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2007年3月 4日 (日)

伊藤芳朗弁護士がホームオブハートの広報担当者に ~ナゾの女「モリゾノさん」の正体とは?~

 さて、「ホームオブハート被害者勝訴 東京地裁で〝血の通った判決〟」で判決の内容を書きましたが、判決の当日、ホームオブハート側のコメントをもらおうと電話をかけました。
 電話口に出たのはモリゾノさんと名乗る女性です。
--ライターの藤倉と申しますが、今日の判決についてのコメントをください。
「取材の申し入れは、広報担当であるクレスト法律事務所の伊藤芳朗先生にお願いします」
--伊藤先生は裁判の代理人はしていませんよね。それでも取材対応は伊藤先生なんですか?
「そうです」
--それは、今回判決が出た訴訟の控訴審を伊藤先生に依頼するという意味でしょうか。
「それはまだ決まっていません」
--伊藤先生は「代理人」ではなく「広報担当者」なんですね。
「そうです」
--今回の裁判についての取材だけではなく、ホームオブハートに関する取材全般の窓口が伊藤先生なんでしょうか。
「そうです」

 伊藤芳朗弁護士は、いつの間にか顧問弁護士でも代理人でもなくホームオブハートの広報担当者になっていました。まるでホームオブハートの社員か信者にでもなってしまったかのようにも聞こえますが、実際はどうなんでしょう。
 そこで、当の伊藤芳朗弁護士のクレスト法律事務所に電話をしてみました。しかし2日間にわたって電話しても、「外出中」「打ち合わせ中」「出張中」とのことで出てきてくれません。ぼくの電話番号と取材趣旨を伝えても連絡をくれません。
 残念ながら、これでは伊藤弁護士の言い分がわかりません。

 しかし、もしホームオブハート社内の、たいして事情を知らない下っ端がテキトーなことを言っているだけだったとすると、伊藤弁護士に迷惑がかかります。そこで、ホームオブハートの被害者の人たちに、「モリゾノ」という女性を知っているか尋ねましたが、みな、心当たりがないと言います。
 「カルトの消滅過程」にあるホームオブハートに新人でも入ったんでしょうか。
 取材の際に録音した音声を、被害者の皆さんに聞いてもらいました。「○○さんっぽい」という意見もありましたが、最後に静かな場所で録音をじっくり聞いた人は、「桃井(ホームオブハートの代表取締役で被告の桃井多賀子氏)の声のようだ」とのこと。
 そこで翌日、またホームオブハートに電話しました。

--昨日の判決についてコメントを。
「クレスト法律事務所の伊藤芳朗先生にお願いします」
--伊藤先生は連絡がつかないんです。
「こちらではお答えできませんので」
--昨日電話に出ていただいたモリゾノさんですよね。
「あ、藤倉さんですか」
--モリゾノさんって桃井さんじゃないんですか?
「・・・。」
--桃井さんじゃないんですか?
「違います」
--関係方面に取材しても「ホームオブハートのモリゾノさん」に誰も心当たりがなくて、しかもモリゾノさんの声が桃井さんによく似てるそうなんですが。
「違います」
--桃井さんであれば、もともとホームオブハートで広報対応されてましたよね。
「こちらでは何もお答えできませんので」
--桃井さんであれば、被告ご本人ですから、ぜひお話をお聞きしたいんですが。
「ガチャ」(切られた)

 ソッコーでリダイヤルボタンを押します。最近の電話器は便利ですね。

--モリゾノさん、下のお名前をうかがっていいですか?
「答える義務はありませんので」
--伊藤先生に「伊藤さんに聞けとホームオブハートのモリゾノさんから言われた」と言っても、モリゾノさんが実在しない人だったら伊藤先生に話が通じない可能性があります。確認のため、下の名前を教えてください。
「こちらでは何も答えられませんので」
--ですから伊藤先生に聞くための確認として下のお名前を。
「では、こちらからも伊藤さんに(藤倉のことを)申し伝えておきます」
--わかりました。よろしくお願いします。

 さて、伊藤弁護士にはぼくのことは伝わったんでしょうか。まだ連絡はありませんが。

 参考までに、伊藤芳朗弁護士のプロフィールをWikipediaから引用します。

伊藤芳朗(いとうよしろう、1960年8月20日 - )は弁護士。大阪府出身。灘高等学校、東京大学法学部卒業。坂本堤弁護士一家殺害事件など、オウム真理教関連の事件に関わり、テレビなどにも多数出演している。戸籍謄本等を不正に取得したことを理由として、東京弁護士会から2004年1月30日に業務停止4月の懲戒処分に処せられた。
 伊藤弁護士は株式会社システムブレーンというところに講演の講師登録をしているようで、同社HPにもプロフィールなどが書かれています。
「今、社会に望まれること」伊藤芳朗(いとうよしろう)/弁護士
プロフィール

オウム事件をはじめ、子どもの人権、家族問題などを追い続ける、知性派弁護士。昭和35年大阪生まれ。同54年灘高等学校卒業。同59年司法試験合格。同60年東京大学法学部卒業。宗教問題、少年事件、家族問題などを得意分野とし、法律問題全般にわたる講演をこなす。

■経歴・職歴
昭和60年、大学卒業と同時に、司法研修所入所。同62年、研修所を卒業し、東京弁護士会所属の弁護士として登録される。平成2年、伊藤 法律事務所を開設。同8年、クレスト法律事務所所長となり、現在に至る。主な弁護士活動として、日本弁護士連合会・子どもの権利委員会事務局次長、同・消費者委員会幹事、東京弁護士会・犯罪被害者の支援に関する委員会委員、同・子どもの人権と少年法に関する特別委員会委員、同・弁護士業務妨害対策委員会委員など多数つとめる。また「オウム真理教被害対策弁護団」所属。これまでの主な活動ジャンルとしては、家族問題(少年事件・子どもの人権・教育・離婚・親族相続)、医療、その他民事・商事など。

■指導内容
“オウム事件を考える”“子どもの人権”“手形・小切手の実務”など、実際に現場に携わった弁護士だから話せる内容は、好評。
 伊藤弁護士は、もともとは統一教会による霊感商法問題を批判する側に立っていた人物でもあります。
 しかしホームオブハート問題に際しては、『(ホームオブハートは)「カルト宗教」ないし「カルト宗教類似」の団体ではない』との立場をとっています。2004年に児童相談所がホームオブハートの子供達への指導措置を決定した際には、トシオフィスのHPに、同趣旨のコメントを寄せていました(いまは掲載されてはいないようです)。また、被害者側弁護士の紀藤正樹氏・山口貴士氏について、ホームオブハート現役メンバーが弁護士会に懲戒処分を計5件、申し立てていますが、うち4件で伊藤弁護士がホームオブハート側代理人を務めています。
 ホームオブハート被害者やその代理人弁護士を非常に口汚く非難している「子供達からの声」というHPがあります。これは、児童虐待発覚の際に児童相談所によって保護された子どもの一人と名乗る人が運営しているものです。このサイトでも、今回の地裁判決の直後に、こんな文章が掲載されています。
緊急報告です。より
子供たちによる、紀藤弁護士の懲戒請求は着々と進んでいます。
私たちの弁護士は、あのオウム真理教の事件を解決させた伊藤先生です。
子供軍団パワーと伊藤先生パワーで紀藤弁護士を徹底交戦中です!
 当然のことですが、「弁護士はカルト側の代理人を務めるべきではない」などと言うつもりはありません。
 しかし、これだけ多くの深刻な被害が明らかにされているホームオブハートについて、弁護士として「カルトではない」などと断言している点に疑問を感じます。伊藤弁護士は、ホームオブハートをカルトではないとする明確な根拠は出しておらず、弁護士らしからぬ姿勢でホームオブハート問題に携わっているように見えます。ホームオブハートをカルトと呼んで差し支えないと思える事実認定がなされた今回の地裁判決は、伊藤弁護士の主張とは正反対のものです。
 また、裁判で争われている最中の事実関係をめぐって相手方弁護士に懲戒請求を乱発する行為は、ぼくの目には業務妨害目的のように見えて仕方がありません。それでいて伊藤弁護士は、上記の株式会社システムブレーンHP内にある伊藤弁護士のプロフィールにもあるように、東京弁護士会の弁護士業務妨害対策委員会委員を務めています。同時に、子どもが「不適切な養育環境にあった」と児童相談所が判断した団体の側についていながら、日弁連の「日弁連子どもの権利委員会」幹事でもあります。
 皮肉がてんこ盛りです。

 カルト被害の問題に取り組んでいた弁護士が、なぜこんなことになってしまったのかナゾです。同時に、この伊藤芳朗弁護士に対して、山口貴士弁護士は明確な批判を表明(全面的勝訴判決のご報告!)しているものの、ほかの反カルト運動関係の人々からはっきりとした批判の声が表に出てこないのもまた、不思議でなりません。

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コメント

裁判の結果を伝えたweb新聞記事の中で、毎日新聞は、ホームオブハートのコメントを直接話法で載せていましたが、あれは、直接取材したのでしょうかね。
少し前のサンデー毎日の記事といい、ちょっと??です。
(新聞と週刊誌と、連動しているわけではないでしょうが)

 少なくとも伊藤善郎弁護士を通じてコメントをもらえたメディアはほかにもあったんじゃないかな。大手メディアには(あるいはメディアを選んで)対応するというのも、「広報担当者」の重要なお仕事です(笑)。
 サンデー毎日のTOSHIインタビューは、ひどい提灯記事でしたね。地の文でもTOSHI側の言い分に沿った話ばかりでした。まあ、ああでもしないとインタビュー載せさせてもらえないんでしょうね。

> 少なくとも伊藤善郎弁護士

芳朗です。

> 少なくとも伊藤善郎弁護士

 ホントだ。自分の名前に変換してら。

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