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040:執筆記事とか雑感とか

2008年1月29日 (火)

カルト映画『純愛』にご注意を

 オーマイニュースで、映画『純愛』(主演・小林桂子氏)について、また記事を書きました。

『純愛』が止まらない!!

 オーマイニュースでは昨年12月以降、上記記事を含めてテキスト記事4本、写真記事1本、動画1本を費やして報じています。上記記事の下の方に表示された「関連記事」「関連TV・Photo」から閲覧できるので、ぜひ読んでいただければと思います。

 『純愛』は、自己啓発セミナーがらみの偽装チャリティー映画です。法人格のない「小林桂子基金」を「NPO法人」だと称し、偽造書類を用いて複数の企業を騙しました。その偽装NPO法人の代表理事を自称していたのも、『純愛』主演の小林桂子氏。NPO偽装以前に、自分主演の映画の収益を、自分が代表理事を務めるNPO法人に寄付すると言っている時点で、ちょっといかがわしさが漂う自作自演なんですけどね。

 『純愛』は一時、EXILEのヴォーカル・ATSUSHIを広告塔にし、ATSUSHIが主題歌を無償提供していました。しかし偽装に気づいたエイベックスやLDH(EXILE所属事務所)が、昨年10月に主題歌を引きあげたため、『純愛』は主題歌部分や宣伝での告知内容を変更せざるを得なくなりました。
 その後、『純愛』製作実行委員長の奥山省吾氏(『純愛』の配給宣伝会社を自称している化粧品・美容関連のプロジェクトデザイン社代表で、小林桂子氏の事実上の夫)らは、エイベックスとのトラブルを隠し、ほかの企業を騙してさらにカネ集めを続け、メディアに宣伝をはたらきかけていました。
 そのことが報道によって暴露されると、NPO法人の偽装は自分たちがやったことではなく、自分たちがNPO法人設立を依頼した第三者による詐欺だという釈明を公開しました。

 それだけでは説明がつかない不自然さや矛盾点も多い釈明でしたが、彼らは、それ以上の具体的な説明もしないまま、今度は札幌で新たなカネ集めを始めています。自己啓発セミナー卒業生らから集めた1億円以上もの出資金や、企業を騙して得た協賛金は、全部使っちまったんだそうです。
 新たなカネ集めの名目は、スイスでの上映会。300~500万円のカネがかかるそうです。といっても、現地でのパーティー代や、小林桂子氏ら関係者の渡航費用なども含めてですが。しかもこれ、オファーの内容から推測するに、興行ではなく試写会っぽい。
 国内での興行でさえ収益を出せていないのに、海外に行くためにカネ集めをしているわけです。スイス上映を彼らに持ちかけているのは、昨年、『純愛』が出品されたモナコ国際映画祭のプロデューサーだとか。

 “第三者による詐欺”は『純愛』関係者にとって、観客や出資者に誠意ある説明をすべき事件であると同時に、自らの無能さ・無防備さを反省すべき事件のはずです。なのに、「今を逃すとチャンスはない」「99%の確立で欧州での配給が決まる」などというプロデューサーの、まるで悪徳商法のセールストークみたいな言葉に飛びつこうとする。しかも他人のカネで。
 これって、彼らが何ら反省していないことの証明ですね。彼らが“第三者による詐欺”を、批判をかわす(あるいは同情を買う)ための単なるキャッチコピーとしか考えていないということです。

 さらにおかしなことがあります。映画の興行や宣伝のために支援者にカネをよこせと言ってトークショーをやって、出演者の一人であるYASUTAKA氏がへたくそな歌まで披露り、「札幌応援団結成式」などというイベントまでやっていながら、『純愛』の上映館には、中国に学校を作るための募金箱とかそういうものが見当たりません。中国に学校を作るチャリティー映画のはずなのに、そんなのはそっちのけ。自分たちにカネよこせという話ばっかりです。

 これまでぼくは、ぼくなりに「取材者」「報道者」という意識でこの問題を取り上げてきたつもりでした。人によっては、「ホントかよ」って思える部分もあるかもしれないけど、いちおうぼくの自覚というか力加減として、そういう線引きをしていました。
 「報道」の目的をぼくは、批判対象を潰すことではなく、世間の目に晒すことで実態相応の評価を受けるようにするとか、彼ら自身がメディアや世間の反応を参考にしてやり方を改めることを期待するとか、そういう部分に置いています。

 でも正直、もうキレました。もちろん報道者としての倫理観とか正義感とかもあるけど、もはやぼくの感情レベルで許せなくなってきています。

 取材した感触としては、彼らは厳密な意味での詐欺師ではなく、たぶん無能で世間知らずのお調子者という気がします。
 騙す意図がなければ詐欺罪は成立しないかもしれません。でも、理をわきまえず暴走すれば、たとえ悪意がなくても立派な害悪です。

 オーマイニュースをはじめニュース媒体で記事を書く際には、今後も「報道」としてこの問題を書いていこうと思います。でもこのブログでは今後、『純愛』の撲滅を目指して情報を掲載していこうと思います。
 まあ、別に撲滅できるようなプランを持ってるわけでもないですが、なんか、そのくらいの気合いで取り組まないと彼らの暴走に一矢報いることすらできない気がしてきました。彼らも、彼らの周囲の「信者」たちも、報道されたくらいじゃ事実を見ようともしないし、立ち止まって考えようともしないんだもん。

 とりあえずみなさん、映画『純愛』を見かけたら近寄らないように注意してもらえればと思います。間違っても、おカネを出したり手伝ったりしない方がいいと思います。いま『純愛』に協力している人たちも、他人を巻き込むことで自分が加害者になるんだということを少しは自覚してほしいです。

 『純愛』プロジェクトは、自らが標榜した「チャリティー」と矛盾した活動をすることも、他人に迷惑をかけることも、なんとも思わずにやってのけるカルト的集団です。営利目的でも悪意でもなく、思い込みで間違った方向に暴走している点なんか、狂信的宗教集団にすら似ています。
 mixiの『純愛』コミュニティにオーマイニュースの記事のURLが投稿されたら、管理人の奥山省吾氏が削除していました。「情報操作」というほど大それたことでもないですが、「信者」に情報を与えないように努力していることは間違いないようです。

 自己啓発セミナーをカルト的な集団と捉える人はいます。『純愛』は、自己啓発セミナーがらみの映画です。しかしそのことが『純愛』をカルト的と評する根拠ではありません。
 非常識な手段で、ときにはウソをもつきながら人を集めカネを集める『純愛』関係者の集団は、それ自体が単独でカルト的性格を発揮していると思います。下手したら、小林桂子氏の出身セミナーであるARCインターナショナルや、『純愛』の製作資金集めの草刈場となったETLジャパン以上に、『純愛』プロジェクトの方がカルト的かもしれません。
 『純愛』がセミナー受講生にたかった製作資金は「1口100万円」。ARCやETLのセミナーだって、3段階全て受講しても30~40万円です。「金額=カルト度」というわけでもないですが。

 というわけで『純愛』は、一般的な意味とは違う意味で「カルト映画」です。
 しかし同時に、本来の意味での「カルト映画」とも言えるかもしれません。1億円も費やしたわりには見事なまでに出来が悪い映画だからです。

 ゲテモノ観たさで劇場に運ぶという人がもしいるなら、止めはしません。イケてなさも非常に中途半端な映画なので、その気持ち悪さを楽しめて、なおかつ劇場の観客たちの大げさなすすり泣きすらも笑って見ていられるような、そんなコアな人におススメです。わかりやすいトンデモ映画が好きな人には、少々キツイと思います。

2007年12月29日 (土)

映画『純愛』公式サイトのウソを暴く!

 オーマイニュースの「チャリティー映画『純愛』のウソを暴く!」(前編後編)で、『純愛』関係者が収益の寄付先としていたNPO法人が実際には存在せず、彼らがATSUSHI(EXILE)の所属レコード会社や所属事務所、映画興行の協賛企業に対して、NPO法人に関する偽造書類を提示していたことを書きました。

 その後『純愛』側は、公式サイトで「自分たちも第三者に騙された」という趣旨の主張を掲載しています。

 せっかくなので、彼らの公式サイトのウソも暴いちゃおうと思います。公式サイトの文面を引用した部分の末尾に赤字で日付をつけますが、これは、藤倉がこのサイトのデータを保存した日付です。

<新エンドロールについて>
銀座シネパトス公開時に使用させていただいていたエンドロール主題歌は、07年10月末をもって使用許諾期間を終えることとなりました。
(2007.12.21)

 これがもっとも悪質なウソです。『純愛』関係者はこれまで、これと同様の虚偽の説明を協賛企業や一部マスコミに対して行なってきました。その後、この部分は、こういう記述に変わっています。

主題歌をご提供いただいておりましたレコード会社様,及び主題歌を歌っていただいていたご本人の所属事務所様からは、主題歌使用中止のお申入れをいただきました。
(2007.12.29)

 事実上、虚偽の説明であったことを自ら認めたようなものです。

 しかし、ことの経緯については明らかに誤った説明が書かれていました。

2007年12月17日、上記経緯は、すべて当基金会がNPO法人化の手続きを依頼していた第三者による巧妙に偽装された詐欺行為であったことが判明し、当基金会は偽装されたNPO法人の認証を受け取っていたことが明らかになりました。
(略)
こうした状況の中、一部の週刊誌ほかから、明らかに事実に反する視点からの取材申込みを受けたため、私達としては取材拒否の姿勢を貫いて参りました。
(略)
この一件により主題歌をご提供いただいておりましたレコード会社様,及び主題歌を歌っていただいていたご本人の所属事務所様からは、主題歌使用中止のお申入れをいただきました。
(2007.12.24)

 これ、事実関係の順序が全く逆です。
 実際の順序は、こうです。

(1) レコード会社と所属事務所が書類の偽造に気づいて主題歌の使用中止を申し入れた(2007年10月頃)
(2) 「一部の週刊誌ほか(週刊朝日とオーマイニュースと思われる)」が『純愛』関係者・支援者らに取材を申し入れた(2007年12月上旬)
(3) その取材によって事実を知った支援者が『純愛』側に説明を求めた(2007年12月14日以降)
(4) 『純愛』側が、書類が偽造だったことを認め、「自分たちが詐欺にあった」と主張し始めた(2007年12月17日)
(5) 週刊朝日発売(2007年12月17日)、オーマイニュースが記事を掲載(2007年12月17・18日)

 12月25日に『純愛』サイトは、上記で引用した「この一件により」という、因果関係を断言する表現を消して、経緯を曖昧にしましたが、説明の順序は相変わらず事実と逆になっていました。
 事情を知らない人が読んだら、『純愛』側が自ら「詐欺」を発見し、その後に雑誌の取材や所属事務所からの「主題化使用中止」の通告を受けたかのように勘違いしかねません。表現を修正してもなお、そのような記述にしているということは、『純愛』側が意図的に読み手の勘違いを期待していると受け取られても文句は言えないでしょう。

 この点について、12月29日に更新された『純愛』サイトでは、こういう記述が加わりました。

また、この事件発覚のきっかけは、レコード会社様からの問合せをいただいたことであり、重ねて御礼申し上げます。
(2007.12.29)

 ウソをついては、ちょっとずつ、ちょっとずつ、サイトの文章を書き換えてつじつまを合わせていく。でも、そのことで、かえって「ウソ」を自ら認めることになっています。

 さて、メディアの取材に関する説明も、デタラメだらけ。

こうした状況の中、一部の週刊誌ほかから、明らかに事実に反する視点からの取材申込みを受けたため、私達としては取材拒否の姿勢を貫いて参りました。結果的に12月18日頃に公表された記事は事実に反する誹謗・中傷に終始しており、私達は甚大な損害を被っています。
(2007.12.29)

 ぼくは、12月6日以前から取材を申し入れており、『純愛』広報窓口である市川慶子氏が、映画祭のためモナコに行っている製作実行委員長の奥山省吾氏にメールで連絡しておくと答えました。しかし実際には連絡を取っていませんでした。

 奥山氏が帰国後、ぼくが奥山氏本人に電話をして確認したところ、市川氏が彼にメールでの連絡をしていないことがわかり、奥山氏に取材の申し入れをしました。奥山氏からは、「個人的には、取材を受けてきちんと説明したい」と言われました。しかし12月14日、一転して、「取材は一切受けない」と市川慶子氏から電話連絡が入りました。

 このことからわかるように、実際には『純愛』側は「取材拒否の姿勢を貫いて」などいません。彼らは、取材対応についてどっちつかずの態度をとりながら、だらだらと1週間以上も返答を延ばしてきました。

 また、『純愛』サイトでは、「一部の週刊誌ほかから、明らかに事実に反する視点からの取材申込みを受けた」と書いてありますが、これもウソです。週刊朝日がどのような申し入れをしたのかは知りませんが、ぼくは取材申し入れの際、「NPO法人が存在しない件」と「お金の流れ」について聞きたいという程度の説明しかしていません。
 NPO法人が存在しないのは事実だし、「お金の流れ」は単なる質問であって、こちらから何か具体的な事実を彼らに提示したこともありません。

 彼らは「12月18日頃に公表された記事は事実に反する誹謗・中傷に終始しており、私達は甚大な損害を被って」いるそうなんですが、週刊朝日やオーマイニュースの記事のどこがどう「事実に反する誹謗・中傷」なのかは、一切明らかにされていません。もちろん、オーマイニュースでぼくは、証拠・証言に基づいたことしか書いていません。
 それより何より、週刊朝日は知りませんが、オーマイニュースにもぼく個人にも、彼らから何の抗議も来ていないんです。
 まあ、年末年始を挟んでしまっているので、年が明けてから届くんでしょうか。それとも、メディアの取材に関する彼らの説明も、今後ちょっとずつ書き換えられていくんでしょうか。
 いつまでもウソを垂れ流したままのようなら、オーマイニュースやぼくの名誉に関わる問題です。ぼくも「弁護士に相談して対応を協議しちゃってみようかなあ」とか考え始めるかもしれません。

 あと、これはウソではなく、おそらく『純愛』関係者がものごとの道理を理解していないことから生じた誤りではないかと思うんですが、こういう記述がありました。

<幼稚園建設費用について>
2007年8・9月の銀座シネパトスでの初公開は大成功のうちに終了することができました。そして、その興行収益の10%の約120万円を中国泰安市の希望小学校内に作る予定の幼稚園建設費用として保管させていただいています。
(2007.12.21)

 なんと、東京興行では、1,200万円もの収益があったということになります。
 『純愛』の東京公開の観客動員数は6,266人です。1人分のチケット代が1,800円だとすると、約1127万円の売上げがあったことになります。
 この数字を比べると、『純愛』サイトに掲載された「収益」というのは、正確には「売上げ」のことでしょう。

 この間違いに気づいたのか、何か別の事情があったのかはわかりませんが、現在の『純愛』サイトからは、この記述が消えています。

 もうひとつの誤りは、「文書偽造」「詐欺」がわかったと主張し始めた後の、この記述。

今後については、

① 刑事告訴、告発の届出、犯人逮捕、事件解決
② 関連する皆さまへのご説明
③ 小林桂子基金会のNPO法人認証の準備
 (名称を「純愛基金」と変更する予定です。)
④ 事業全体の運営体制の刷新・強化

を、順を追って、具体的に進めてまいります。
(2007.12.22)

 刑事告訴の後、犯人が逮捕され事件が解決してから関係者に説明するとは、いったい何年かかるのか。そもそも、警察が告訴状を受理するかどうかもわからない。騙されて周りに迷惑をかけたと言っている割には、ずいぶんと悠長な人たちだなあと思いました。
 さすがにこれも誤りに気づいたのか、現在では、こういう記述に変わっています。

今後については、
① 刑事告訴、告発の届出
② 関係者の皆さまへのご説明
③ 小林桂子基金会のNPO法人認証の準備 (名称を「純愛基金」と変更する予定です。)
④ 事業全体の運営体制の刷新・強化                    
を順を追って、具体的に進めてまいります。
(2007.12.29)

 なお、12月29日の『純愛』サイトの更新では、これまで末尾に、

小林桂子 映画「純愛」製作総指揮・小林桂子基金会理事長
奥山省吾 映画「純愛」製作実行委員長・小林桂子基金会理事

 とあった部分が、

小林桂子 映画「純愛」製作総指揮・小林桂子基金会理事長
市川慶子 映画「純愛」製作担当・小林桂子基金会理事
奥山省吾 映画「純愛」製作実行委員長・小林桂子基金会理事

 に変わりました。1人増えてます。
 新たに「理事」として登場した市川慶子氏は、『純愛』の広報窓口を勤めている女性で、「代官山サロン」というエステサロンを経営しています。「代官山サロン」には小林桂子氏も関わっているようです。

 市川慶子氏は、『純愛』の配給・宣伝会社ということになっている株式会社プロジェクトデザイン(代表・奥山省吾氏)の監査役であり、小林桂子氏とともに有限会社ケイズカンパニーの取締役も務めています。小林桂子氏は、プロジェクトデザイン社の取締役でもあります。
 株式会社プロジェクトデザインは、もともと映画配給会社ではなく、化粧品や美容関連のイベント企画やサロン経営、コンサルティングをメインとした会社のようです。

 要するに、

・株式会社プロジェクトデザイン
・有限会社ケイズカンパニー
・小林桂子基金

 の3団体は、ぜんぶ同じ人たちがやっているものだということですね。そういった関係が明示されないまま、これまで『純愛』関連情報として雑誌やインターネットで宣伝されてきましたが。支援者や協賛企業は、この事実を知っているのでしょうか。

 ちなみに、小林桂子・奥山省吾氏は、法律上はすでに離婚しているようですが、現在も事実婚状態であるとの証言があります。

2007年12月18日 (火)

チャリティー映画『純愛』のウソを暴く!

 オーマイニュースで、自己啓発セミナー関連記事を2本書きました。

チャリティー映画『純愛』のウソを暴く!(前編)
チャリティー映画『純愛』のウソを暴く!(後編)

 ARCインターナショナルの卒業生でETLジャパンのボランティアスタッフの小林桂子氏らが、小林氏自らが主演するチャリティ映画『純愛』で、架空のNPO法人を名乗ったチャリティ活動を行い、どうやら人気グループ「EXILE」の所属事務所やレコード会社、さらには映画興行の協賛企業を騙していたっぽい証言がボロボロ出てきています。

 この映画企画については、藤倉が運営する「自己啓発セミナー対策ガイド」内で、過去にこういう記事も書いています。当時は『純愛』ではなく『ウォーアイニー』という中国語タイトルでした。

小林桂子映画、クランクイン決定(2004/04/29)
小林桂子・映画企画 3ヶ月で7,000万円のカネ集め(2003/10/07)

 この映画に関連するARC・ETL2社に関する、同じく「自己啓発セミナー対策ガイド」内の基礎情報はこちら↓。

ARCインターナショナル
ETLジャパン

 ご存知の方もけっこういると思いますが、ETLジャパンは、人気デュオ「ゆず」の北川悠仁の親族が実質的に経営する自己啓発セミナー会社です。関係者の話によれば、ETL内では、悠仁の母親が教祖となっている宗教団体「かむながらのみち」への勧誘活動も行なわれているそうです(まあ、そんなにしつこい勧誘ではないようですが)。ATSUSHIが、宗教にまで関わったかどうかまでは、わかりません。

 今回の映画『純愛』をめぐっては、ARC卒業生やETL受講生・卒業生の間で小林氏らが製作資金の出資を募っていました。関係者の証言によれば、映画の“広告塔”にされていたEXILEのATSUSHIも、小林桂子氏の勧誘によってETLのセミナーを受講したそうです。

 というわけで、『純愛』騒動はもろに自己啓発セミナーを舞台に繰り広げられたものと言っていいわけですが、正確には、自己啓発セミナーそのものが何か悪いことをしたというのとも違います。直接問題を起こしているのは、卒業生あるいはボランティアスタッフである小林桂子氏と夫の奥山省吾氏など、映画の制作方面の関係者です。

 しかし、「無計画で非常識(そしてときにはただの自己満足な)なチャリティ活動はスピリチュアル系の人々のお家芸なのか?」言いたくなるような出来事がいろいろある昨今、この『純愛』騒動が自己啓発セミナーを舞台に繰り広げられたことは、必ずしも偶然ではないような気もします。

 ETLジャパンは小林桂子氏の資金集めに利用された被害者、との見方もできなくはありません。しかし実際には、ETLジャパンは小林氏のカネ集めを知っていて放置あるいは容認していたように見えます。トレーナーの北川大介氏までもが『純愛』の試写を観に行っていたし、小林氏が資金集めをしていた2003年ごろ、ETL社内には小林氏のブロマイドというかプロフィール写真のようなものも飾ってありました。
 なんでぼくがそんなことを知っているのかは、もちろんナイショです。

 ETLが自社の受講生に対して小林氏がカネ集めをするのを容認した理由について、

「ARC時代に芸能人をセミナーに勧誘してきたこともある小林氏の実績を、元ARC社員だったETL幹部やスタッフも当然知っており、小林氏はETLにも受講生を勧誘してきてくれていたからではないか」

 とする関係者もいます。実際、小林氏はEXILEのATSUSHIをETLに勧誘し、ATSUSHIはETLの創立10周年パーティーにも出席しました。こうしたウワサは受講生の間で広まるもので、「受講生の個人情報は口外無用」のはずのETL内において、ATSUSHIと同期生ではない受講生までもがATSUSHIの受講について知っているという状態になっていました。
 有名人も受講しているということが、ETLにとってマイナスになるわけがありません。もともと、「ゆず」の北川悠仁が経営者の一族であることが週刊誌沙汰になる以前は、ETL幹部がweb上の日記などで「弟」の話をしたり、社内に北川悠仁関連の写真を張り出すなどして、むしろ積極的に「利用」していました。

 ETLはぼくの取材を拒否しましたが、こうした諸々を考えると、ETLと『純愛』との間には、(計画的ではなさそうですが)結果として「ギブ・アンド・テイク」が成り立っていたように思えます。
 もちろん、セミナー会社にしてみれば卒業生の「慈善活動」を邪魔だてする理由はないでしょうし、もともとボランティア活動などがセミナー卒業生のサークル活動的なノリで行なわれるということは、自己啓発セミナー業界では珍しくありません。『純愛』の資金集めの段階で、一般の問合せ窓口にもなっていた「ワンワールド・ワンピープル(OWOP)協会」も、かつてはARC内部でそういう機能を持っていた団体としてスタートしたものです。

 だからといって、関係者を騙した『純愛』の行為についてETLに責任があるとは思いませんが、やはりこれは「自己啓発セミナー」関連の騒動と言って差し支えないだろう、くらいには考えています。

2007年6月12日 (火)

「ベストグループ問題掲示板」の発信者情報開示請求

 ぼくが運営する「ベストグループ問題掲示板」(http://otd10.jbbs.livedoor.jp/bestgroup/bbs_plain?range=20)の投稿について発信者情報開示請求が出された件。
 ライブドアのいい加減な対応を「オーマイニュース」でレポートしました(全3回)。

発信者情報開示請求を食らってみた
(1) ライブドアはプロバイダ責任制限法を遵守する気があるのか
(2) 「気に食わなければ裁判を起こせば?」がライブドア流か
(3) 発信者に正当な手続きを保障しない、プロバイダ法の大盲点

2007年5月26日 (土)

最近書いた宗教関連記事

 最近、忙しくてさっぱりブログ更新してませんでしたが、最近の宗教・カルト関連のお仕事報告です。

Photo◇2007年4月発売/晋遊舎/.net実話 アングラーEX vol.6/「新興宗教お宝鑑定隊」、「スピリチュアの現場」(スピリチュアル・コンベンション)

 

 『.net実話アングラーEXVol.06』で、「新興宗教お宝鑑定隊」と「スピリチュアルの現場」の2本の記事を書きました。

 「新興宗教お宝鑑定隊」は、統一教会や法の華三法行などのカルト宗教が信者に売りつけている高額グッズを、古物商に鑑定してもらうという記事です。信者がウン千万円で買わされたグッズでも、古物商の評価額が「ウン千円」とか「ゼロ円」とか。笑うしかないくらいのビックリな価格差は、そのまま教団のあくどさを示してますね。
 各教団の被害者が起こしている裁判などで、グッズのインチキぶりが暴露されているケースはあります。でも複数の教団の計20点以上のグッズをいちどに鑑定するなんてアホな企画は、さすがに本邦初なんじゃないかと勝手に思っていますが、実際どうなんでしょうね。
 とりあえず、資料価値もそこそこあるのではないかと。「カルト宗教美術年鑑」みたいな感覚で使えるかも(?)。

 「スピリチュアルの現場」は、連載2回目。1回目は X Japan の TOSHI がハマってる自己啓発セミナーを取り上げましたが、今回は「スピリチュアルコンベンション(通称すぴこん)」です。ぼくが助手(?)をつれて、東京会場に行き、あれこれ体験してきました。単なる体験レポートではなく、恐ろしいほどの短期間で「毎週日本のどこかで開催されている」(事務局関係者)ほどになるまでの増殖過程がわかるような表もつけてみました。

Photo_1◇2007年5月発売/晋遊舎/.net実話コミックアングラー Vol.01/「あるインチキセミナーの手口と対策」、「宗教団体と戦い続ける街」(オウム、創価学会、神慈秀明会、真如苑)

 

 『アングラー』の姉妹誌として、今月『コミックアングラー』も創刊されます。創刊号で、ぼくは、女子学生ばかりを狙った自己啓発セミナーをテーマにしたマンガ「あるインチキセミナーの手口と対策」の原案を書きました。この自己啓発セミナーは、ぼくが運営する「自己啓発セミナー対策ガイド」の掲示板でもよく話題になっている会社です。その会社の勧誘手法と対策法(ちょっとおちゃらけ)を解説するマンガです。
 同じく『コミックアングラー』創刊号の活字ページで、「宗教団体と戦い続ける街」というレポートも書きました。オウム(アーレフ・ひかりの輪)、創価学会、神慈秀明会、真如苑といった教団と、それらの進出に反対する近隣住民との対立をレポート。
 写真ルポに近いページ構成で、あまり文章を書けませんでした。詳細はほかのところで引き続きレポートしていきたいというのが正直なところだったりします。

Omn◇2007年5月17日掲載/オーマイニュース/「上祐派独立・地域住民の不安と賠償問題」「“2つのオウム”に悩む東京・世田谷」

 オウムに関しては、「オーマイニュース」で、「上祐派独立・地域住民の不安と賠償問題」という記事を書きました。住民デモや「ひかりの輪」副代表の講演のレポートです。住民デモの動画レポート「“2つのオウム”に悩む東京・世田谷」もついてます。

2007年3月 4日 (日)

.net実話 アングラーEX vol.5

 奇しくもホームオブハート被害者の勝訴判決が出る直前に発売された雑誌で、ホームオブハートのことを書きました。1月に東京・中野ゼロで開かれたTOSHIのコンサートのレポートと、ホームオブハート問題のまとめです。

Vol_05 ◇2007年2月発売/晋遊舎/.net実話 アングラーEX vol.5/スピリチュアの現場 自己啓発セミナー団体 ホームオブハート(レムリアアイランドレコード)

 

 

 この記事に出てくるTOSHIのコンサートは、「日本BE研究所」所長で、企業研修型の自己啓発セミナーを主催する「日本創造教育研究所」の特別顧問でもある行徳哲男氏の講演がセットになっていました。この講演がまた迫力のある右翼調の演説で、おかしなことは言っていないんですが、TOSHIの「自称・癒しのコンサート」とのギャップが凄まじかった。事情を知らないお客さんは、うろたえていたんじゃないかなあ。

 誌面には載っていないですが、行徳哲男氏の講演風景の写真を貼り付けておきます。
 ちなみに客席には、ホームオブハート問題をめぐる裁判でトシオフィスの代理人を務める市河真吾弁護士の姿もありました。

01

行徳哲男氏の講演は迫力満点でした。

 

 

 

Toshi02_2 行徳氏はコンサートの最後にTOSHIに書をプレゼントしていました。

 

 
 この号の「アングラー」でぼくは、「これが言論の自由を侵すGoogle八分だ」という記事も書いています。そこで紹介しているグーグル八分の事例のひとつとして、ラーメン「花月」チェーンの運営母体・グロービートジャパン(批判者を脅迫するなどしたカルト的集団・日本平和神軍の関連会社です)のケースも紹介しています。
 あと、ぼくが書いた記事ではないですが、今回の「アングラー」は、ほかにも創価学会・幸福の科学・オウム真理教・ワールドメイトなどを扱った「特集 宗教洗脳漫画アニメ大全」とか、細木○子・Dr.○パ・美輪○宏・森○健・江原○之を扱った「デタラメだらけの占いビジネス」とか、宗教ネタが盛りだくさんです。
 さらに別の企画もの記事では、ライターの村田らむ氏が新宿中央公園で滝に打たれる荒行とかに挑戦しています。これは宗教記事…とは違うか。

2007年1月10日 (水)

執筆記事一覧

 少しずつ雑誌などでカルトや宗教関連の記事を書かせてもらえるようになってきたので、掲載記事の紹介とか。いちおう署名記事だけですが。
 人にぼくのことをニートだと吹き込んでるバカがいるらしいですが、ぼくはどっちかというとカルト関連以外の記事を書く仕事に追われて日々忙しく生きています。誤解なきよう。まあ、仮にニートだったとしても、だから何なんだって話ですが。

20072 ◇2006年12月発売/宝島社/宝島2月号/経営者と占い師「吉凶」の研究

 

 

 

Tbs ◇2006年12月発売/晋遊舎/TBS「報道テロ」全記録―反日放送局の事業免許取り消しを!/「坂本弁護士事件」をひき起こした「殺人電波TBS」とオウム真理教の危ない関係

 

 

 

Ex_vol3 ◇2006年10月発売/晋遊舎/.net実話 アングラーEX vol.3/ニッポンが犯される!! 韓流カルト教団の狂気の日本侵略計画

 

 

 

20064 ◇2006年4月発売/宝島社/宝島4月号/追跡!あのカルト教団の今

 

 

 

Vol_35◇2005年12月発売/ミリオン出版/漫画実話ナックルズ2月号vol.35/自己啓発セミナー体験記(マンガ欄外の解説コラム)