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005:ホームオブハート

2009年4月26日 (日)

X JAPANのTOSHIが藤倉を告訴するって言ってます

 前回のエントリで紹介したように、書いたように、PJニュースで「X Japan・TOSHIがファンにカネをたかって詐欺事件に?=神戸地裁で初公判」という記事を書きました。これはPJニュースからlivedoorニュースに配信されたんですが、どうもTOSHI本人が、PJニュース編集部ではなくlivedoorの方にクレームをつけたようです。

 以下、livedoorから転送されてきたTOSHIのクレームメールの全文です。

・氏名:出山利光
・メールアドレス:********@iyashi-no-concert.com

・お問い合わせ内容:
私は株式会社トシオフィス代表取締役出山利光と申します。
このたびの記事で弊社アーティストTOSHIが虚偽に基づいた事実無根の誹謗中傷を受け名誉毀損、営業妨害を被っております。
至急削除をしてください。
記事を書いた藤倉につきましては告訴をいたします。

 PJニュースの編集長と相談した結果、「連絡先も書いてないし、本当にトシオフィスが出したものか判断できない」「なぜ削除しなければならないのか(具体的に、記事のどこがどう事実と違うのか)が不明では、判断できない」ということで、TOSHIからもっと説明がないと対応のしようがない、という結論になりました。当たり前です。

 なので、ぼくは4月23日にトシオフィスに電話して、これが本当にTOSHIからのメールなのかどうかを尋ね、もし本当にそうなら、記事のどこがどう事実と違うのか説明して欲しいとお願いしました。先方は、「担当者不在、明日連絡させる」としていましたが、いままでぼくがトシオフィスに取材をかけたときも、いつもこういう対応で、連絡が来たためしがありません。今回も、やっぱり返事はありませんでした。

 一方TOSHIは、ぼくが姫路の詐欺事件のことを書こうとしていた週刊誌の編集部に対して、「(PJニュースのような)記事を書いたら訴える」「取材に来い」といった趣旨のFAXを送りつけてきたんですが、その中で週刊誌の編集部に対して、livedoor宛のクレームメールは間違いなく自分が送ったものであると説明していました。PJニュースについての件について週刊誌に説明してどうするんだ(しかもPJニュースの方には返事をよこさずに)。

 クレームメールには、ぼくのことを告訴すると書いてあります。こちらが取材を申し入れたのに無視し、記事にクレームをつけてきたから詳細の説明を求めたのに、これも無視し、そんな態度でぼくを告訴するなんていうのは、単なる脅迫以外の何ものでもないと思います。

 TOSHIは、愛が足りないのではないでしょうか。

2009年4月23日 (木)

X Japan・TOSHIがファンにカネをたかって詐欺事件に?=神戸地裁で初公判

 自己啓発セミナー団体「ホームオブハート」の広告塔であるTOSHI(X JAPANのヴォーカル)こと出山利三氏にからんで、姫路で詐欺事件がありました。公判を傍聴し、PJニュースで記事にしました。

X Japan・TOSHIがファンにカネをたかって詐欺事件に?=神戸地裁で初公判

 コンサート主催なんか素人のTOSHIファンに、赤字になるかもしれないコンサートを主催させ、TOSHIのギャラはしっかり確保して赤字はファンにかぶらせる。公判を傍聴した限り、どうやらこうした「トシオフィス商法」が原因で起こった詐欺事件のようです。

 TOSHIの音楽事務所であるトシオフィスに取材を申し入れましたが、「担当者不在、明日以降折り返す」と言われたまま放置。何の連絡もありません。

 一方、トシオフィスの業務にも関わったホームオブハートの元メンバーの話によれば、同じような形でファンにコンサートを主催させるということを、トシオフィスでは少なくとも01~02年辺りからやっていた、とのこと。

 よく、ホームオブハート信者のTOSHIについて、「(自己啓発セミナーや児童虐待問題などはあったとしても)TOSHI個人の音楽の価値は変わらない」的な評価をする声も見聞きします。しかし、TOSHIとトシオフィスがファンに対してこのような行いをしているとなると、オームオブハート信者としてのTOSHIの問題だけではなく、アーティストとしてのTOSHIにも、そのアーティストの活動をマネジメントする音楽事務所としてのトシオフィスにも問題があるということになります。

 ある雑誌記者に今回の詐欺事件とTOSHIの関係について話したら、その人はこんなことを言っていました。

「TOSHI、だいぶ小室化してますね~」

 小室哲哉は落ちぶれてカネに窮して詐欺に至ったというように報道されていると思うんですが、TOSHIが小室と決定的に違うのは、単にブームや時代の流れによって落ちぶれたのではなく、背後にホームオブハートというカルト的集団がいる点です。

2007年5月26日 (土)

最近書いた宗教関連記事

 最近、忙しくてさっぱりブログ更新してませんでしたが、最近の宗教・カルト関連のお仕事報告です。

Photo◇2007年4月発売/晋遊舎/.net実話 アングラーEX vol.6/「新興宗教お宝鑑定隊」、「スピリチュアの現場」(スピリチュアル・コンベンション)

 

 『.net実話アングラーEXVol.06』で、「新興宗教お宝鑑定隊」と「スピリチュアルの現場」の2本の記事を書きました。

 「新興宗教お宝鑑定隊」は、統一教会や法の華三法行などのカルト宗教が信者に売りつけている高額グッズを、古物商に鑑定してもらうという記事です。信者がウン千万円で買わされたグッズでも、古物商の評価額が「ウン千円」とか「ゼロ円」とか。笑うしかないくらいのビックリな価格差は、そのまま教団のあくどさを示してますね。
 各教団の被害者が起こしている裁判などで、グッズのインチキぶりが暴露されているケースはあります。でも複数の教団の計20点以上のグッズをいちどに鑑定するなんてアホな企画は、さすがに本邦初なんじゃないかと勝手に思っていますが、実際どうなんでしょうね。
 とりあえず、資料価値もそこそこあるのではないかと。「カルト宗教美術年鑑」みたいな感覚で使えるかも(?)。

 「スピリチュアルの現場」は、連載2回目。1回目は X Japan の TOSHI がハマってる自己啓発セミナーを取り上げましたが、今回は「スピリチュアルコンベンション(通称すぴこん)」です。ぼくが助手(?)をつれて、東京会場に行き、あれこれ体験してきました。単なる体験レポートではなく、恐ろしいほどの短期間で「毎週日本のどこかで開催されている」(事務局関係者)ほどになるまでの増殖過程がわかるような表もつけてみました。

Photo_1◇2007年5月発売/晋遊舎/.net実話コミックアングラー Vol.01/「あるインチキセミナーの手口と対策」、「宗教団体と戦い続ける街」(オウム、創価学会、神慈秀明会、真如苑)

 

 『アングラー』の姉妹誌として、今月『コミックアングラー』も創刊されます。創刊号で、ぼくは、女子学生ばかりを狙った自己啓発セミナーをテーマにしたマンガ「あるインチキセミナーの手口と対策」の原案を書きました。この自己啓発セミナーは、ぼくが運営する「自己啓発セミナー対策ガイド」の掲示板でもよく話題になっている会社です。その会社の勧誘手法と対策法(ちょっとおちゃらけ)を解説するマンガです。
 同じく『コミックアングラー』創刊号の活字ページで、「宗教団体と戦い続ける街」というレポートも書きました。オウム(アーレフ・ひかりの輪)、創価学会、神慈秀明会、真如苑といった教団と、それらの進出に反対する近隣住民との対立をレポート。
 写真ルポに近いページ構成で、あまり文章を書けませんでした。詳細はほかのところで引き続きレポートしていきたいというのが正直なところだったりします。

Omn◇2007年5月17日掲載/オーマイニュース/「上祐派独立・地域住民の不安と賠償問題」「“2つのオウム”に悩む東京・世田谷」

 オウムに関しては、「オーマイニュース」で、「上祐派独立・地域住民の不安と賠償問題」という記事を書きました。住民デモや「ひかりの輪」副代表の講演のレポートです。住民デモの動画レポート「“2つのオウム”に悩む東京・世田谷」もついてます。

2007年3月 4日 (日)

.net実話 アングラーEX vol.5

 奇しくもホームオブハート被害者の勝訴判決が出る直前に発売された雑誌で、ホームオブハートのことを書きました。1月に東京・中野ゼロで開かれたTOSHIのコンサートのレポートと、ホームオブハート問題のまとめです。

Vol_05 ◇2007年2月発売/晋遊舎/.net実話 アングラーEX vol.5/スピリチュアの現場 自己啓発セミナー団体 ホームオブハート(レムリアアイランドレコード)

 

 

 この記事に出てくるTOSHIのコンサートは、「日本BE研究所」所長で、企業研修型の自己啓発セミナーを主催する「日本創造教育研究所」の特別顧問でもある行徳哲男氏の講演がセットになっていました。この講演がまた迫力のある右翼調の演説で、おかしなことは言っていないんですが、TOSHIの「自称・癒しのコンサート」とのギャップが凄まじかった。事情を知らないお客さんは、うろたえていたんじゃないかなあ。

 誌面には載っていないですが、行徳哲男氏の講演風景の写真を貼り付けておきます。
 ちなみに客席には、ホームオブハート問題をめぐる裁判でトシオフィスの代理人を務める市河真吾弁護士の姿もありました。

01

行徳哲男氏の講演は迫力満点でした。

 

 

 

Toshi02_2 行徳氏はコンサートの最後にTOSHIに書をプレゼントしていました。

 

 
 この号の「アングラー」でぼくは、「これが言論の自由を侵すGoogle八分だ」という記事も書いています。そこで紹介しているグーグル八分の事例のひとつとして、ラーメン「花月」チェーンの運営母体・グロービートジャパン(批判者を脅迫するなどしたカルト的集団・日本平和神軍の関連会社です)のケースも紹介しています。
 あと、ぼくが書いた記事ではないですが、今回の「アングラー」は、ほかにも創価学会・幸福の科学・オウム真理教・ワールドメイトなどを扱った「特集 宗教洗脳漫画アニメ大全」とか、細木○子・Dr.○パ・美輪○宏・森○健・江原○之を扱った「デタラメだらけの占いビジネス」とか、宗教ネタが盛りだくさんです。
 さらに別の企画もの記事では、ライターの村田らむ氏が新宿中央公園で滝に打たれる荒行とかに挑戦しています。これは宗教記事…とは違うか。

伊藤芳朗弁護士がホームオブハートの広報担当者に ~ナゾの女「モリゾノさん」の正体とは?~

 さて、「ホームオブハート被害者勝訴 東京地裁で〝血の通った判決〟」で判決の内容を書きましたが、判決の当日、ホームオブハート側のコメントをもらおうと電話をかけました。
 電話口に出たのはモリゾノさんと名乗る女性です。
--ライターの藤倉と申しますが、今日の判決についてのコメントをください。
「取材の申し入れは、広報担当であるクレスト法律事務所の伊藤芳朗先生にお願いします」
--伊藤先生は裁判の代理人はしていませんよね。それでも取材対応は伊藤先生なんですか?
「そうです」
--それは、今回判決が出た訴訟の控訴審を伊藤先生に依頼するという意味でしょうか。
「それはまだ決まっていません」
--伊藤先生は「代理人」ではなく「広報担当者」なんですね。
「そうです」
--今回の裁判についての取材だけではなく、ホームオブハートに関する取材全般の窓口が伊藤先生なんでしょうか。
「そうです」

 伊藤芳朗弁護士は、いつの間にか顧問弁護士でも代理人でもなくホームオブハートの広報担当者になっていました。まるでホームオブハートの社員か信者にでもなってしまったかのようにも聞こえますが、実際はどうなんでしょう。
 そこで、当の伊藤芳朗弁護士のクレスト法律事務所に電話をしてみました。しかし2日間にわたって電話しても、「外出中」「打ち合わせ中」「出張中」とのことで出てきてくれません。ぼくの電話番号と取材趣旨を伝えても連絡をくれません。
 残念ながら、これでは伊藤弁護士の言い分がわかりません。

 しかし、もしホームオブハート社内の、たいして事情を知らない下っ端がテキトーなことを言っているだけだったとすると、伊藤弁護士に迷惑がかかります。そこで、ホームオブハートの被害者の人たちに、「モリゾノ」という女性を知っているか尋ねましたが、みな、心当たりがないと言います。
 「カルトの消滅過程」にあるホームオブハートに新人でも入ったんでしょうか。
 取材の際に録音した音声を、被害者の皆さんに聞いてもらいました。「○○さんっぽい」という意見もありましたが、最後に静かな場所で録音をじっくり聞いた人は、「桃井(ホームオブハートの代表取締役で被告の桃井多賀子氏)の声のようだ」とのこと。
 そこで翌日、またホームオブハートに電話しました。

--昨日の判決についてコメントを。
「クレスト法律事務所の伊藤芳朗先生にお願いします」
--伊藤先生は連絡がつかないんです。
「こちらではお答えできませんので」
--昨日電話に出ていただいたモリゾノさんですよね。
「あ、藤倉さんですか」
--モリゾノさんって桃井さんじゃないんですか?
「・・・。」
--桃井さんじゃないんですか?
「違います」
--関係方面に取材しても「ホームオブハートのモリゾノさん」に誰も心当たりがなくて、しかもモリゾノさんの声が桃井さんによく似てるそうなんですが。
「違います」
--桃井さんであれば、もともとホームオブハートで広報対応されてましたよね。
「こちらでは何もお答えできませんので」
--桃井さんであれば、被告ご本人ですから、ぜひお話をお聞きしたいんですが。
「ガチャ」(切られた)

 ソッコーでリダイヤルボタンを押します。最近の電話器は便利ですね。

--モリゾノさん、下のお名前をうかがっていいですか?
「答える義務はありませんので」
--伊藤先生に「伊藤さんに聞けとホームオブハートのモリゾノさんから言われた」と言っても、モリゾノさんが実在しない人だったら伊藤先生に話が通じない可能性があります。確認のため、下の名前を教えてください。
「こちらでは何も答えられませんので」
--ですから伊藤先生に聞くための確認として下のお名前を。
「では、こちらからも伊藤さんに(藤倉のことを)申し伝えておきます」
--わかりました。よろしくお願いします。

 さて、伊藤弁護士にはぼくのことは伝わったんでしょうか。まだ連絡はありませんが。

 参考までに、伊藤芳朗弁護士のプロフィールをWikipediaから引用します。

伊藤芳朗(いとうよしろう、1960年8月20日 - )は弁護士。大阪府出身。灘高等学校、東京大学法学部卒業。坂本堤弁護士一家殺害事件など、オウム真理教関連の事件に関わり、テレビなどにも多数出演している。戸籍謄本等を不正に取得したことを理由として、東京弁護士会から2004年1月30日に業務停止4月の懲戒処分に処せられた。
 伊藤弁護士は株式会社システムブレーンというところに講演の講師登録をしているようで、同社HPにもプロフィールなどが書かれています。
「今、社会に望まれること」伊藤芳朗(いとうよしろう)/弁護士
プロフィール

オウム事件をはじめ、子どもの人権、家族問題などを追い続ける、知性派弁護士。昭和35年大阪生まれ。同54年灘高等学校卒業。同59年司法試験合格。同60年東京大学法学部卒業。宗教問題、少年事件、家族問題などを得意分野とし、法律問題全般にわたる講演をこなす。

■経歴・職歴
昭和60年、大学卒業と同時に、司法研修所入所。同62年、研修所を卒業し、東京弁護士会所属の弁護士として登録される。平成2年、伊藤 法律事務所を開設。同8年、クレスト法律事務所所長となり、現在に至る。主な弁護士活動として、日本弁護士連合会・子どもの権利委員会事務局次長、同・消費者委員会幹事、東京弁護士会・犯罪被害者の支援に関する委員会委員、同・子どもの人権と少年法に関する特別委員会委員、同・弁護士業務妨害対策委員会委員など多数つとめる。また「オウム真理教被害対策弁護団」所属。これまでの主な活動ジャンルとしては、家族問題(少年事件・子どもの人権・教育・離婚・親族相続)、医療、その他民事・商事など。

■指導内容
“オウム事件を考える”“子どもの人権”“手形・小切手の実務”など、実際に現場に携わった弁護士だから話せる内容は、好評。
 伊藤弁護士は、もともとは統一教会による霊感商法問題を批判する側に立っていた人物でもあります。
 しかしホームオブハート問題に際しては、『(ホームオブハートは)「カルト宗教」ないし「カルト宗教類似」の団体ではない』との立場をとっています。2004年に児童相談所がホームオブハートの子供達への指導措置を決定した際には、トシオフィスのHPに、同趣旨のコメントを寄せていました(いまは掲載されてはいないようです)。また、被害者側弁護士の紀藤正樹氏・山口貴士氏について、ホームオブハート現役メンバーが弁護士会に懲戒処分を計5件、申し立てていますが、うち4件で伊藤弁護士がホームオブハート側代理人を務めています。
 ホームオブハート被害者やその代理人弁護士を非常に口汚く非難している「子供達からの声」というHPがあります。これは、児童虐待発覚の際に児童相談所によって保護された子どもの一人と名乗る人が運営しているものです。このサイトでも、今回の地裁判決の直後に、こんな文章が掲載されています。
緊急報告です。より
子供たちによる、紀藤弁護士の懲戒請求は着々と進んでいます。
私たちの弁護士は、あのオウム真理教の事件を解決させた伊藤先生です。
子供軍団パワーと伊藤先生パワーで紀藤弁護士を徹底交戦中です!
 当然のことですが、「弁護士はカルト側の代理人を務めるべきではない」などと言うつもりはありません。
 しかし、これだけ多くの深刻な被害が明らかにされているホームオブハートについて、弁護士として「カルトではない」などと断言している点に疑問を感じます。伊藤弁護士は、ホームオブハートをカルトではないとする明確な根拠は出しておらず、弁護士らしからぬ姿勢でホームオブハート問題に携わっているように見えます。ホームオブハートをカルトと呼んで差し支えないと思える事実認定がなされた今回の地裁判決は、伊藤弁護士の主張とは正反対のものです。
 また、裁判で争われている最中の事実関係をめぐって相手方弁護士に懲戒請求を乱発する行為は、ぼくの目には業務妨害目的のように見えて仕方がありません。それでいて伊藤弁護士は、上記の株式会社システムブレーンHP内にある伊藤弁護士のプロフィールにもあるように、東京弁護士会の弁護士業務妨害対策委員会委員を務めています。同時に、子どもが「不適切な養育環境にあった」と児童相談所が判断した団体の側についていながら、日弁連の「日弁連子どもの権利委員会」幹事でもあります。
 皮肉がてんこ盛りです。

 カルト被害の問題に取り組んでいた弁護士が、なぜこんなことになってしまったのかナゾです。同時に、この伊藤芳朗弁護士に対して、山口貴士弁護士は明確な批判を表明(全面的勝訴判決のご報告!)しているものの、ほかの反カルト運動関係の人々からはっきりとした批判の声が表に出てこないのもまた、不思議でなりません。

ホームオブハート被害者勝訴 東京地裁で〝血の通った判決〟

 みなさんご存知のとおり、X JapanのTOSHI(出山利三)が心酔している自己啓発セミナー「ホームオブハート」とTOSHIの音楽事務所である「トシオフィス」(あと両社の代表ら)に対して、元セミナー生が消費者被害の賠償金約2134万円を求めていた裁判で2月26日、東京地裁(野山宏裁判長)がホームオブハート側に約1500万円の賠償金の支払いを命じました。
 ほぼ全面的に原告である被害者の主張が採用されたようで、ホームオブハート側の言い分はことごとく退けられ、ホームオブハート側の証人の証言も、被告でありながら陳述書のみでホームオブハート側から本人尋問の申請すら出されなかった倉渕透氏(MASAYA)の言い分も、全く採用されませんでした。
 ホームオブハート側は一連の裁判やホームページで「被害告発はデッチアゲ」「セミナー参加や商品購入は元セミナー生が自分の意思で行った」的なことを主張していたわけですが、それが全て判決では退けられ、ほぼ全面的に被害者側の主張が認められています。「ホームオブハートとTOSHI問題を考える会」のサイトなどを見てもらえれば、それがほぼそのまま事実認定の内容がわかるのではないかというほど、非常に説明しやすい判決です。
 今回はTOSHI個人は被告になっていませんが、TOSHIが経営する音楽事務所・トシオフィスが被告になっており、「被告ホームオブハートに隷属しながら、そのセミナー実施の一部に協力し、セミナーの共催者ともいうべき立場にあった」としてその責任を認定されています。
 被告側の主張がことごとく退けられた理由について、判決ではこう書かれています。

(ホームオブハート側証人と被告本人の)供述は迫真性に欠け、具体性に乏しく、反対尋問に正面から答えようとしない態度が顕著であることから、採用することができない。
 また、本件の争点に照らし被告倉渕の当事者尋問申請がないのは不可解であるというほかなく、そのような事情の下で反対尋問を経ていない被告倉渕本人の陳述書を事実認定に用いることは不相当である。

 被告であるMASAYAこと倉渕透氏は陳述書は提出したものの、ホームオブハート側からは倉渕氏への尋問の申請すらなされていなかったわけです。事実上、「欠席」ですね。 さらに判決は、被告らの違法性について、「マインドコントロール」という言葉をはっきりと使いながら、こう指摘しています。

 被告倉渕、被告加田及び被告出山(藤倉註:TOSHIの妻の出山香のこと)は、セミナー生の積極財産の全部を被告ホームオブハートに提供させることはもちろんのこと、(略)複数の貸金業者やクレジット業者から借入限度額満額の借入(略)をさせてその全額を被告ホームオブハートに提供させること(略)を、共謀の上、企てていたものと見るのが相当である。
 このような企ての実現のために、前記被告らは、被告ホームオブハートが癒しの商品やサービスを提供する会社であるかのように装って、悩みを抱えている女性に被告倉渕以外の女性スタッフを接近させ、(略)精神医学や心理学の知識を基礎とする自己啓発セミナーのノウハウを流用して、(略)その不安を煽り、困惑させて、このような罠にひっかかる女性の出現を待つことを共謀していたとみるのが相当である。
 そして、このようにして罠にひっかかりセミナーに参加するようになった女性に対しては、さらに、精神医学や心理学の知識を基礎とする自己啓発セミナーのノウハウを流用してマインドコントロールを施し、被告倉渕の言うことを聞かなかったり、セミナーへの参加を止めたりすると、地獄のようなつらい人生を送ることになると信じ込ませ、猜疑心を持たないようにすべきこと、思考を止めるべきこと並びに所持金が底をつくこと及び借金が返せなくなることに対する恐怖感をなくすべきであることという考え方を刷り込み、被告倉渕らの指示するとおり所持金や借入金を被告ホームオブハートに支払ってくれる人間に改造していったとみるのが相当である。
(略)
 (1)に記載したような目的及び手法をもってマインドコントロールされた状態に他人を意図的に陥れる行為は、社会通念に照らし、許容される余地のない違法行為であることは、明らかである
 精神医学や心理学の知識を濫用してはならないことは当然のことであって、これらの知識を濫用して他人の心を傷つけることが、およそ血の通った人間のやるようなことではないことは、論をまたないところである。他人に考える余裕や反論する余裕を与えずに、特定の考え方、価値観に基づき集団で長時間一人の相手を罵倒しつづけることは、精神的な拷問に等しく、相手の心に深い痛手を永遠に残すことになるのであって、このような行為がおよそ血の通った人間のやるようなことではないことも、また、論を待たないところである。
 (略)原告に対するMASAYAコンサートへの勧誘に始まる原告へのセミナー等への参加の勧誘、商品及び施設会員権購入の勧誘並びにオーガニックビレッジへの出店の勧誘行為は、原告にマインドコントロールを施し、その状態を維持する意図に基づく一連の行為であって、平成14年7月の最初から全部違法な行為と評価されるべきものである。

 今回の判決は、テレビも含めた大手メディアも報じました。児童虐待事件以来、ホームオブハートが久々に世間の関心を呼んだという意味でも、いいきっかけになったのではないかと思います。
 しかし判決の日には、ホームオブハートに隷属しセミナーを共催しているトシオフィスのサイトで、TOSHIが「即刻控訴をいたします」と表明しています。また、ホームオブハートをめぐる訴訟は消費者被害と名誉毀損にかんするものが計8件も起こっており、今回はそのうちの1件の一審判決が出たにすぎません。
 ホームオブハートでは、正確な人数は不明ですが、現在も20~30人が共同生活をしていると見られます。子どもも5人所属しており、いまだ学校に通っていない就学年齢の児童もいるとのことです。2004年に発覚した児童虐待問題以降、児童相談所による指導措置も継続中です。
 カルト問題に取り組む人の間では、「ホームオブハートはカルトの消滅過程にある」「〝(消滅するカルトの)最後の被害者〟は、被害がより重度になる可能性がある」との声も挙がっています。判決で認定された事実に基づけば、ホームオブハートは統一教会その他「カルト」と呼ばれる集団との共通点も多く、訴訟をめぐって不動産の仮差押も行われている現在、深刻な末期症状に陥る可能性もありそうです。
 今回の判決は内容面でもとても重要な判決だったと思いますが、このニュースを目にした人たちには、これが結論なのではなく、「ホームオブハート問題はいまも続いている」というニュースとして受け取ってもらえるといいなと思います。

 原告・弁護士のみなさんは今回の勝訴を一様に喜んでいましたが、翌日から(いや、たぶん判決当日も)山積するほかのホームオブハート関連訴訟の作業に追われています。
 せっかくなのでみなさん、これを機会に「ホームオブハートとTOSHI問題を考える会」に、ささやかでいいのでカンパなんぞしてみてはいかがでしょうか。

郵便振込み口座:00270-1-78416
「ホームオブハート被害者を支援する市民の会」
連絡先:ホームオブハートとTOSHI問題を考える会(HTP)

参考情報
◇ホームオブハートとTOSHI問題を考える会
 最新情報(2007/2/26(月) 勝訴のご報告)
◇弁護士紀藤正樹のLINC TOP NEWS-BLOG版
 速報:ホームオブハートとトシオフィス(代表取締役はToshiこと出山利三)に勝訴!
◇弁護士山口貴士大いに語る
 全面的勝訴判決のご報告!
◇せつこの部屋(※井上せつこさんは上記「市民の会」の代表世話人です)
 HOHに全面勝訴!
◇Seminar will never die...?
 HOHとTOSHI 全面敗訴
◇酔うぞの遠めがね
 ホームオブハート裁判勝訴
◇J-CASTニュース
 Toshi 裁判で完敗「X JAPAN」復活消えた!?

2006年2月21日 (火)

ホームオブハートの消費者被害訴訟

 昨日、傍聴してきました。傍聴席は満席に近い状態で、ホームオブハート(HOH)側からも、幹部やメンバーと思われる女性など計6人ほどが集結。さらに、元 X Japan のTOSHIの妻も、HOH側の弁護士とともに法廷に出席していました。
 「HOHとTOSHI問題を考える会」の山本ゆかり代表が証人に立つということで、それを見物に来たのか、あるいはプレッシャーをかけにきたのか。
 HOH社・代表取締役社長で、今回の一連の裁判の被告にもなっている加田順子氏も傍聴席におり、証人の山本氏が自分のことについて言及すると、仲間の背中を突っついてニヤニヤするなどしてました。

 証人尋問では、コンサートなどを口実に勧誘相手を誘い出しセミナーを受けさせる手口、セミナー内での暴力・暴言、子どもの扱いなどが改めて説明されました。女性メンバーを自分と一緒に入浴させるといった、MASAYAの“ハーレム生活”にも言及されました。
 HOH側の弁護士からの尋問を聞いていると、どうも自己啓発セミナーの構造をわかっていないというか、あえてわからないふりをして、HOH(あるいはトシオフィス)全体としてみればさほど深刻な問題はないと言おうとしているかのような態度に見えました。たとえば、トシオフィス経由でHOHに勧誘された人の人数が、「いま記憶から数えられる範囲では少なくとも10人程度」との証言について、「たったそれだけなんですね」みたいなことを言ってみたり、という調子。もっともそれに対して山本氏は「HOHのセミナー規模を考えれば、かなり多い割合だと思っている」と言っていました。
 裁判官だって自己啓発セミナーのことなんか大して知らないでしょうから、こういうスタンスでの質問に答える形で山本氏がセミナーの内部事情を説明する機会があったのは、悪いことではないように思います。

 ぼくは仕事があったので途中退席しましたが、その後で、TOSHIの妻・出山香氏も、山本氏に対して「数万人の受講生のうち、破産したメンバーは一握りにすぎない」みたいな発言をし、「数万人」という数字はレムリア時代以前も含めたセミナー通算だというようなことも口走ったそうです。それはそれで、HOHになってからのセミナーをレムリア以前(アイランドなど)の「自己啓発セミナー」と同一のものとして彼らが認識していることを自白したようなもの。こうなると彼らは、「HOHは自己啓発セミナーではない」みたいなことも言えなくなりますね(それでも言ってしまいそうなのがHOHなわけですが)。

 次回以降、HOHを訴えている被害者が証言するようなので、またHOH側の幹部や女性メンバーが集まってくるんでしょうか。いずれにしても、書面提出中心の弁論から、こうした生のやりとりが行われる弁論に切り替わっています。HOH側の問題点や裁判の行方がだいぶわかりやすくなってくるので、興味のある方は傍聴に行ってみるといいのではないかと。
 裁判の日程は、ここにアップしてあります。

自己啓発セミナー対策ガイド/イベントカレンダー
http://www.geocities.jp/seminar_spirit/calendar00.htm

2005年10月 2日 (日)

裁判長、異議アリ!

  元 X Japan の Toshi が心酔しているホームオブハートの裁判をちょこちょこ傍聴に行っています。先月20日に行われた名誉毀損訴訟の口頭弁論には行きそびれてしまったんですが、ここで、どうも裁判長が何やらトンデモ発言をしたんだそうな。
 この訴訟は、ホームオブハートとToshi問題を考える会(HTP)と紀藤正樹弁護士 vs ホームオブハートとトシオフィスで互いに訴えあっているもの。それぞれが、名誉毀損や営業妨害などの損害賠償請求を請求しています。

 で、この口頭弁論の最中に、裁判長がHTP側に対して、
「書面が長い」
 みたいなことで文句を言ったらしい。しかも、傍聴していた人に後から聞いたところによると、うっかり失言というわけではなく、御丁寧にこんな説明も付け加えたとか。
「私も弁護士だったころは長い文章を書いたが、裁判官になってみると、読むのが大変だということがわかったので」
 もちろん、伝聞なので文言は全くこの通りというわけではないと思いますが。これに対してHTP側の弁護士は、
「書く方が大変です」
 と言い返したとか。
 それにしても、書面に不要な部分があるとかいう指摘ならまだしも、単純に長いのがいかん、みたいなことを口走るというのは、裁判官としていかがなものだろう。長文だろうが短文だろうが必要なものを提出しなければ裁判なんか成り立たないじゃないか。
 しかも、自ら「オレの勝手な都合で文句言ってんですよ」と認めるかのような解説までつけてしまうとは。発言の内容以前に、自分の立場に無自覚であることの方が問題だ。