放置。何の連絡もありません。

 一方、トシオフィスの業務にも関わったホームオブハートの元メンバーの話によれば、同じような形でファンにコンサートを主催させるということを、トシオフィスでは少なくとも01~02年辺りからやっていた、とのこと。

 よく、ホームオブハート信者のTOSHIについて、「(自己啓発セミナーや児童虐待問題などはあったとしても)TOSHI個人の音楽の価値は変わらない」的な評価をする声も見聞きします。しかし、TOSHIとトシオフィスがファンに対してこのような行いをしているとなると、オームオブハート信者としてのTOSHIの問題だけではなく、アーティストとしてのTOSHIにも、そのアーティストの活動をマネジメントする音楽事務所としてのトシオフィスにも問題があるということになります。

 ある雑誌記者に今回の詐欺事件とTOSHIの関係について話したら、その人はこんなことを言っていました。

「TOSHI、だいぶ小室化してますね~」

 小室哲哉は落ちぶれてカネに窮して詐欺に至ったというように報道されていると思うんですが、TOSHIが小室と決定的に違うのは、単にブームや時代の流れによって落ちぶれたのではなく、背後にホームオブハートというカルト的集団がいる点です。

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2009年2月 3日 (火)

「一般論で有罪」の危険性

livedoor blog 「一般論で有罪」の危険性 に掲載したものと同じ文章です。

 1月31日に、グロービート裁判の控訴審判決が出ました。右翼カルト「日本平和神軍」とかかわりがある、ラーメンチェーン「花月」運営母体のグロービートジャパン社について、橋爪氏が個人サイトで批判していたことが名誉毀損罪に問われた事件です。一審で無罪とされた橋爪氏に対して、東京高裁の判断は逆転有罪でした。

livedoorニュース/ネットの市民言論が危ない! グロービート裁判の行方(1)

平和神軍観察会

弁護士紀藤正樹のLINC TOP NEWS-BLOG版/これは速報です-即刻上告です。

弁護士山口貴士大いに語る/【控訴審判決】グロービート・ジャパン(らあめん花月)/平和神軍観察会事件判決速報【不当判決】

 時事通信は、この件をこう報じています。

中傷書き込み、逆転有罪=ネットで名誉棄損-東京高裁
1月30日16時25分配信 時事通信

 インターネット上でラーメン店チェーン運営会社を中傷する書き込みをしたとして、名誉棄損罪に問われた会社員橋爪研吾被告(37)の控訴審判決が30日、東京高裁であり、長岡哲次裁判長は一審無罪判決を破棄、求刑通り罰金30万円を言い渡した。弁護側は上告する方針。
 長岡裁判長は「書き込みは真実ではなく、真実と誤信したことに相当な理由はない」と判断した。
 一審はネット上の個人表現について、一般に信頼性が低く、反論が容易として、可能な調査をしていれば同罪は成立しないとの新基準を示していた。控訴審判決は「さらなる社会的評価の低下を恐れて反論を控えるケースがある。内容も、必ずしも信頼性が低いとはいえない」と述べた。

 無罪となった一審判決の中で最も重要なポイントは、橋爪氏について「インターネットの個人利用者として要求される水準の事実確認を行っていた」とした部分です。いち個人に対して、マスコミと同等の責任ではなく、飽くまでも一個人でも可能な範囲の確認をするかどうかで責任を判断するというものでした。

 そのほかに、新基準を提示した理由として、インターネット上では批判された側も容易に反論できることや、ネット上の個人の表現が「一般に信頼性が低い」という点を挙げていました。最後の「信頼性が低い」という部分は、たまに冗談のように語られる「東スポの記事は誰も信じないから、東スポがウソを書いても名誉毀損にならない」みたいなパターンの話として受け止めている人もいるようです。確かに裁判所がそういう意図でこの一文を書いたのであれば問題がありますが、実際問題として、せいぜい「ネットの個人表現は、新聞・テレビほどの権威ではない」くらいのものとして受け止めておくのが妥当だと思います(とりあえず、表現をする側の立場として)。

 東京高裁の判決後の記者会見で、被告の橋爪氏の弁護人である紀藤正樹弁護士は、今回の判決が地裁判決を否定した根拠として「(ネット上で批判された側が)反論を控えるケースがある」などを挙げていたことについて、こう批判していました。

「それは一般論としては正しいが、今回のケースでは平和神軍側は大々的に反論していたし、橋爪氏に対して脅迫めいたこともしていた。そういう個別の事情を無視している」

 紀藤弁護士は、この判決を「一般的予防効果を狙ったものとしか思えない」としています。つまり、世間に対する見せしめです。

 今回の件で特に感じたのは、「一般論の危険性」です。たとえば、一般論で言うなら「誹謗中傷はいけない」わけですが、刑事裁判というのは特定の事件について有罪か無罪かを決めるものですから、この事件が「そもそも誹謗中傷なのかどうか」から検証されるべきものです。

 一審判決は、「新基準」を打ち立てるに当たって、やはり一般論を語っています。「インターネットの個人利用者として要求される水準の事実確認を行えばよい」という基準も一般論ですし、その事実確認の水準までは具体的に示していないので、抽象論とさえ言えます。ネット上では批判された側が用意に反論できるということや、「信頼性が低い」という話も一般論です。しかし一審は、22回の公判で橋爪氏のこの具体的な事情を検証して無罪としました。一般論ありきの無罪ではなく、無罪であるべき事情があると裁判所が判断し、これまでの裁判でこれを無罪にする一般論がないから新基準を打ち立てた、と捉えるべきでしょう。

 もともとこの裁判には、橋爪氏に対して脅迫めいたことをして言論妨害をしていた平和神軍側が罪に問われず、橋爪氏の方が起訴されているという、独特な事情があります。「被害者と加害者が逆転している」中で、裁判上の「加害者」であり現実の「被害者」である被告人をどう捉えるかという、名誉毀損訴訟とは違った視点での検討も必要な事件です。

 しかしたった1回の公判しか行わなかった控訴審は、一般論によって一審判決の新基準を否定し、名誉毀損に関する従来どおりの基準で橋爪氏を有罪としました。

 裁判が具体的事情の検証であるという原則から外れさえしなければ、実は一審判決の一般論はさほど恐ろしいものではありません。たとえば「ネットでは反論が容易」という新基準が確立されたとしても、ある裁判において、被害者が「自分が批判されていたなんて知らなかった」と主張すれば、その事情は当然、判断材料になるでしょう。であれば、「ネットは反論可能なメディアなのに、反論しなかった被害者が悪い」と切り捨てる、なんてことにはならないはずです。

 しかし二審が別の一般論によって一審の一般論を否定するというのは、裁判所が「一般論によって切って捨てる」危険な体質を持っていることを、東京高裁が実践的に見せてくれたということことでもあるのかもしれません。ややこしいパラドックスですが。

 個別の事情を無視して一般論を振りかざすのが裁判なのであれば、極論すれば、どんな事情があっても罪を犯したら量刑は一律。そうすると、裁判は単に「やったかやってないか」だけを判断する場になります。たとえるなら、情状酌量とかそういう概念も必要なく、死刑の執行どころか死刑の判決さえも「ベルトコンベアー」でいいって話になります。

 裁判のこうした問題点は、ネット上の表現の自由云々に限った問題ではありません。個別の事情を無視して一般論で切って捨てるというのは、「裁判」という制度自体を否定するに等しい発想です。

 という一般論的な解釈が正しいかどうかもまた、この裁判の個別の事情を見てもらわないと判断できないでしょう。橋爪氏はすでに上告を表明しています。橋爪氏を応援するしないに関わらず、少なくともフェアな裁判を望む人には、大いに関心を持ってもらいたい事件です。

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被害者を加害者にする映画『純愛』

 livedoor blog 被害者を加害者にする映画『純愛』 に掲載したものと同じ文章です。

【livedoorニュース - 2009年1月26日】<偽装映画『純愛』、EXILE・ATSUSHI撤退後の皮算用(上)>

【livedoorニュース - 2009年1月27日】<偽装映画『純愛』、EXILE・ATSUSHI撤退後の皮算用(中)>

【livedoorニュース - 2009年1月28日】<偽装映画『純愛』、EXILE・ATSUSHI撤退後の皮算用(下)>

 これは2007年末から、旧オーマイニュースで繰り返しリポートしてきた、偽装映画『純愛』シリーズの続編です。この件については2003年から、ぼくが運営する個人サイトでも記事を書いていました。

小林桂子映画、クランクイン決定(2004/04/29)
小林桂子・映画企画 3ヶ月で7,000万円のカネ集め(2003/10/07)

 『純愛』はかつて、自己啓発セミナーを介してEXILE・ATSUSHIを広告塔に据えていました。そのため、架空のNPO法人を「寄付先」とうたったり協賛企業や観客を騙すようなこの映画に、多くのEXILEファンが巻き込まれました。当然ATSUSHIにも責任がありますが、ATSUSHIが架空NPO法人の設立や運営に関わったとか、協賛企業や観客を意図的に騙したという話は聞こえてきません。“主犯”は飽くまでも、同映画の制作実行委員長である奥山省吾氏と、その事実上の妻で主演女優の小林桂子氏です。ATSUSHIは、広告塔(そしてカネづる)として体よく利用されただけのようなので、ファンに対する責任はあるとは言え、基本的にはやはり被害者でしょう。

 『純愛』は、ETLジャパンという自己啓発セミナー(「ゆず」の北川悠仁の親族が実質的な経営者です)にボランティアスタッフとして関わっていた小林・奥山氏が、受講生たちからカネを集めて作った作品です。つまり自己啓発セミナー卒業生たちのサークル活動のようなもの。

 ETLジャパンも含めて、多くの自己啓発セミナーでは、受講生がセミナーの実習との名目で勧誘活動をさせられます。受講生全てが「被害者」とは言えませんが、後に被害を自覚するようになった人でも、ハマっている最中は勧誘活動に必死だったりします。ここにはいわば、「被害者が加害者を兼ねる」という、非常にやっかいな問題構造があります。

 『純愛』の広告塔を務めたEXILEのATSUSHIも、まさに加害者であり被害者です。この映画に出資して宣伝活動などに関わった出資者や協賛企業も同様です。自己啓発セミナーのサークル活動だけあって、問題の構造は非常によく似ています。その点への反省があるからこそ、ATSUSHIは『純愛』から撤退し、出資者の一部も『純愛』に批判的になっているのでしょう。ですから彼らを責める気持ちにはなれません。ただ、今後この映画に関心を持つ人々には、「被害者が加害者を兼ねる」という問題点をしっかり認識して欲しいと思います。

 『純愛』はまだ興行を続けるつもりのようで、昨年、札幌で結成された「純愛応援団」なる支援組織の拡充を目指しています。『純愛』に巻き込まれる新たな被害者が出るかもしれません。それはつまり、新たな加害者が生まれるということでもあります。

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2008年11月30日 (日)

オルタナティヴ社訴訟についての虚偽情報

■HITOTSU学受講生の投稿は大歓迎ですが……

 最近、オルタナティヴ株式会社のセミナー受講生を名乗る(おそらく複数の)人物が、このブログにしきりにコメントを投稿してくれています。非常にありがたいことです。今後も引き続き、よろしくお願いいたします。

 さて、11月10日にも、当ブログNoh Jesu 氏・「HITOTSU学」流の釈明に同様の書き込みがありました。オルタナティヴ社のセミナーを受けたとする人物からの無記名投稿です。そこには、かつてオルタナティヴ社が被害者から裁判を起こされていた件について、誤った内容が含まれていました。該当部分を引用します。

裁判は最終的に「和解」になったそうですが、
このサイトには、なぜそのような重要な事実が記載されていないのか、納得できない気持ちです。
弁護団が内部調査をした結果、宗教・カルト団体ではないことが明らかになって、原告3人と弁護団10数名全員が、自分たちの主張を退けて「和解」の流れになったというのは、事実ですよね。
HITOTSU学を学んでいる友達から、確か、去年2007年の夏頃に「和解」になったと聞きました。
それにも関わらず、このサイトでその事実を記載していないのは、客観性に欠けると僕も思います。

 投稿は大歓迎ですが、デマを書いてはいけませんね。

■上記和解内容は全くのデタラメ

 ここで書かれている裁判というのは、2006年、「オルターカレッジ」という名で受講生を集めていたオルタナティヴ社に対して、被害者3人が受講料の返還と慰謝料合わせて約761万円を請求して東京地裁に提訴した事件です。(「自己啓発セミナー対策ガイド」オルターカレッジ(オルタナティヴ株式会社)被害者3人が提訴参照)

 この裁判が07年に和解になったのは事実です。しかし和解の際、原告(元受講生3人)と被告(オルタナティヴ社)との間で、和解内容を第三者に開示しないとの取り決めがなされたとのことで、原告弁護団からは和解内容が公表されていませんでした。「和解した」という事実以外に、この場で書ける情報がなかったので書かないでいました。

 さて、和解の口外禁止条項は、原告だけではなく被告であるオルタナティヴ社も対象です。ですから、オルタナティブ社のHITOTSU学セミナーの受講生から、こうしてぼくのブログに和解内容が書き込まれたとなると、オルタナティブ社が和解条項に違反している可能性が出てきます。それに加えて今回書き込まれた和解に関する情報は、事実と全く異なります。もしオルタナティヴ社が受講生に対して和解内容を偽って説明しているとなると、二重の意味で問題があります。

■オルタナティヴ社はノーコメントのようです

 この点について今月中旬、オルタナティヴ社に説明を求めましたが「担当者不在」。折り返しの連絡を求めて藤倉の電話番号とメールアドレスを伝えましたが、2週間以上たった現在でも、なんの返答もありません。ただ、11月20日付けで、「HITOTSU学」という公式ブログに、以下のような長ったらしいタイトルのエントリがアップされました。

『HITOTSU学は宗教なのですか?』
『民事訴訟があったと聞いていますが、その背景や結果はどうなっているのでしょうか?』
などのご質問に対する公式的見解

 HITOTSU学がいかに素晴らしいかという話が延々と書いてあるだけで、裁判の内容について「和解になった」という事実以外には何も書かれていません。裁判におけるオルタナティヴ社側の陳述書も別途アップされていますが、この陳述書はあくまでもオルタナティヴ社側の主張であって、裁判の結論ではありません。裁判で原告側は、オルタナティヴ社を「悪質な自己啓発セミナーである」と主張しています。

■実際の裁判は、被害者側の“勝訴的和解”

 では、このHITOTSU学受講生が書き込んだ和解の内容に関する情報が、どのように事実と反するのかを説明します。和解の内容を口外しないという条項があるため、原告側弁護士に教えてもらうわけにもいきません。そこで裁判所に行って、和解調書を含めた裁判記録を閲覧してきました。

 それによると、主要な和解条項はこれだけです。

1.被告(オルタナティヴ社)は原告(元受講生3人)に対して事件解決金448万円を支払う。

2.原告らと被告は、本和解の内容をみだりに第三者に開示しない。

 原告側弁護団は、オルタナティヴ社を「悪質な自己啓発セミナーである」と主張していましたが、和解では、この主張も含めて原告側が何かの主張を撤回するというような条項はありません。原告の請求額は計約761万円で、和解金は448万円です。請求額の内訳は、200万円が慰謝料で残りが受講料金の返還額です。慰謝料を差し引けば、被害者たちがオルタナティヴ社に支払った料金の大半をオルタナティヴ社が返したことになります。

 オルタナティヴ社に全く非がないのであれば、こんな多額の和解金を支払う必要はないでしょう。原告側の“勝訴的和解”と言っていい内容に見えます。このブログでのHITOTSU学受講生の投稿は、和解について事実に反する内容を書いた上でオルタナティヴ社がさも問題のない企業であるかのように書かれています。しかし実際の和解内容は全く逆です。

■オルタナティヴ社は裁判でも言論妨害を試みていた

 裁判記録を閲覧していて、興味深い書面を見つけました。和解交渉の際、オルタナティヴ社は原告らに対して、原告らによる記者会見のほか2chの関連スレッドや、ぼくが運営するHP「自己啓発セミナー対策ガイド」と当ブログを名指しし、「インターネット上での誹謗中傷と営業妨害行為を行わないことを、和解の条項に入れて下さるようお願いいたします」としていました。ご丁寧に、ぼくがHPやブログに書いたオルタナティヴ社に関する記事のプリントアウトまで参考資料として添付されていました。

 ぼくのHPやブログに関して言えば、原告が運営しているものではありません。記事を書くにあたってぼくは原告にも取材していますが、ほかの人に取材したり自分でオルタナティヴ社のイベントに足を運んだりして、独自に取材をして記事を書いています。そもそもぼくは、原告たちが訴訟を起こす前からオルタナティヴ社をウォッチして記事を書いています。原告とは全く別の人間が独自に運営しているサイトについて、オルタナティヴ社は裁判でその活動を原告に制限させようとしていたのです。

 原告側弁護団は「言論の自由を制限するような和解には応じられない」と突っぱねていました。当然です。特にぼくが運営するサイトについては、言論の自由云々以前に、原告と関係ない人間の活動を裁判の和解条件にされたって原告にはどうしようもないでしょう。言論妨害をするならするで、もっと効果的な妨害方法をとるのが普通だと思うんですが、オルタナティヴ社は、それすらできないくらい実務スキルの低い集団ということです。

■オルタナティヴ社とHITOTSU学受講生、ウソツキはどっち?

 裁判では、こうした言論妨害目的の和解条件は退けられましたが、原告側が和解内容に関する口外禁止条項を付けることで妥協を示し、和解に至りました。

 つまり口外禁止条項は、オルタナティヴ社側の要求を受けて付け加えられたものです。なのに今回、投稿内容から見ても明らかにオルタナティヴ社寄りであるHITOTSU学受講生から和解内容が漏れてきて、さらにそれが事実に反する内容になっています。

 見方によっては、

「オルタナティヴ社は和解条項によって原告の口を封じ、それに乗じて自分たちに都合のいい虚偽の情報を裏で流している」

 とも解釈できる状況です。

 もしオルタナティヴ社が本当に何の問題もない会社だというなら、こちらの問い合わせを無視せずに、どうしてこういうことになったのか説明してみせてほしいと思います。オルタナティヴ社は公式ブログで裁判が和解になったことを報告していますが、ぼくが彼らに問い合わせたのは、「裁判はどうなったのか」ではなく、「口外禁止のはずの和解内容が、なぜオルタナティヴ社サイドから漏れてきているのか」です。

 また、HITOTSU学セミナーの受講生の皆さんには、仮にオルタナティヴ社の関係者から、この裁判について「原告が主張を撤回した」かのように聞かされることがあれば、それは大ウソであるということを知っておいていただきたいと思います。

 もちろん、オルタナティヴ社がHITOTSU学受講生にウソをついているのではなく、コメントを投稿した受講生が個人的に勝手にウソをついている可能性もあります。もしそうであればオルタナティヴ社には非がないことになります。しかしその場合、

「受講生はHITOTSU学や実質指導者のノ・ジェス氏を絶賛するけど、その受講生が公の場でウソをつくわけですね」

 ということになるので、HITOTSU学やノ・ジェス氏の“教育”の程度が知れるというものです。

 ウソをついているのがオルタナティヴ社であれHITOTSU学受講生個人であれ、HITOTSU学やオルタナティヴ社のクオリティがよくわかる一件です。

【オルタナティヴ社関連の記事一覧】

自己啓発セミナー対策ガイド
にわかに話題沸騰! オルターカレッジとPBLS (2003/11/08)
オルターカレッジ説明会 (2004/07/27)
オルターカレッジ被害者3人が提訴 (2006/06/06)

宗教&カルト・ウォッチ
オルターカレッジ(オルタナティヴ株式会社)最新情報(2006/06/03)
オルターカレッジ(オルタナティヴ株式会社)のシステム(2006/06/04)
オルターカレッジ(オルタナティヴ株式会社)被害者3人が提訴(2006/06/07)
オルタナティヴ株式会社、訴訟日程と動向(2006/07/02)
被告は弁護士つけず オルタナティヴ株式会社・消費者被害訴訟(2006/07/15)
オルタナティヴ株式会社訴訟、第2回弁論訟(2006/11/10)
オルタナティヴ株式会社から削除・謝罪要求がきました(2007/01/10)
オルタナティヴ株式会社から削除・謝罪要求がきました2(2007/01/13)
オルタナティヴ株式会社から削除・謝罪要求がきました3(2007/01/22)
Noh Jesu 氏・「HITOTSU学」流の釈明(2007/01/22)
またオルタナティヴ株式会社から削除要求がきました(2007/11/01)

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2008年10月31日 (金)

メディアを語る宗教学者のリテラシー

RIRC開設10周年記念・公開研究フォーラム
<宗教情報>とメディアリテラシー

 というフォーラムが11月2日に開かれます。発題者はとても面白そうな顔ぶれで、中でも創価学会副会長・岡部高弘氏が「創価学会のメディア対応について」語るあたりが興味深い。

 ぼくは行きませんが、興味がある方はぜひどうぞ。ぼくが取材に行かない理由と経緯は、こちらに書きました。

livedoorニュース メディアを語る宗教学者のリテラシー

 少なくともぼくにとって、宗教情報リサーチセンター(RIRC)およびセンター長の井上順孝氏は、公正な取材という立場で関わることは不可能な相手だということがわかりました。

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2008年10月 3日 (金)

また顕正会で逮捕者・10年で(少なくとも)20人目!

 仏教系カルト集団「顕正会」でまた逮捕者が出ました。

顕正会の会員2人を逮捕 大学生に入会強要の容疑
2008.9.30 22:49(MNS産経ニュース)

 大学生に執拗(しつよう)に入会を迫ったとして、熊本県警は30日、強要の疑いで宗教法人「顕正会」(本部・さいたま市)会員の山下幸一郎容疑者(36)=同県宇城市=と岡村治容疑者(22)=同市=の2人を逮捕した。2人は「勧誘したが、強要はしていない」と容疑を否認しているという。

 県警によると、顕正会に関しては勧誘や脱会をめぐるトラブルが相次いでいるが、九州・沖縄での逮捕は初めて。全国の警察には今年前半、約600件の相談が寄せられているという。

 調べでは、両容疑者は6月15日午後、山下容疑者宅や近くの駐車場で入会を拒んだ熊本市の男子大学生(20)を「信心しないと成仏しない」などと脅し、入会届を書かせた疑い。

 顕正会は「詳しい内容は聞いていない。コメントすることはない」としている。

入会強要:宗教法人「顕正会」会員の2容疑者を逮捕 /熊本
2008.10.01(毎日jp)

 相手の意志に反して強引に宗教法人の入会届を書かせたとして、県警警備1課と熊本北署は30日、宇城市松橋町豊福、職業不詳で宗教法人「顕正会(けんしょうかい)」会員、山下幸一郎(36)と同市小川町北海東、同、岡村治(22)の2容疑者を強要容疑で逮捕した。「意志に反した勧誘ではなかった」と容疑を否認している。

 調べでは、6月15日午後2時ごろ、山下容疑者方などで、熊本市の私立大1年生男子(20)に対し約3時間半「顕正会を信心しないと成仏しない」などと脅して入会を求め、入会届を書かせた疑い。大学生が数日後、熊本北署に被害届を出した。

 顕正会は信者の強引な勧誘をめぐり、今年だけで全国で数百件の相談があるという。神奈川県や新潟県でも逮捕者が出ている。

毎日新聞 2008年10月1日 地方版

 今年前半だけで600件の相談が警察に寄せられているって、すさまじい話ですね。で、上記の記事では、過去にも逮捕者が出ていることについても触れてはいますが、どのくらいの人数がどういう容疑で逮捕されたのか具体的に書いている新聞は見当たりません。

 そこで、過去の新聞記事から、1992年以降の顕正会の逮捕事例を表にまとめてみました。92年以降でまとめたのは、単にデータベースでヒットする記事がその辺までしかないからです。

 とりあえず92年以降、新聞で報道じられた逮捕者数は計22人にもなります。区切りよく過去10年でカウントすると、今回の逮捕者が20人目になります。顕正会員に逮捕者が出た事件が全て報道されているのかどうかはわかりません。また、この表のケース以外に、逮捕されず書類送検のみのケースもあります。

 今回の逮捕は、強要容疑のようです。しかし過去の逮捕事例の容疑を一覧で見ると、強要以外にも「傷害」「邸宅侵入」「暴行」「監禁」「器物損壊」と、恐ろしい言葉のオンパレード。特に表のいちばん最初にある1992年のケースは、路上で高校生に「「お前ら高校生か、車に乗れ」と声をかけ事務所に連れ込むという、「キャッチ」を通り越してほとんど拉致のような勧誘方法です。

 警察は顕正会を広域指定暴力団にした方がいいんじゃないでしょうか。無理?

地域 容疑 逮捕者数 状況 出典 発行日
千葉 強要 2  調べによると、石川容疑者らは今年三月二十一日午後十時十分ごろ、同県我孫子市緑一の路上で、高校生三人(いずれも十六歳)に「お前ら高校生か、車に乗れ」と言って、事務所へ連れて行き、「これに住所、名前を書け。うそを書くとぶっ飛ばすぞ」と、入信願書に署名させた疑い。 毎日新聞 1992.08.29
神奈川 傷害 1 調べでは、関容疑者は今年4月16日午後7時半ごろ、藤沢市南藤沢の歩道で、ゲームセンターから出てきた同市に住む私立大学生男子(19)に対し、「今日はただでは済まさない。なめていると顕正会の仲間を呼ぶぞ」などと脅し、大学生の顔や足を殴るけるなどの暴行を加え、軽いけがを負わせた疑い。関容疑者は今年の2月と4月、この大学生に対し「世紀末が来る」などと宗教法人への入会を勧めたが、応じないため腹を立てていたという。 毎日新聞 1999.07.05
千葉 暴力法違反 3  調べでは、3容疑者は1日午後8時ごろ、千葉市中央区長洲1のJR本千葉駅前で、入信を断った同県習志野市の無職男性(19)に殴るけるの暴行を加えた疑い。
 男性は、同日午後7時から現場近くの顕正会千葉会館で約30分、ビデオを見せられるなどの勧誘を受けた。入信を拒否して会館を出たところ、桜井容疑者らから「何で逃げるんだ」などと暴行を受けたという。
毎日新聞 2001.07.03
秋田 邸宅侵入と暴行 1  調べによると、田中容疑者は宗教法人・冨士大石寺顕正会(本部・さいたま市)の会員で、二十一日午後三時ごろ、以前に秋田市内の同会事務所に出入りしていた同市の女性会社員(26)の自宅敷地内に侵入し、玄関先で女性の腕やわき腹を手で引っ張るなどの暴行を加えた疑い。 読売新聞 2001.07.25
愛知 暴行 1  熱田区沢上の路上で、専門学校の同級生だった南区の無職男性(20)を同会に勧誘したところ拒否されたため、「ちょっと待てよ」などと怒鳴り右手首や服を引っ張るなど暴行を加えた疑い。 中日新聞 2002.05.02
神奈川 監禁 2  調べでは、石川容疑者らは、今年5月5日、横浜市瀬谷区の民家で、東京都多摩市の男子大学生(20)に同会への入信を迫ったが断られた。大学生が帰ろうと部屋を出ると、引きずり戻し、行動を監視して監禁した疑い。監禁は約2時間に及び、入会を承諾する書類に「形だけ名前を書かせてくれれば帰す」と言い、了承すると解放したという。
 3月に都内のゲームセンターで知り合い「食事をしよう」と誘い出したという。2容疑者は容疑を認めている。
 同課などは28日、横浜市港北区新横浜の同会横浜会館など5カ所を家宅捜索した。"
毎日新聞
(夕刊)
2005.07.28
群馬 傷害 1  調べでは、中沢容疑者は5月27日午後9時ごろ、館林市内の飲食店で知人の無職男性(71)に入会を迫ったが拒否されたため、男性の顔を殴って軽傷を負わせた疑い。 毎日新聞 2006.07.04
埼玉 器物損壊 4  調べによると、東京都江戸川区の女は、羽生市の派遣社員の女(41)とともに4月29日午後2時ごろ、行田市の無職女性(48)を、同市内のファミリーレストランに呼び出して入会を迫ったうえ、「こんなお守りを持っていても不幸になる」と言い、女性のお守り2個をハサミで切った疑い。入間市の女は同市の会社員の女(22)とともに昨年12月24日午後1時ごろ、中学校の同窓生の同市の無職女性(22)を訪れ、同様に入会を勧誘し、女性のお守り3個をハサミで切り刻んだ疑い。 読売新聞 2006.12.01
神奈川 強要 3  調べでは、寒河江容疑者らは昨年九月二十四日午後九時ごろ、同県厚木市内の男子大学生(20)を小田原市内の施設に連れ込み、名前や住所を無理やり言わせた上、約二時間にわたり祈らせるなどして入会させた疑い。 東京新聞 2007.01.11
新潟 逮捕監禁と強要 2  調べによると、午腸容疑者らは2006年11月12日、新潟市内の男性(21)を同市江南区のファミリーレストランに呼び出し、顕正会に入会するよう勧誘。逃げようとする男性を無理やり軽乗用車に乗せ、顕正会の新潟会館(新潟市中央区鐙西)に連れて行って監禁し、「逃げると殺す」などと脅迫して同会に入会させた疑い。
 また、午腸容疑者は男性が逃げ出した際に投げ飛ばすなどの暴行を加え、男性のひじに全治1週間の打撲を負わせた疑い。
 被害者の男性と男は、同じ中学の先輩後輩で顔見知りだった。男性は入会報告書に記入するための住所や氏名を言わされたほか、数珠をしてお経を読ませられたという。
読売新聞 2008.01.18
熊本 強要 2  発表によると、2人は6月15日午後、山下容疑者の自宅などで約3時間半にわたり、熊本市内の男子大学生(20)に対し、「顕正会を信心しないと成仏しない」「納得できないなら3日でも、4日でも話をする」と迫り、入会届を書かせた疑い。2人は「勧誘はしたが、強要はしていない」と容疑を否認しているという。 読売新聞 2008.10.01

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2008年7月 9日 (水)

『純愛』出資者こそ最大の被害者では……

 先週発売の週刊実話(08.07.17号)で、

ゆず・北川悠仁の実家「宗教団体」が支援の怪しいビジネス

 という記事を書きました。このブログやオーマイニュースで取り上げてきた偽装映画『純愛』と、北川悠仁の親族らが経営する自己啓発セミナー会社「ETLジャパン」・宗教団体「かむながらのみち」の関係をリポートする内容です。

 そして今週発売された週刊朝日(08.07.18号)では、ぼくが書いたものではないですが、こういう記事が載っています。

あの“怪しい映画”を外務省や議員が「応援」していた!

 参議院議員・山谷えり子氏らが偽装映画『純愛』を支援し、北京での上映会に高村外相など計4人の議員が祝電を送った件についての記事です。議員の支援については、すでにぼくもオーマイニュース 山谷えり子議員らが偽装映画『純愛』を支援 で書いています。この部分については週刊朝日の記事もおおむね同じ内容ですが、週刊朝日では、映画の出資者らのコメントや証言がみっちり載っていて、この映画のインチキぶりが非常によくわかります。
 たとえば、記事中、こんな出資者コメントがありました。

「いちおう出資者には年に2回の収支報告があった。でも、大ざっぱで明細がない。中国のロケハンで4千万円も使っていたので尋ねると、「中国人に監禁され、払わないと帰さない、と言われたから』と荒唐無稽な説明をされた」

 映画の制作資金として出資者からかき集めたカネは約1億円です。その4割にもなろうかというカネを、撮影する前から「中国人に監禁」されて取られてしまうとは。これが本当なら、収支報告と別に出資者に報告・説明すべき大事件なのではないでしょうか。仮に、監禁の事実などなく、使途不明のカネについて言い逃れをするためのウソだとすれば、「日中友好をうたった映画の関係者が、中国人のせいにして言い逃れするなよ」という話になると思います。

 中国という国でのことですから、何が起こるかわかりません。監禁事件が本当なのかでっちあげなのか、判断はつきにくいですが、いずれにしても、『純愛』が自分たちの仲間であるはずの出資者に対しても非常に不誠実であることがわかるエピソードです。

 オーマイニュースや週刊朝日の記事には出てきていませんが、もうひとつ、『純愛』が出資者に対していかに不誠実であるかを示す資料が手に入ったので、その一部を紹介しつつツッコミを入れたいと思います。オーマイニュース 山谷えり子議員らが偽装映画『純愛』を支援 が掲載された日付と同じ6月24日付で、出資者に配布されたリリースです。発信者は『純愛』製作実行委員長の奥山省吾氏です。
 この中に、「オーマイニュース」と媒体名を特定した上で、以下のような記述がありました。

6.ネット記者の記事、取材について
 NPO事件をきっかけに、オーマイニュース編集部の記者が「純愛」に関する様々な記事をウェブ上に掲載しています。
 純愛サイドとしてはオーマイニュース及びその記者からの取材に対し、担当弁護士とも協議の上、取材拒否の姿勢を貫いております。従ってオーマイニュースに掲載されている記事は正規の取材に基づくものではございません。
 オーマイニュース及びその記者に対する取材拒否の理由は以下の通りです。
・数年前に正規の取材なしに中傷記事を掲載し、それに対する説明も謝罪もない。
・「純愛」公開後も、偽名を騙って観客に成りすまし小林桂子さんに近づき、写真を撮影、ウェブ上に無断で配信するなど、取材者としてのモラル欠如が著しい。
・関係者への取材に際し、「純愛サイドは~と言っているが」と虚偽を申し向けた上で話を聞き出そうとしている。
・掲載内容も独自の先入観に基づくものであり反論する必要性さえ感じられない。
 オーマイニュース及びその記者の活動により、私達「純愛」のスタッフのみならず、関係者の皆様にもご心配とご迷惑をおかけしております。この場をお借りして、お詫び申し上げます。

 ウソも混じっていますが、全体的には、事実を奥山氏の勝手な解釈で釈明の材料にしているという感じでしょうか。
 ぼくとしては勝手なことを言われて正直ムカつくんですが、この文面を見ていると、奥山氏が実はオーマイニュースや藤倉に対してではなく、出資者に対してこそ不誠実であるということがわかります。上記の文章について、ひとつひとつツッコミを入れていきます。

純愛サイドとしてはオーマイニュース及びその記者からの取材に対し、担当弁護士とも協議の上、取材拒否の姿勢を貫いております。

 ↑これは完全なウソです。今年1月に藤倉が札幌で奥山に突撃した際、奥山氏は「弁護士に聞いてください」と言い、「取材拒否」とは言いませんでした。3月に名古屋で奥山に突撃したときも同じでした。
 実際ぼくは、1月の突撃の後には『純愛』側弁護士と会談し、オフレコで『純愛』側の事情について説明を受けました。3月も、こちらの質問事項を弁護士が奥山氏に確認した上で答えてくれており、その内容はオーマイニュース 偽装映画『純愛』、名古屋で公開 に記載しています。
 このことからわかるように、奥山氏は「取材拒否の姿勢を貫いて」などいません。

したがってオーマイニュースに掲載されている記事は、正規の取材に基づくものではありません。

 ↑これは事実ですが、だからどうしたって感じですね。正規の取材じゃなくたって、記事の内容に誤りがなければ問題ないと思います。 仮に、正規の取材がない記事はデタラメだと奥山氏が言いたいのだとしたら、奥山氏がぼくに対して何ら正規の取材もせずに流したこのリリースもまたデタラメだということになります。

 奥山氏は、自分の行動が自分の主張をぶち壊していることの滑稽さに気づいていないのでしょうか。

数年前に正規の取材なしに中傷記事を掲載し、それに対する説明も謝罪もない。

 おそらく藤倉の個人サイト「自己啓発セミナー対策ガイド」内にある 小林桂子・映画企画 3ヶ月で7,000万円のカネ集め小林桂子映画、クランクイン決定 の2本の記事を指すと思われます。
 いずれも物証・証言から確証を得て書いた記事であり、この記事に対して奥山氏らからは「内容が事実と違う」といった類の指摘は一切ありません。事情説明も求められておらず、謝罪の要求もありません。ともと藤倉が説明や謝罪をすべき状況にないため、説明や謝罪がないことを取材拒否の理由にされる筋合いはありません。

「純愛」公開後も、偽名を騙って観客に成りすまし小林桂子さんに近づき、写真を撮影、ウェブ上に無断で配信するなど、取材者としてのモラル欠如が著しい。

 ↑偽名を使ったこと自体は事実ですが、モラルの欠如によるものではありません。むしろ、ほかの観客もいる劇場内で興行の妨害につながるような形での取材はしないというモラルに基づいたものです。

 今年1月のオーマイニュース 偽装映画『純愛』の札幌公開始まる『純愛』の小林桂子氏を直撃取材『純愛』小林桂子氏に直撃で恐縮です といった記事・写真・動画でのリポートのほか、その後の記事でもこのときの写真等を使用しています。
 一般的には好ましい取材方法ではないと思われるかもしれませんが、昨年12月の第一報の際、『純愛』側は取材を受けるような受けないようなどっちつかずの態度で返答を引き延ばしながら、結局、記事の掲載直前になってから「お答えできません」と回答してきていました。また、NPO法人の偽装、公式サイト上での虚偽説明(当ブログ 映画『純愛』公式サイトのウソを暴く! 参照)などから、常識が通用しない人々であることが明らかであり、こうした人物や団体に対する潜入取材としては、とくだん問題ないと思います。
 また、たとえ潜入取材であっても、現場で彼らの活動(この場合は映画の上映)を妨害しないというのは鉄則です。上映会場で混乱をきたすような取材方法は「業務妨害」になりかねません。会場や観客に迷惑をかけず、現場での活動妨害は慎むというモラルに基づけば、むしろ素性を明かさない取材方法がベターでした。
 この取材のすぐ後、会場の外に出てから、興行の妨害につながらない形で「オーマイニュースです」と名乗って小林氏らに直撃取材をしています。上記の記事・動画などを見ていただければわかります。

 なお、前述の通り、この取材の後に奥山氏らは弁護士を通して取材に答えています。ですから上記の「モラル」について奥山氏がどう解釈しようと、1月のこの件は彼らが取材を拒否する理由になっていません。

関係者への取材に際し、「純愛サイドは~と言っているが」と虚偽を申し向けた上で話を聞きだそうとしている。

 ↑何について「虚偽」と言ってるのか不明ですが、取材申し入れの際、相手に説明するのは、基本的に記事として掲載予定あるいは掲載済みの事実だけです。もちろん、取材を受けてもらえて細かいやりとりができるようになったときには、未確認情報をぶつけて尋ねたりカマをかけることも一般論としてはありますが、幸いにも(?)『純愛』に関しては、そんな微妙な取材をしなくても、ぼろぼろとインチキ振りが見えてきています。
 そういうわけなので、取材の際の藤倉の説明が虚偽なのだとすれば、実際に掲載されている記事にも虚偽が含まれるだろうと思います。なぜ奥山氏が記事の内容について反論しないのかナゾです。

掲載内容も独自の先入観に基づくものであり反論する必要性さえ感じられない。

 ↑ここが最大のポイントです。
 奥山氏が、記事には問題があと認識しており、それによって関係方面に迷惑や心配をかけていると認識しているにも関わらず、記事に反論しないのだとしたら、関係者に対してあまりに不誠実なのではないでしょうか。1億円ものカネを出資してくれた仲間たちを、何だと思ってるんでしょう。
 これまで奥山氏からは、オーマイニュースや藤倉に対して一切、抗議は来ていません。ここで紹介しているような内部文書の類でも公式サイト上でも、奥山氏が記事の内容について具体的に間違いも指摘している場面を、ぼくはいちども見たことがありません。奥山氏らの代理人弁護士についても同様です。

 しかも、『純愛』公式サイトでは2007年12月21日付の声明で、名指しこそしていませんが週刊朝日やオーマイニュースに記事について、以下のように言及していました。

結果的に12月18日頃に公表された記事は事実に反する誹謗・中傷に終始しており、私達は甚大な損害を被っています。この記事掲載につきましても、現在、前述の法律事務所と対応を協議しています。

 ↑この一文も、結局ウソだったということなんでしょう。
 なぜなら、今回の6月24日付の文書では、記事の内容について「事実に反する」とする主張が一切ないからです。現在、上記の文言は『純愛』公式サイトから消えています。つまりオーマイニュースの記事に対する見解は、「独自の先入観に基づくもの」という程度の内容に変わっており、記事の内容が「事実に反する誹謗・中傷に終始して」いるとの主張を撤回してしまっています。

 こうして説明内容をころころ変えたりウソをついているのを見ると、この映画をめぐる問題の最大の被害者はやはり出資者たちであるということを、改めて痛感させられます。

 ほかにも奥山氏が出資者に対してウソをついている証拠・証言はあるので、オーマイニュースでのリポートはまだ続けたいと思います。

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2008年6月22日 (日)

偽装映画『純愛』の奥山氏がまたデタラメ発表

Photo_3  20日から都内で、UNHCR駐日事務所などが主催する第3回「難民映画祭」が開催されており、21日、その中のいち出品作品として偽装映画『純愛』が上映されました。上映前に、主演・総指揮の小林桂子氏(推定43歳)、共演のYASUTAKAこと川口恭誉氏、ちょい役で桂子氏の実弟である小林正明氏が舞台に立ち、当り障りのない挨拶をしていました。

 この「難民映画祭」での上映について、『純愛』製作実行委員長・奥山省吾氏が、デタラメな発表をしています。mixiのコミュニティ「純愛」内の「名古屋3週目 記録更新!」というトピックスです。

 該当部分を引用します。

それから実は今日、東京で「純愛」上映されました。
国連の難民映画祭。
NHKみんなの広場ふれあいホールで。
300人のホールがほぼ満員になりました。
中国のお客さまもとっても感動していました!

   無料の上映会ですが、入場者数は主催者であるUNHCR駐日事務所側がカウントしています。それによると観客数は159人です。うち15人が「関係者」としての入場なので、純粋なお客さんは144人です。とてもじゃありませんが、300人(正確には定員285人のようですが)のホールを「ほぼ満員」にできるような人数ではありません。

 『純愛』は先週末に札幌での再上映をスタートさせており、例によって小林桂子氏ら出演者がロビーでの送り出し挨拶やトーク&ライブなどを行いました。このライブに行った人の報告によると、この日の最終上映回(トーク&ライブの前)の観客数は22人で、トーク開始後は29人。いずれも関係者やスタッフを含めた数で、ほとんどが客席前方に固まっていたことなどから、客の大半が「身内」だったのではないか、とのことでした。

 この劇場のキャパは96席です。今年1月の興行(10週間、計267回上映)では、上映1回あたりの平均入場者数は15人。上映回数の約5分の1にあたる49回で、出演者の舞台挨拶やロビーでの挨拶を行って「身内」の客を動員し、会場を満員にしていた回もありました。なので、それ以外の上映は、平均15人をさらに下回る“閑古鳥”状態だったことになります。

 ところが今月始まった再上映では、ナマ小林桂子氏が舞台に立ったにもかかわらず、会場の席数の3分の1も埋められませんでした。「身内」相手の集客力すらも、相当落ち込んでいます。

 今後は名古屋でも再上映の予定で、中国での公開も始まっているようです。外見上はイケイケに見えるものの客足は大きく落ち込んでいることから、奥山氏が難民映画祭での観客動員数をサバ読みして公表したくなる気持ちもわからないではありません。

 ただ、奥山氏が意図的にウソをついているのではなく、本気でホールが満員だったと解釈している可能性もあります。奥山氏は、ARCインターナショナルという自己啓発セミナーの出身者で、『純愛』は自己啓発セミナー卒業生らから約1億円をかき集めて製作された、いわば“自己啓発セミナー関係者の文化祭”的作品です。自己啓発セミナーでは、「現実とは、それを見ている人の『解釈』によって作られるもので、人の意識が変われば現実が変わる」といった思想があります。奥山氏の解釈次第では、「定員285人のホールが159人の客によってほぼ満員になった」という不思議な現実を作り出すことも可能なのかもしれません。

 しかしぼくが実際にこの目で見たのは、「ホールは空席が目立ち、客のうち何人かは、途中で席を立って戻ってこなかった」という現実と、「主催者のカウント票に書かれていた観客数も、主催者がぼくに語ったも、159人(144人)だった」という現実です。それから、「奥山氏が、満員じゃなかった上映会を満員だったとするデタラメ報告をしている」という現実も見ちゃいました。

 ぼくには、直接見てしまった現実を解釈によって捻じ曲げる能力がありません。

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