Google AdSense


最近のトラックバック

000:報道・書籍

2013年5月 9日 (木)

8bitNews? オーマイニュースの劣化版でしょ

元NHKの堀潤氏が主宰するユーザー投稿の動画サイト「8bitNews」が、こんな感じで話題になっています。「8bitNews」はどうもニュースサイトを自認しているようなのですが、読者がYouTubeにアップした動画を「8bitNews」に登録することで、「8bitNews」側のチェックや編集を受けることなく、「8bitNews」による「ニュース」として配信される、というものです。要するに、単なる一般ユーザーによる投稿サイトです。

わたくし藤倉は、かつて市民メディアを標榜していた「オーマイニュース」で記者をしていました。

オーマイニュースは、もともと韓国で「盧武鉉大統領を当選させた市民参加型ニュースサイト」とも言われ、2006年にソフトバンクとの提携により日本版サイトをスタート。しかし、市民記者が持論を垂れ流す偏向した自己主張記事や、事実誤認を含んだ記事などが散見され、またそういった問題に対する編集部サイドの対応のまずさもあって、しょっちゅう炎上していました。結局、08年に「オーマイニュース」は終了。「オーマイライフ」と名を変えて存続したものの翌09年には完全消滅しました。

藤倉がオーマイニュースで記事を書き始めたのは、初代編集長の鳥越俊太郎氏が大した仕事もせず病気を理由に辞任した頃です。辞任した直後からテレビとかで自分の病気をネタにするお仕事を始めた鳥越氏の体を張ったタレント根性には、ほんと脱帽です。

藤倉はオーマイニュースで、割といい原稿料を頂いて記事を書く「プロ記者」でしたが、それは少数派。「オーマイニュース」は原則として、記者登録している一般ユーザーである「市民記者」がとても安い原稿料(掲載場所によって300~2000円、後に500円だったかな)で原稿を書き、編集部のチェックや修正を受けて記事が掲載される、というものでした。一般ユーザーが投稿した記事はボツにされることもあれば、掲載時の扱い(トップ記事かどうか)によって原稿料が変わったりもしました。

オーマイニュース亡き後、藤倉はPJニュースという市民メディアで「誰がオーマイニュースを殺したか」という記事を書きました。

過保護な姿勢が“報道”を自己否定した=誰がオーマイニュースを殺したか(上)
初代編集長・鳥越俊太郎の罪=誰がオーマイニュースを殺したか(中)
プロ記者はいったい何をしていたのか=誰がオーマイニュースを殺したか(下)

この記事が総括として充分かどうかはわかりませんが、とりあえずオーマイニュースには、以下のような問題がありました。

・ニュースサイトを謳っているが、実際に投稿される記事は身辺雑記的な内容が目立った。
・政治や社会問題に関連する記事を頻繁に投稿する市民記者は、客観的事実を無視した持論開陳型が目立った(たいがい、炎上するのはこのタイプの記事)
・事実関係や辻褄がおかしい記事をボツにしたり、そういう記事を書く記者をしっかり指導する能力が、編集部になかった。原稿を直されることに不満を抱くクレーマー的な記者を冷たく突き放すこともできず、おかしな原稿お掲載してしまっていた。
・記事や記者への批判も含め、サイト運営上の問題についての対応や関係者の発言が拙く、外部や市民記者からの批判や不信感は編集部にも向けられていた。

オーマイニュースが、かなりダメダメなニュースサイトとしてその歴史を閉じてから4年。今度は「8bitNews」という市民メディアが登場したわけですが、両者の主要な仕組みを比較してみましょう。

【オーマイニュース】
・市民記者には原稿料支払いがあったため、銀行口座や実名等の個人情報を編集部に登録していた。
・記事は原則実名での署名記事だった。
・市民記者が投稿した記事は編集部がチェック・編集してから掲載し、ボツにされることもあった。
・商業宣伝記事は、編集部の許可がないものは禁止。
・当初、市民記者規約において、記事をめぐり第三者が損害を受けたと主張した場合は編集部が責任を負い、記者自身には最大限協力してもらうとしていた(ただし裁判に負けた場合、記者自身の故意や重過失でない場合は上限50万円との条件付きながら、市民記者自身が賠償せよ、としていた)。

【8bitNews】
・「記者」は自身のFacebookアカウントと同期させるだけで8bitNewsに投稿者登録でき、身分確認も何もない。原稿料等はないので個人情報登録も不要。
・そういうわけなので、投稿者名が実名である保証はない。
・投稿された映像はノーチェックで即時掲載される。ということは、修正はもちろんボツもない。
・商業宣伝映像の投稿も完全無制限。
・利用規約において「取材、および記事・動画投稿は発信者個人の責任で行う」「事務局は『8bitNews』の利用者(発信者および閲覧者)と第三者間に生じたトラブルに関して一切の責任を負わない」と、完全に投稿者任せ。

表向きの仕組みだけ見ると、オーマイニュースの方がはるかにちゃんとしていたように見えます。しかしそのオーマイニュースも、実際には会社が費用負担した韓国への研修旅行でユーザーに替え玉参加されてしまったり、編集部のチェック能力の杜撰さからしょうもない記事が掲載されてしまって炎上したり、散々な状態でした。非常識な市民記者が群がってきてしまったがゆえの不幸ですが、それに対する備えが機能していなければ、当然こうなります。

一方で8bitNewsは、形式上の備えはあったが機能しなかったオーマイニュースと違って、そもそも備えすらありません。ノーガードで「素人さん寄っといで~」とやっているわけです。明らかに、オーマイニュース以上に脆弱な仕組みです。

素人による投稿映像をノーチェックで並べて「ジャーナリズムでござい」とか言っている時点で目を覆いたくなる勘違いなのですが、問題に対する備えの無さは、もはやジャーナリズム云々以前の問題でしょう。

藤倉はオーマイニュース編集部の業務にはノータッチでしたが、記事の打合せ等で編集部にはちょくちょく出入りしていました。DQNな市民記者たちへの対応に頭を悩ませる編集部員の姿も見ています。オーマイニュースの末期にPJニュースへと移行してきたDQN市民記者たちにPJニュースの小田光康編集長がブチキレているのを、藤倉は脇で眺めながらニヤニヤしていたこともあります。

どのくらいDQNかというと、編集部が原稿に使われていた漢字表記を標準的なものに修正したことが気に食わないと喚き散らして記者を辞めてしまう人とか、得意げに知ったかぶった文章で堂々とデマを書いてよこす人とか、キャプションも付けずに花の写真とか送り付けてくる人とか、ニュースでも何でもない風景や花の写真を頻繁に投稿して原稿料を稼ごうとしているとしか思えない人とか、編集部にクレームを付けてはビルの前で編集部員を待ちぶせするような人とか。これまたジャーナリズム云々以前に、人としてちょっと狂った感じです。

市民による情報発信の価値は否定しません。しかし、インターネットだのブログだのが登場した時点で、市民はすでにある程度の発信力を手に入れています。その中で、人の関心を集める能力に長けた人々はそれぞれに有名ブログを開設するなどして活躍しています。有名ブロガーになれない市民の中にも重要な情報を発信できるポテンシャルはあるでしょうが、そこには同時に、参加型サイトにでも投稿しなければ誰からも相手にされないであろう類が(下手をしたら、人間性に問題がありすぎて、情報発信どころかコミュニケーション自体が困難な人も)混じっているわけです。

藤倉が主筆を務める「やや日刊カルト新聞」が、プロではない記者陣を擁している一方で記者を一般公募しない理由は、その点にあります。素人参加のニュースサイトに必要なのは「信頼できる一般市民」なのであって、玉石混交の有象無象ではありません。「カルト」というニッチなテーマの場合は、そのテーマに感心を寄せ取材や勉強を重ねている人とシンポジウムや勉強会、トークイベントなどで直接出会う人を記者にスカウトできるという幸運な事情もありますが。

「市民」を一般公募すると、投稿される記事や映像の質が高いとか低いとかというレベルの問題ではない、正常とは思えない人だって寄ってきてしまうわけです。もちろん、悪意を持った人だって寄ってくるかもしれません。本人は善意のつもりで実際にはイカれたことをするという人だって、世の中にはたくさんいます。

オーマイニュースが4年前に失敗に終わり、その後、ネット上のステルスマーケティング(ステマ)問題が一般メディアで取りざたされたこともありました。そんな状況の中で、オーマイニュースよりさらに無防備な「市民メディア」を元NHKアナウンサーが開設し、素人を煽っているわけです。これでは、遅かれ早かれ、オーマイニュースの市民記者どころではないトンデモさんに利用されかねません。

ただ、オーマイニュースの時代よりは希望を抱ける面もあります。オーマイニュースは本当にしょうもないサイトだったので、多くの人はすぐに関心を失い、瑣末なことに憶測を重ねて粘着するようなウォッチャーがオーマイニュース批判の中心になっていきました。サイトもDQNなら批判者もDQNでした。しかし8bitNews批判においては、ざっと見渡したところ、そういう不毛な粘着質な批判で盛り上がっているという感じには見えません。事務局の内部事情をうがった憶測でなじるのではなく、具体的な投稿映像や仕組みを指摘する批判になっています。オーマイニュースの時よりも、能力の高い批判者が口出ししているように見えます。

仮に8bitNewsが批判を理解できず厚顔無恥にひた走れば、多くの人は同じような批判を繰り返し続けることに飽きて、オーマイニュースウォッチャーのように不毛な粘着さんだけが残ってしまう可能性もないではありません。そうならないよう、今後も理性的で破壊力のある批判がなされていくといいなと思います。

あと、とりあえず8bitNewsの堀潤氏は、ネットのニュースサイトの歴史を少し勉強した方がいいでしょうね。前回の「市民メディアブーム」から10年も経ってないんですよ。

なんて昔を振り返りつつ、「実はオレの嫁、オーマイニュースで知り合った市民記者なんだよ。市民記者と不倫して略奪婚しちった」と無意味に暴露してみる。オーマイニュースはダメダメだったけど、藤倉にとっては素晴らしい出会い系サイトでした、というオチ。

2008年10月31日 (金)

メディアを語る宗教学者のリテラシー

RIRC開設10周年記念・公開研究フォーラム
<宗教情報>とメディアリテラシー

 というフォーラムが11月2日に開かれます。発題者はとても面白そうな顔ぶれで、中でも創価学会副会長・岡部高弘氏が「創価学会のメディア対応について」語るあたりが興味深い。

 ぼくは行きませんが、興味がある方はぜひどうぞ。ぼくが取材に行かない理由と経緯は、こちらに書きました。

livedoorニュース メディアを語る宗教学者のリテラシー

 少なくともぼくにとって、宗教情報リサーチセンター(RIRC)およびセンター長の井上順孝氏は、公正な取材という立場で関わることは不可能な相手だということがわかりました。

2008年10月 3日 (金)

また顕正会で逮捕者・10年で(少なくとも)20人目!

 仏教系カルト集団「顕正会」でまた逮捕者が出ました。

顕正会の会員2人を逮捕 大学生に入会強要の容疑
2008.9.30 22:49(MNS産経ニュース)

 大学生に執拗(しつよう)に入会を迫ったとして、熊本県警は30日、強要の疑いで宗教法人「顕正会」(本部・さいたま市)会員の山下幸一郎容疑者(36)=同県宇城市=と岡村治容疑者(22)=同市=の2人を逮捕した。2人は「勧誘したが、強要はしていない」と容疑を否認しているという。

 県警によると、顕正会に関しては勧誘や脱会をめぐるトラブルが相次いでいるが、九州・沖縄での逮捕は初めて。全国の警察には今年前半、約600件の相談が寄せられているという。

 調べでは、両容疑者は6月15日午後、山下容疑者宅や近くの駐車場で入会を拒んだ熊本市の男子大学生(20)を「信心しないと成仏しない」などと脅し、入会届を書かせた疑い。

 顕正会は「詳しい内容は聞いていない。コメントすることはない」としている。

入会強要:宗教法人「顕正会」会員の2容疑者を逮捕 /熊本
2008.10.01(毎日jp)

 相手の意志に反して強引に宗教法人の入会届を書かせたとして、県警警備1課と熊本北署は30日、宇城市松橋町豊福、職業不詳で宗教法人「顕正会(けんしょうかい)」会員、山下幸一郎(36)と同市小川町北海東、同、岡村治(22)の2容疑者を強要容疑で逮捕した。「意志に反した勧誘ではなかった」と容疑を否認している。

 調べでは、6月15日午後2時ごろ、山下容疑者方などで、熊本市の私立大1年生男子(20)に対し約3時間半「顕正会を信心しないと成仏しない」などと脅して入会を求め、入会届を書かせた疑い。大学生が数日後、熊本北署に被害届を出した。

 顕正会は信者の強引な勧誘をめぐり、今年だけで全国で数百件の相談があるという。神奈川県や新潟県でも逮捕者が出ている。

毎日新聞 2008年10月1日 地方版

 今年前半だけで600件の相談が警察に寄せられているって、すさまじい話ですね。で、上記の記事では、過去にも逮捕者が出ていることについても触れてはいますが、どのくらいの人数がどういう容疑で逮捕されたのか具体的に書いている新聞は見当たりません。

 そこで、過去の新聞記事から、1992年以降の顕正会の逮捕事例を表にまとめてみました。92年以降でまとめたのは、単にデータベースでヒットする記事がその辺までしかないからです。

 とりあえず92年以降、新聞で報道じられた逮捕者数は計22人にもなります。区切りよく過去10年でカウントすると、今回の逮捕者が20人目になります。顕正会員に逮捕者が出た事件が全て報道されているのかどうかはわかりません。また、この表のケース以外に、逮捕されず書類送検のみのケースもあります。

 今回の逮捕は、強要容疑のようです。しかし過去の逮捕事例の容疑を一覧で見ると、強要以外にも「傷害」「邸宅侵入」「暴行」「監禁」「器物損壊」と、恐ろしい言葉のオンパレード。特に表のいちばん最初にある1992年のケースは、路上で高校生に「「お前ら高校生か、車に乗れ」と声をかけ事務所に連れ込むという、「キャッチ」を通り越してほとんど拉致のような勧誘方法です。

 警察は顕正会を広域指定暴力団にした方がいいんじゃないでしょうか。無理?

地域 容疑 逮捕者数 状況 出典 発行日
千葉 強要 2  調べによると、石川容疑者らは今年三月二十一日午後十時十分ごろ、同県我孫子市緑一の路上で、高校生三人(いずれも十六歳)に「お前ら高校生か、車に乗れ」と言って、事務所へ連れて行き、「これに住所、名前を書け。うそを書くとぶっ飛ばすぞ」と、入信願書に署名させた疑い。 毎日新聞 1992.08.29
神奈川 傷害 1 調べでは、関容疑者は今年4月16日午後7時半ごろ、藤沢市南藤沢の歩道で、ゲームセンターから出てきた同市に住む私立大学生男子(19)に対し、「今日はただでは済まさない。なめていると顕正会の仲間を呼ぶぞ」などと脅し、大学生の顔や足を殴るけるなどの暴行を加え、軽いけがを負わせた疑い。関容疑者は今年の2月と4月、この大学生に対し「世紀末が来る」などと宗教法人への入会を勧めたが、応じないため腹を立てていたという。 毎日新聞 1999.07.05
千葉 暴力法違反 3  調べでは、3容疑者は1日午後8時ごろ、千葉市中央区長洲1のJR本千葉駅前で、入信を断った同県習志野市の無職男性(19)に殴るけるの暴行を加えた疑い。
 男性は、同日午後7時から現場近くの顕正会千葉会館で約30分、ビデオを見せられるなどの勧誘を受けた。入信を拒否して会館を出たところ、桜井容疑者らから「何で逃げるんだ」などと暴行を受けたという。
毎日新聞 2001.07.03
秋田 邸宅侵入と暴行 1  調べによると、田中容疑者は宗教法人・冨士大石寺顕正会(本部・さいたま市)の会員で、二十一日午後三時ごろ、以前に秋田市内の同会事務所に出入りしていた同市の女性会社員(26)の自宅敷地内に侵入し、玄関先で女性の腕やわき腹を手で引っ張るなどの暴行を加えた疑い。 読売新聞 2001.07.25
愛知 暴行 1  熱田区沢上の路上で、専門学校の同級生だった南区の無職男性(20)を同会に勧誘したところ拒否されたため、「ちょっと待てよ」などと怒鳴り右手首や服を引っ張るなど暴行を加えた疑い。 中日新聞 2002.05.02
神奈川 監禁 2  調べでは、石川容疑者らは、今年5月5日、横浜市瀬谷区の民家で、東京都多摩市の男子大学生(20)に同会への入信を迫ったが断られた。大学生が帰ろうと部屋を出ると、引きずり戻し、行動を監視して監禁した疑い。監禁は約2時間に及び、入会を承諾する書類に「形だけ名前を書かせてくれれば帰す」と言い、了承すると解放したという。
 3月に都内のゲームセンターで知り合い「食事をしよう」と誘い出したという。2容疑者は容疑を認めている。
 同課などは28日、横浜市港北区新横浜の同会横浜会館など5カ所を家宅捜索した。"
毎日新聞
(夕刊)
2005.07.28
群馬 傷害 1  調べでは、中沢容疑者は5月27日午後9時ごろ、館林市内の飲食店で知人の無職男性(71)に入会を迫ったが拒否されたため、男性の顔を殴って軽傷を負わせた疑い。 毎日新聞 2006.07.04
埼玉 器物損壊 4  調べによると、東京都江戸川区の女は、羽生市の派遣社員の女(41)とともに4月29日午後2時ごろ、行田市の無職女性(48)を、同市内のファミリーレストランに呼び出して入会を迫ったうえ、「こんなお守りを持っていても不幸になる」と言い、女性のお守り2個をハサミで切った疑い。入間市の女は同市の会社員の女(22)とともに昨年12月24日午後1時ごろ、中学校の同窓生の同市の無職女性(22)を訪れ、同様に入会を勧誘し、女性のお守り3個をハサミで切り刻んだ疑い。 読売新聞 2006.12.01
神奈川 強要 3  調べでは、寒河江容疑者らは昨年九月二十四日午後九時ごろ、同県厚木市内の男子大学生(20)を小田原市内の施設に連れ込み、名前や住所を無理やり言わせた上、約二時間にわたり祈らせるなどして入会させた疑い。 東京新聞 2007.01.11
新潟 逮捕監禁と強要 2  調べによると、午腸容疑者らは2006年11月12日、新潟市内の男性(21)を同市江南区のファミリーレストランに呼び出し、顕正会に入会するよう勧誘。逃げようとする男性を無理やり軽乗用車に乗せ、顕正会の新潟会館(新潟市中央区鐙西)に連れて行って監禁し、「逃げると殺す」などと脅迫して同会に入会させた疑い。
 また、午腸容疑者は男性が逃げ出した際に投げ飛ばすなどの暴行を加え、男性のひじに全治1週間の打撲を負わせた疑い。
 被害者の男性と男は、同じ中学の先輩後輩で顔見知りだった。男性は入会報告書に記入するための住所や氏名を言わされたほか、数珠をしてお経を読ませられたという。
読売新聞 2008.01.18
熊本 強要 2  発表によると、2人は6月15日午後、山下容疑者の自宅などで約3時間半にわたり、熊本市内の男子大学生(20)に対し、「顕正会を信心しないと成仏しない」「納得できないなら3日でも、4日でも話をする」と迫り、入会届を書かせた疑い。2人は「勧誘はしたが、強要はしていない」と容疑を否認しているという。 読売新聞 2008.10.01

2008年7月 9日 (水)

『純愛』出資者こそ最大の被害者では……

 先週発売の週刊実話(08.07.17号)で、

ゆず・北川悠仁の実家「宗教団体」が支援の怪しいビジネス

 という記事を書きました。このブログやオーマイニュースで取り上げてきた偽装映画『純愛』と、北川悠仁の親族らが経営する自己啓発セミナー会社「ETLジャパン」・宗教団体「かむながらのみち」の関係をリポートする内容です。

 そして今週発売された週刊朝日(08.07.18号)では、ぼくが書いたものではないですが、こういう記事が載っています。

あの“怪しい映画”を外務省や議員が「応援」していた!

 参議院議員・山谷えり子氏らが偽装映画『純愛』を支援し、北京での上映会に高村外相など計4人の議員が祝電を送った件についての記事です。議員の支援については、すでにぼくもオーマイニュース 山谷えり子議員らが偽装映画『純愛』を支援 で書いています。この部分については週刊朝日の記事もおおむね同じ内容ですが、週刊朝日では、映画の出資者らのコメントや証言がみっちり載っていて、この映画のインチキぶりが非常によくわかります。
 たとえば、記事中、こんな出資者コメントがありました。

「いちおう出資者には年に2回の収支報告があった。でも、大ざっぱで明細がない。中国のロケハンで4千万円も使っていたので尋ねると、「中国人に監禁され、払わないと帰さない、と言われたから』と荒唐無稽な説明をされた」

 映画の制作資金として出資者からかき集めたカネは約1億円です。その4割にもなろうかというカネを、撮影する前から「中国人に監禁」されて取られてしまうとは。これが本当なら、収支報告と別に出資者に報告・説明すべき大事件なのではないでしょうか。仮に、監禁の事実などなく、使途不明のカネについて言い逃れをするためのウソだとすれば、「日中友好をうたった映画の関係者が、中国人のせいにして言い逃れするなよ」という話になると思います。

 中国という国でのことですから、何が起こるかわかりません。監禁事件が本当なのかでっちあげなのか、判断はつきにくいですが、いずれにしても、『純愛』が自分たちの仲間であるはずの出資者に対しても非常に不誠実であることがわかるエピソードです。

 オーマイニュースや週刊朝日の記事には出てきていませんが、もうひとつ、『純愛』が出資者に対していかに不誠実であるかを示す資料が手に入ったので、その一部を紹介しつつツッコミを入れたいと思います。オーマイニュース 山谷えり子議員らが偽装映画『純愛』を支援 が掲載された日付と同じ6月24日付で、出資者に配布されたリリースです。発信者は『純愛』製作実行委員長の奥山省吾氏です。
 この中に、「オーマイニュース」と媒体名を特定した上で、以下のような記述がありました。

6.ネット記者の記事、取材について
 NPO事件をきっかけに、オーマイニュース編集部の記者が「純愛」に関する様々な記事をウェブ上に掲載しています。
 純愛サイドとしてはオーマイニュース及びその記者からの取材に対し、担当弁護士とも協議の上、取材拒否の姿勢を貫いております。従ってオーマイニュースに掲載されている記事は正規の取材に基づくものではございません。
 オーマイニュース及びその記者に対する取材拒否の理由は以下の通りです。
・数年前に正規の取材なしに中傷記事を掲載し、それに対する説明も謝罪もない。
・「純愛」公開後も、偽名を騙って観客に成りすまし小林桂子さんに近づき、写真を撮影、ウェブ上に無断で配信するなど、取材者としてのモラル欠如が著しい。
・関係者への取材に際し、「純愛サイドは~と言っているが」と虚偽を申し向けた上で話を聞き出そうとしている。
・掲載内容も独自の先入観に基づくものであり反論する必要性さえ感じられない。
 オーマイニュース及びその記者の活動により、私達「純愛」のスタッフのみならず、関係者の皆様にもご心配とご迷惑をおかけしております。この場をお借りして、お詫び申し上げます。

 ウソも混じっていますが、全体的には、事実を奥山氏の勝手な解釈で釈明の材料にしているという感じでしょうか。
 ぼくとしては勝手なことを言われて正直ムカつくんですが、この文面を見ていると、奥山氏が実はオーマイニュースや藤倉に対してではなく、出資者に対してこそ不誠実であるということがわかります。上記の文章について、ひとつひとつツッコミを入れていきます。

純愛サイドとしてはオーマイニュース及びその記者からの取材に対し、担当弁護士とも協議の上、取材拒否の姿勢を貫いております。

 ↑これは完全なウソです。今年1月に藤倉が札幌で奥山に突撃した際、奥山氏は「弁護士に聞いてください」と言い、「取材拒否」とは言いませんでした。3月に名古屋で奥山に突撃したときも同じでした。
 実際ぼくは、1月の突撃の後には『純愛』側弁護士と会談し、オフレコで『純愛』側の事情について説明を受けました。3月も、こちらの質問事項を弁護士が奥山氏に確認した上で答えてくれており、その内容はオーマイニュース 偽装映画『純愛』、名古屋で公開 に記載しています。
 このことからわかるように、奥山氏は「取材拒否の姿勢を貫いて」などいません。

したがってオーマイニュースに掲載されている記事は、正規の取材に基づくものではありません。

 ↑これは事実ですが、だからどうしたって感じですね。正規の取材じゃなくたって、記事の内容に誤りがなければ問題ないと思います。 仮に、正規の取材がない記事はデタラメだと奥山氏が言いたいのだとしたら、奥山氏がぼくに対して何ら正規の取材もせずに流したこのリリースもまたデタラメだということになります。

 奥山氏は、自分の行動が自分の主張をぶち壊していることの滑稽さに気づいていないのでしょうか。

数年前に正規の取材なしに中傷記事を掲載し、それに対する説明も謝罪もない。

 おそらく藤倉の個人サイト「自己啓発セミナー対策ガイド」内にある 小林桂子・映画企画 3ヶ月で7,000万円のカネ集め小林桂子映画、クランクイン決定 の2本の記事を指すと思われます。
 いずれも物証・証言から確証を得て書いた記事であり、この記事に対して奥山氏らからは「内容が事実と違う」といった類の指摘は一切ありません。事情説明も求められておらず、謝罪の要求もありません。ともと藤倉が説明や謝罪をすべき状況にないため、説明や謝罪がないことを取材拒否の理由にされる筋合いはありません。

「純愛」公開後も、偽名を騙って観客に成りすまし小林桂子さんに近づき、写真を撮影、ウェブ上に無断で配信するなど、取材者としてのモラル欠如が著しい。

 ↑偽名を使ったこと自体は事実ですが、モラルの欠如によるものではありません。むしろ、ほかの観客もいる劇場内で興行の妨害につながるような形での取材はしないというモラルに基づいたものです。

 今年1月のオーマイニュース 偽装映画『純愛』の札幌公開始まる『純愛』の小林桂子氏を直撃取材『純愛』小林桂子氏に直撃で恐縮です といった記事・写真・動画でのリポートのほか、その後の記事でもこのときの写真等を使用しています。
 一般的には好ましい取材方法ではないと思われるかもしれませんが、昨年12月の第一報の際、『純愛』側は取材を受けるような受けないようなどっちつかずの態度で返答を引き延ばしながら、結局、記事の掲載直前になってから「お答えできません」と回答してきていました。また、NPO法人の偽装、公式サイト上での虚偽説明(当ブログ 映画『純愛』公式サイトのウソを暴く! 参照)などから、常識が通用しない人々であることが明らかであり、こうした人物や団体に対する潜入取材としては、とくだん問題ないと思います。
 また、たとえ潜入取材であっても、現場で彼らの活動(この場合は映画の上映)を妨害しないというのは鉄則です。上映会場で混乱をきたすような取材方法は「業務妨害」になりかねません。会場や観客に迷惑をかけず、現場での活動妨害は慎むというモラルに基づけば、むしろ素性を明かさない取材方法がベターでした。
 この取材のすぐ後、会場の外に出てから、興行の妨害につながらない形で「オーマイニュースです」と名乗って小林氏らに直撃取材をしています。上記の記事・動画などを見ていただければわかります。

 なお、前述の通り、この取材の後に奥山氏らは弁護士を通して取材に答えています。ですから上記の「モラル」について奥山氏がどう解釈しようと、1月のこの件は彼らが取材を拒否する理由になっていません。

関係者への取材に際し、「純愛サイドは~と言っているが」と虚偽を申し向けた上で話を聞きだそうとしている。

 ↑何について「虚偽」と言ってるのか不明ですが、取材申し入れの際、相手に説明するのは、基本的に記事として掲載予定あるいは掲載済みの事実だけです。もちろん、取材を受けてもらえて細かいやりとりができるようになったときには、未確認情報をぶつけて尋ねたりカマをかけることも一般論としてはありますが、幸いにも(?)『純愛』に関しては、そんな微妙な取材をしなくても、ぼろぼろとインチキ振りが見えてきています。
 そういうわけなので、取材の際の藤倉の説明が虚偽なのだとすれば、実際に掲載されている記事にも虚偽が含まれるだろうと思います。なぜ奥山氏が記事の内容について反論しないのかナゾです。

掲載内容も独自の先入観に基づくものであり反論する必要性さえ感じられない。

 ↑ここが最大のポイントです。
 奥山氏が、記事には問題があと認識しており、それによって関係方面に迷惑や心配をかけていると認識しているにも関わらず、記事に反論しないのだとしたら、関係者に対してあまりに不誠実なのではないでしょうか。1億円ものカネを出資してくれた仲間たちを、何だと思ってるんでしょう。
 これまで奥山氏からは、オーマイニュースや藤倉に対して一切、抗議は来ていません。ここで紹介しているような内部文書の類でも公式サイト上でも、奥山氏が記事の内容について具体的に間違いも指摘している場面を、ぼくはいちども見たことがありません。奥山氏らの代理人弁護士についても同様です。

 しかも、『純愛』公式サイトでは2007年12月21日付の声明で、名指しこそしていませんが週刊朝日やオーマイニュースに記事について、以下のように言及していました。

結果的に12月18日頃に公表された記事は事実に反する誹謗・中傷に終始しており、私達は甚大な損害を被っています。この記事掲載につきましても、現在、前述の法律事務所と対応を協議しています。

 ↑この一文も、結局ウソだったということなんでしょう。
 なぜなら、今回の6月24日付の文書では、記事の内容について「事実に反する」とする主張が一切ないからです。現在、上記の文言は『純愛』公式サイトから消えています。つまりオーマイニュースの記事に対する見解は、「独自の先入観に基づくもの」という程度の内容に変わっており、記事の内容が「事実に反する誹謗・中傷に終始して」いるとの主張を撤回してしまっています。

 こうして説明内容をころころ変えたりウソをついているのを見ると、この映画をめぐる問題の最大の被害者はやはり出資者たちであるということを、改めて痛感させられます。

 ほかにも奥山氏が出資者に対してウソをついている証拠・証言はあるので、オーマイニュースでのリポートはまだ続けたいと思います。

2008年6月21日 (土)

北川悠仁一族の宗教物語

 今月10日、「ゆず」の北川悠仁の父親・和男氏が死去しました。76歳でした。スポーツ紙・週刊誌で報道されています。
 北川悠仁といえば、ことあるごとに、北川一族が経営する宗教団体「かむながらのみち」や自己啓発セミナー会社「ETLジャパン」についても報道されてきました。ぼくのところに『フライデー』から取材があったのでコメントしました。今週発売された号に掲載されています。

 悠仁は、それほど強烈に教団活動にコミットしたり自ら積極的に広告塔の役割を果たそうとしたりしているようには見えず、「かむながらのみち」については、ことさらに悪質だとか高額なカネをとられたとかいう被害事例が少なくともぼくの耳には入ってきていません。これまで、何度も報道されてきたわりに、宗教の話自体が悠仁の「スキャンダル」になるほどにはいたっていないようです。

 でも同じく北川一族の家業のひとつである「ETLジャパン」は、数十万円の料金を取り、受講生に無償で勧誘活動をさせ、受講生の人間関係などをかきみだす自己啓発セミナーで、90年代からメディアに批判されてきた業界の一部です。「かむながらのみち」は信者をこの悪徳商法に巻き込み、あるいはETL受講生を教団に勧誘するということをしています。
 宗教の方に話題が集まりがちな北川家ですが、こっちの自己啓発セミナー家業の方が問題なのではないかと思います。「かむながらのみち」そのものにはそれほど悪い噂を聞かないにしても、悪徳商法と両輪で運営されている宗教団体であるという点に注意すべきでしょう。

 「かむながらのみち」の公式サイト(いまは消滅しています)には、かつて、教団の教義というか理念として以下の5つを挙げていました。

・仏教
・神道
・算命学
・セミナー(ETLジャパン)
・リーディング

 『フライデー』の取材に対しては、リーディングのことをざっくりと「一種のカウンセリング」なんてコメントしました。もう少し詳しく説明すると、このリーディングというのは、「アカシック・レコード」と呼ばれる宇宙とか人類の過去や未来の記録(どっかにこういうものがもわもわ漂っていることになっています)から、相談者の「本質」だとか「意識」だとか「未来」だとかを読み取って告げる、というものです。「前世リーディング」なんてものもあって、前世まで教えてくれちゃう、なんだかものすごいものです。「かむながらのみち」のリーディングが前世まで教えてくれるのかどうか知りませんが。

 「かむながらのみち」教祖の北川慈敬氏(本名・敬子=悠仁の母)は、もともとARCインターナショナルという自己啓発セミナーの受講生でした。ARCのトレーナーから、リーディングを行う「浅野総合研究所」を勧められてハマったんだそうです。

 同時に、夫・和男氏が宗教団体「解脱会」の幹部で、敬子氏も幹部の妻、という立場でした。解脱会も仏教・神道が混ざった、いわゆる新興宗教です。「かむながらにみち」もその点を引き継いでいると言えます。ただ、算命学・自己啓発セミナー・リーディングを明確に柱として加えている点で、解脱会よりもさらにごちゃ混ぜ感の強い宗教です。
 敬子氏は真言宗醍醐派の総本山である醍醐寺で得度したとしています。解脱会の創設者・岡野聖憲も同じです。実は真如苑という宗教団体の創設者も、醍醐寺で得度しています。敬子氏は、まだ解脱会信者だった1997年、醍醐寺で真如苑の創設者・伊藤真乗夫妻の霊(?)に出会い、「あなたもあなたの霊界をお作りになってください」と、新教団設立をほのめかす「お告げ」を受けたそうです。

 敬子氏は、これとほぼ同じ時期の96年か97年ごろ、初めて「浅野総合研究所」の浅野信氏のリーディングを受けたとしています。ここでも、「そろそろそこ(解脱会)から離脱しても良いときには来ている」というお告げを受けます。
 敬子氏が和男氏とともに解脱会を離れ「かむながらのみち」を設立した宗教上の動機はこういうところにあるようですが、直接の原因は悠仁のスキャンダルでした。

 1999年に、悠仁がかつて『女子高生コンクリート詰め殺人事件』などのビデオ映画に出演していたことがスキャンダルとして報道されました。これが解脱会本部で問題視され、幹部だった和男氏は解脱会を脱会。当然、敬子氏も一緒に脱会します。自己啓発セミナー会社「ETLジャパン」が、ARCインターナショナルの社員やアシスタントを引き連れて独立したのも、この頃です。これは悠仁のスキャンダルの煽りではなく、当時のARC社長が経営不振を理由に解任され別会社を作ることになった動きと連動しています。

 ARCインターナショナルは90年代に入って経営が傾いていたんですが、北川和男氏は100人以上の解脱会信者をARCのセミナーにエンロール(勧誘)し受講させたとの話も、周辺から聞こえています。また、北川家はARCインターナショナルの要請を受け、地方で開催した出張セミナーに解脱会信者を動員し、ARCが地方セミナーの基盤を確立する足がかりにしました。

 北川家が自己啓発セミナーと宗教団体それぞれで、同じ時期に転機を迎えたという偶然は、宗教的な物語にしたくなる気持ちもわからないではありません。それが宗教的な力によるものなのか偶然なのかはわかりませんが、いずれにしても北川家による「宗教と自己啓発セミナー」の抱き合わせは、実は十数年以上にわたる歴史があり、一族の歩みとともに現在の形にいたっていることは確かです。

 その北川家のETLジャパン、これまでぼくがオーマイニュースでしつこく記事にしてきている偽装映画『純愛』が、約1億円の制作資金をかき集めた舞台にもなった自己啓発セミナーでもあります(『純愛』まだやる気かよ参照)。この映画に巻き込まれたEXILEのATSUSHIも、ETLジャパンのセミナーを受講しています。この映画の主演・総指揮の小林桂子氏と、その事実上の夫で自称「配給会社」社長の奥山省吾氏はARCインターナショナルの卒業生で、和男氏の通夜にも来ていました。
 ETLは、実はあまり客が集まっていない弱小セミナーなんですが、ここまで宗教と表裏一体になった自己啓発セミナーは珍しく、いろんな意味で話題にこと欠かない特殊な存在です。

※北川家の歩みについては、『内なる神を求めて ─北川慈敬とかむながらのみち─』(北川慈敬・著、今日の話題社・刊)に詳しく書かれています。

2008年1月29日 (火)

カルト映画『純愛』にご注意を

 オーマイニュースで、映画『純愛』(主演・小林桂子氏)について、また記事を書きました。

『純愛』が止まらない!!

 オーマイニュースでは昨年12月以降、上記記事を含めてテキスト記事4本、写真記事1本、動画1本を費やして報じています。上記記事の下の方に表示された「関連記事」「関連TV・Photo」から閲覧できるので、ぜひ読んでいただければと思います。

 『純愛』は、自己啓発セミナーがらみの偽装チャリティー映画です。法人格のない「小林桂子基金」を「NPO法人」だと称し、偽造書類を用いて複数の企業を騙しました。その偽装NPO法人の代表理事を自称していたのも、『純愛』主演の小林桂子氏。NPO偽装以前に、自分主演の映画の収益を、自分が代表理事を務めるNPO法人に寄付すると言っている時点で、ちょっといかがわしさが漂う自作自演なんですけどね。

 『純愛』は一時、EXILEのヴォーカル・ATSUSHIを広告塔にし、ATSUSHIが主題歌を無償提供していました。しかし偽装に気づいたエイベックスやLDH(EXILE所属事務所)が、昨年10月に主題歌を引きあげたため、『純愛』は主題歌部分や宣伝での告知内容を変更せざるを得なくなりました。
 その後、『純愛』製作実行委員長の奥山省吾氏(『純愛』の配給宣伝会社を自称している化粧品・美容関連のプロジェクトデザイン社代表で、小林桂子氏の事実上の夫)らは、エイベックスとのトラブルを隠し、ほかの企業を騙してさらにカネ集めを続け、メディアに宣伝をはたらきかけていました。
 そのことが報道によって暴露されると、NPO法人の偽装は自分たちがやったことではなく、自分たちがNPO法人設立を依頼した第三者による詐欺だという釈明を公開しました。

 それだけでは説明がつかない不自然さや矛盾点も多い釈明でしたが、彼らは、それ以上の具体的な説明もしないまま、今度は札幌で新たなカネ集めを始めています。自己啓発セミナー卒業生らから集めた1億円以上もの出資金や、企業を騙して得た協賛金は、全部使っちまったんだそうです。
 新たなカネ集めの名目は、スイスでの上映会。300~500万円のカネがかかるそうです。といっても、現地でのパーティー代や、小林桂子氏ら関係者の渡航費用なども含めてですが。しかもこれ、オファーの内容から推測するに、興行ではなく試写会っぽい。
 国内での興行でさえ収益を出せていないのに、海外に行くためにカネ集めをしているわけです。スイス上映を彼らに持ちかけているのは、昨年、『純愛』が出品されたモナコ国際映画祭のプロデューサーだとか。

 “第三者による詐欺”は『純愛』関係者にとって、観客や出資者に誠意ある説明をすべき事件であると同時に、自らの無能さ・無防備さを反省すべき事件のはずです。なのに、「今を逃すとチャンスはない」「99%の確立で欧州での配給が決まる」などというプロデューサーの、まるで悪徳商法のセールストークみたいな言葉に飛びつこうとする。しかも他人のカネで。
 これって、彼らが何ら反省していないことの証明ですね。彼らが“第三者による詐欺”を、批判をかわす(あるいは同情を買う)ための単なるキャッチコピーとしか考えていないということです。

 さらにおかしなことがあります。映画の興行や宣伝のために支援者にカネをよこせと言ってトークショーをやって、出演者の一人であるYASUTAKA氏がへたくそな歌まで披露り、「札幌応援団結成式」などというイベントまでやっていながら、『純愛』の上映館には、中国に学校を作るための募金箱とかそういうものが見当たりません。中国に学校を作るチャリティー映画のはずなのに、そんなのはそっちのけ。自分たちにカネよこせという話ばっかりです。

 これまでぼくは、ぼくなりに「取材者」「報道者」という意識でこの問題を取り上げてきたつもりでした。人によっては、「ホントかよ」って思える部分もあるかもしれないけど、いちおうぼくの自覚というか力加減として、そういう線引きをしていました。
 「報道」の目的をぼくは、批判対象を潰すことではなく、世間の目に晒すことで実態相応の評価を受けるようにするとか、彼ら自身がメディアや世間の反応を参考にしてやり方を改めることを期待するとか、そういう部分に置いています。

 でも正直、もうキレました。もちろん報道者としての倫理観とか正義感とかもあるけど、もはやぼくの感情レベルで許せなくなってきています。

 取材した感触としては、彼らは厳密な意味での詐欺師ではなく、たぶん無能で世間知らずのお調子者という気がします。
 騙す意図がなければ詐欺罪は成立しないかもしれません。でも、理をわきまえず暴走すれば、たとえ悪意がなくても立派な害悪です。

 オーマイニュースをはじめニュース媒体で記事を書く際には、今後も「報道」としてこの問題を書いていこうと思います。でもこのブログでは今後、『純愛』の撲滅を目指して情報を掲載していこうと思います。
 まあ、別に撲滅できるようなプランを持ってるわけでもないですが、なんか、そのくらいの気合いで取り組まないと彼らの暴走に一矢報いることすらできない気がしてきました。彼らも、彼らの周囲の「信者」たちも、報道されたくらいじゃ事実を見ようともしないし、立ち止まって考えようともしないんだもん。

 とりあえずみなさん、映画『純愛』を見かけたら近寄らないように注意してもらえればと思います。間違っても、おカネを出したり手伝ったりしない方がいいと思います。いま『純愛』に協力している人たちも、他人を巻き込むことで自分が加害者になるんだということを少しは自覚してほしいです。

 『純愛』プロジェクトは、自らが標榜した「チャリティー」と矛盾した活動をすることも、他人に迷惑をかけることも、なんとも思わずにやってのけるカルト的集団です。営利目的でも悪意でもなく、思い込みで間違った方向に暴走している点なんか、狂信的宗教集団にすら似ています。
 mixiの『純愛』コミュニティにオーマイニュースの記事のURLが投稿されたら、管理人の奥山省吾氏が削除していました。「情報操作」というほど大それたことでもないですが、「信者」に情報を与えないように努力していることは間違いないようです。

 自己啓発セミナーをカルト的な集団と捉える人はいます。『純愛』は、自己啓発セミナーがらみの映画です。しかしそのことが『純愛』をカルト的と評する根拠ではありません。
 非常識な手段で、ときにはウソをもつきながら人を集めカネを集める『純愛』関係者の集団は、それ自体が単独でカルト的性格を発揮していると思います。下手したら、小林桂子氏の出身セミナーであるARCインターナショナルや、『純愛』の製作資金集めの草刈場となったETLジャパン以上に、『純愛』プロジェクトの方がカルト的かもしれません。
 『純愛』がセミナー受講生にたかった製作資金は「1口100万円」。ARCやETLのセミナーだって、3段階全て受講しても30~40万円です。「金額=カルト度」というわけでもないですが。

 というわけで『純愛』は、一般的な意味とは違う意味で「カルト映画」です。
 しかし同時に、本来の意味での「カルト映画」とも言えるかもしれません。1億円も費やしたわりには見事なまでに出来が悪い映画だからです。

 ゲテモノ観たさで劇場に運ぶという人がもしいるなら、止めはしません。イケてなさも非常に中途半端な映画なので、その気持ち悪さを楽しめて、なおかつ劇場の観客たちの大げさなすすり泣きすらも笑って見ていられるような、そんなコアな人におススメです。わかりやすいトンデモ映画が好きな人には、少々キツイと思います。

2007年12月29日 (土)

映画『純愛』公式サイトのウソを暴く!

 オーマイニュースの「チャリティー映画『純愛』のウソを暴く!」(前編後編)で、『純愛』関係者が収益の寄付先としていたNPO法人が実際には存在せず、彼らがATSUSHI(EXILE)の所属レコード会社や所属事務所、映画興行の協賛企業に対して、NPO法人に関する偽造書類を提示していたことを書きました。

 その後『純愛』側は、公式サイトで「自分たちも第三者に騙された」という趣旨の主張を掲載しています。

 せっかくなので、彼らの公式サイトのウソも暴いちゃおうと思います。公式サイトの文面を引用した部分の末尾に赤字で日付をつけますが、これは、藤倉がこのサイトのデータを保存した日付です。

<新エンドロールについて>
銀座シネパトス公開時に使用させていただいていたエンドロール主題歌は、07年10月末をもって使用許諾期間を終えることとなりました。
(2007.12.21)

 これがもっとも悪質なウソです。『純愛』関係者はこれまで、これと同様の虚偽の説明を協賛企業や一部マスコミに対して行なってきました。その後、この部分は、こういう記述に変わっています。

主題歌をご提供いただいておりましたレコード会社様,及び主題歌を歌っていただいていたご本人の所属事務所様からは、主題歌使用中止のお申入れをいただきました。
(2007.12.29)

 事実上、虚偽の説明であったことを自ら認めたようなものです。

 しかし、ことの経緯については明らかに誤った説明が書かれていました。

2007年12月17日、上記経緯は、すべて当基金会がNPO法人化の手続きを依頼していた第三者による巧妙に偽装された詐欺行為であったことが判明し、当基金会は偽装されたNPO法人の認証を受け取っていたことが明らかになりました。
(略)
こうした状況の中、一部の週刊誌ほかから、明らかに事実に反する視点からの取材申込みを受けたため、私達としては取材拒否の姿勢を貫いて参りました。
(略)
この一件により主題歌をご提供いただいておりましたレコード会社様,及び主題歌を歌っていただいていたご本人の所属事務所様からは、主題歌使用中止のお申入れをいただきました。
(2007.12.24)

 これ、事実関係の順序が全く逆です。
 実際の順序は、こうです。

(1) レコード会社と所属事務所が書類の偽造に気づいて主題歌の使用中止を申し入れた(2007年10月頃)
(2) 「一部の週刊誌ほか(週刊朝日とオーマイニュースと思われる)」が『純愛』関係者・支援者らに取材を申し入れた(2007年12月上旬)
(3) その取材によって事実を知った支援者が『純愛』側に説明を求めた(2007年12月14日以降)
(4) 『純愛』側が、書類が偽造だったことを認め、「自分たちが詐欺にあった」と主張し始めた(2007年12月17日)
(5) 週刊朝日発売(2007年12月17日)、オーマイニュースが記事を掲載(2007年12月17・18日)

 12月25日に『純愛』サイトは、上記で引用した「この一件により」という、因果関係を断言する表現を消して、経緯を曖昧にしましたが、説明の順序は相変わらず事実と逆になっていました。
 事情を知らない人が読んだら、『純愛』側が自ら「詐欺」を発見し、その後に雑誌の取材や所属事務所からの「主題化使用中止」の通告を受けたかのように勘違いしかねません。表現を修正してもなお、そのような記述にしているということは、『純愛』側が意図的に読み手の勘違いを期待していると受け取られても文句は言えないでしょう。

 この点について、12月29日に更新された『純愛』サイトでは、こういう記述が加わりました。

また、この事件発覚のきっかけは、レコード会社様からの問合せをいただいたことであり、重ねて御礼申し上げます。
(2007.12.29)

 ウソをついては、ちょっとずつ、ちょっとずつ、サイトの文章を書き換えてつじつまを合わせていく。でも、そのことで、かえって「ウソ」を自ら認めることになっています。

 さて、メディアの取材に関する説明も、デタラメだらけ。

こうした状況の中、一部の週刊誌ほかから、明らかに事実に反する視点からの取材申込みを受けたため、私達としては取材拒否の姿勢を貫いて参りました。結果的に12月18日頃に公表された記事は事実に反する誹謗・中傷に終始しており、私達は甚大な損害を被っています。
(2007.12.29)

 ぼくは、12月6日以前から取材を申し入れており、『純愛』広報窓口である市川慶子氏が、映画祭のためモナコに行っている製作実行委員長の奥山省吾氏にメールで連絡しておくと答えました。しかし実際には連絡を取っていませんでした。

 奥山氏が帰国後、ぼくが奥山氏本人に電話をして確認したところ、市川氏が彼にメールでの連絡をしていないことがわかり、奥山氏に取材の申し入れをしました。奥山氏からは、「個人的には、取材を受けてきちんと説明したい」と言われました。しかし12月14日、一転して、「取材は一切受けない」と市川慶子氏から電話連絡が入りました。

 このことからわかるように、実際には『純愛』側は「取材拒否の姿勢を貫いて」などいません。彼らは、取材対応についてどっちつかずの態度をとりながら、だらだらと1週間以上も返答を延ばしてきました。

 また、『純愛』サイトでは、「一部の週刊誌ほかから、明らかに事実に反する視点からの取材申込みを受けた」と書いてありますが、これもウソです。週刊朝日がどのような申し入れをしたのかは知りませんが、ぼくは取材申し入れの際、「NPO法人が存在しない件」と「お金の流れ」について聞きたいという程度の説明しかしていません。
 NPO法人が存在しないのは事実だし、「お金の流れ」は単なる質問であって、こちらから何か具体的な事実を彼らに提示したこともありません。

 彼らは「12月18日頃に公表された記事は事実に反する誹謗・中傷に終始しており、私達は甚大な損害を被って」いるそうなんですが、週刊朝日やオーマイニュースの記事のどこがどう「事実に反する誹謗・中傷」なのかは、一切明らかにされていません。もちろん、オーマイニュースでぼくは、証拠・証言に基づいたことしか書いていません。
 それより何より、週刊朝日は知りませんが、オーマイニュースにもぼく個人にも、彼らから何の抗議も来ていないんです。
 まあ、年末年始を挟んでしまっているので、年が明けてから届くんでしょうか。それとも、メディアの取材に関する彼らの説明も、今後ちょっとずつ書き換えられていくんでしょうか。
 いつまでもウソを垂れ流したままのようなら、オーマイニュースやぼくの名誉に関わる問題です。ぼくも「弁護士に相談して対応を協議しちゃってみようかなあ」とか考え始めるかもしれません。

 あと、これはウソではなく、おそらく『純愛』関係者がものごとの道理を理解していないことから生じた誤りではないかと思うんですが、こういう記述がありました。

<幼稚園建設費用について>
2007年8・9月の銀座シネパトスでの初公開は大成功のうちに終了することができました。そして、その興行収益の10%の約120万円を中国泰安市の希望小学校内に作る予定の幼稚園建設費用として保管させていただいています。
(2007.12.21)

 なんと、東京興行では、1,200万円もの収益があったということになります。
 『純愛』の東京公開の観客動員数は6,266人です。1人分のチケット代が1,800円だとすると、約1127万円の売上げがあったことになります。
 この数字を比べると、『純愛』サイトに掲載された「収益」というのは、正確には「売上げ」のことでしょう。

 この間違いに気づいたのか、何か別の事情があったのかはわかりませんが、現在の『純愛』サイトからは、この記述が消えています。

 もうひとつの誤りは、「文書偽造」「詐欺」がわかったと主張し始めた後の、この記述。

今後については、

① 刑事告訴、告発の届出、犯人逮捕、事件解決
② 関連する皆さまへのご説明
③ 小林桂子基金会のNPO法人認証の準備
 (名称を「純愛基金」と変更する予定です。)
④ 事業全体の運営体制の刷新・強化

を、順を追って、具体的に進めてまいります。
(2007.12.22)

 刑事告訴の後、犯人が逮捕され事件が解決してから関係者に説明するとは、いったい何年かかるのか。そもそも、警察が告訴状を受理するかどうかもわからない。騙されて周りに迷惑をかけたと言っている割には、ずいぶんと悠長な人たちだなあと思いました。
 さすがにこれも誤りに気づいたのか、現在では、こういう記述に変わっています。

今後については、
① 刑事告訴、告発の届出
② 関係者の皆さまへのご説明
③ 小林桂子基金会のNPO法人認証の準備 (名称を「純愛基金」と変更する予定です。)
④ 事業全体の運営体制の刷新・強化                    
を順を追って、具体的に進めてまいります。
(2007.12.29)

 なお、12月29日の『純愛』サイトの更新では、これまで末尾に、

小林桂子 映画「純愛」製作総指揮・小林桂子基金会理事長
奥山省吾 映画「純愛」製作実行委員長・小林桂子基金会理事

 とあった部分が、

小林桂子 映画「純愛」製作総指揮・小林桂子基金会理事長
市川慶子 映画「純愛」製作担当・小林桂子基金会理事
奥山省吾 映画「純愛」製作実行委員長・小林桂子基金会理事

 に変わりました。1人増えてます。
 新たに「理事」として登場した市川慶子氏は、『純愛』の広報窓口を勤めている女性で、「代官山サロン」というエステサロンを経営しています。「代官山サロン」には小林桂子氏も関わっているようです。

 市川慶子氏は、『純愛』の配給・宣伝会社ということになっている株式会社プロジェクトデザイン(代表・奥山省吾氏)の監査役であり、小林桂子氏とともに有限会社ケイズカンパニーの取締役も務めています。小林桂子氏は、プロジェクトデザイン社の取締役でもあります。
 株式会社プロジェクトデザインは、もともと映画配給会社ではなく、化粧品や美容関連のイベント企画やサロン経営、コンサルティングをメインとした会社のようです。

 要するに、

・株式会社プロジェクトデザイン
・有限会社ケイズカンパニー
・小林桂子基金

 の3団体は、ぜんぶ同じ人たちがやっているものだということですね。そういった関係が明示されないまま、これまで『純愛』関連情報として雑誌やインターネットで宣伝されてきましたが。支援者や協賛企業は、この事実を知っているのでしょうか。

 ちなみに、小林桂子・奥山省吾氏は、法律上はすでに離婚しているようですが、現在も事実婚状態であるとの証言があります。

2007年6月12日 (火)

「ベストグループ問題掲示板」の発信者情報開示請求

 ぼくが運営する「ベストグループ問題掲示板」(http://otd10.jbbs.livedoor.jp/bestgroup/bbs_plain?range=20)の投稿について発信者情報開示請求が出された件。
 ライブドアのいい加減な対応を「オーマイニュース」でレポートしました(全3回)。

発信者情報開示請求を食らってみた
(1) ライブドアはプロバイダ責任制限法を遵守する気があるのか
(2) 「気に食わなければ裁判を起こせば?」がライブドア流か
(3) 発信者に正当な手続きを保障しない、プロバイダ法の大盲点

2007年5月26日 (土)

最近書いた宗教関連記事

 最近、忙しくてさっぱりブログ更新してませんでしたが、最近の宗教・カルト関連のお仕事報告です。

Photo◇2007年4月発売/晋遊舎/.net実話 アングラーEX vol.6/「新興宗教お宝鑑定隊」、「スピリチュアの現場」(スピリチュアル・コンベンション)

 

 『.net実話アングラーEXVol.06』で、「新興宗教お宝鑑定隊」と「スピリチュアルの現場」の2本の記事を書きました。

 「新興宗教お宝鑑定隊」は、統一教会や法の華三法行などのカルト宗教が信者に売りつけている高額グッズを、古物商に鑑定してもらうという記事です。信者がウン千万円で買わされたグッズでも、古物商の評価額が「ウン千円」とか「ゼロ円」とか。笑うしかないくらいのビックリな価格差は、そのまま教団のあくどさを示してますね。
 各教団の被害者が起こしている裁判などで、グッズのインチキぶりが暴露されているケースはあります。でも複数の教団の計20点以上のグッズをいちどに鑑定するなんてアホな企画は、さすがに本邦初なんじゃないかと勝手に思っていますが、実際どうなんでしょうね。
 とりあえず、資料価値もそこそこあるのではないかと。「カルト宗教美術年鑑」みたいな感覚で使えるかも(?)。

 「スピリチュアルの現場」は、連載2回目。1回目は X Japan の TOSHI がハマってる自己啓発セミナーを取り上げましたが、今回は「スピリチュアルコンベンション(通称すぴこん)」です。ぼくが助手(?)をつれて、東京会場に行き、あれこれ体験してきました。単なる体験レポートではなく、恐ろしいほどの短期間で「毎週日本のどこかで開催されている」(事務局関係者)ほどになるまでの増殖過程がわかるような表もつけてみました。

Photo_1◇2007年5月発売/晋遊舎/.net実話コミックアングラー Vol.01/「あるインチキセミナーの手口と対策」、「宗教団体と戦い続ける街」(オウム、創価学会、神慈秀明会、真如苑)

 

 『アングラー』の姉妹誌として、今月『コミックアングラー』も創刊されます。創刊号で、ぼくは、女子学生ばかりを狙った自己啓発セミナーをテーマにしたマンガ「あるインチキセミナーの手口と対策」の原案を書きました。この自己啓発セミナーは、ぼくが運営する「自己啓発セミナー対策ガイド」の掲示板でもよく話題になっている会社です。その会社の勧誘手法と対策法(ちょっとおちゃらけ)を解説するマンガです。
 同じく『コミックアングラー』創刊号の活字ページで、「宗教団体と戦い続ける街」というレポートも書きました。オウム(アーレフ・ひかりの輪)、創価学会、神慈秀明会、真如苑といった教団と、それらの進出に反対する近隣住民との対立をレポート。
 写真ルポに近いページ構成で、あまり文章を書けませんでした。詳細はほかのところで引き続きレポートしていきたいというのが正直なところだったりします。

Omn◇2007年5月17日掲載/オーマイニュース/「上祐派独立・地域住民の不安と賠償問題」「“2つのオウム”に悩む東京・世田谷」

 オウムに関しては、「オーマイニュース」で、「上祐派独立・地域住民の不安と賠償問題」という記事を書きました。住民デモや「ひかりの輪」副代表の講演のレポートです。住民デモの動画レポート「“2つのオウム”に悩む東京・世田谷」もついてます。

2006年7月 4日 (火)

顕正会、勧誘トラブルでまた逮捕者

 顕正会でまた逮捕者です。TBSでは、容疑者が「入会を断られて腹が立った」と容疑を認めているとする報道もありました。入会させるために脅迫や暴力を用いるのは(犯罪行為だし賛同しませんが)動機としてはわからないでもありません。しかし、入会を断られた腹いせに暴力をふるったって、別に信者数が増えるわけでもなく、ムダに事件になるだけでしょう。
 法律やものの道理どころか損得さえもわきまえない「宗教の暴走」は本当に怖いですね。

<宗教法人>「顕正会」会員を傷害容疑で逮捕 入会迫り殴る

 群馬県警館林署は3日、宗教法人「顕正会」(本部・さいたま市)会員で同県館林市緑町、派遣会社社員、中沢誠容疑者(58)を傷害容疑で逮捕し、同県高崎市の顕正会高崎会館など2カ所を家宅捜索した。
 調べでは、中沢容疑者は5月27日午後9時ごろ、館林市内の飲食店で知人の無職男性(71)に入会を迫ったが拒否されたため、男性の顔を殴って軽傷を負わせた疑い。同会は強引な入会勧誘のトラブルが多く、01年には千葉市や秋田市で会員ら4人が暴行容疑などで逮捕された。昨年7月には神奈川県警が会員らを監禁容疑で逮捕(その後起訴猶予処分)した。群馬県警にも今年に入り9件の相談があったという。
(毎日新聞) - 7月3日19時46分更新

より以前の記事一覧