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2006年5月 8日 (月)

ロバート・ホワイト氏基調講演会

White01_1   5月6日、浅草ビューホテルで行われた、ASKグローバルコミュニケーション株式会社主催「ロバート・ホワイト氏基調講演会」に行ってきました。ASKは、ARCインターナショナル社の元トレーナーである松田友一氏が2002年に設立したばかりのセミナー会社です。

 講演会資料にあった、ホワイト氏のプロフィールの抜粋です。

 自己成長のセミナーの草分けであるマインドダイナミックスの社長を務め、ライフ・スプリング社の創設者であり社長。
 ARCインターナショナルの創設者で、1978-2001まで会長を努め、アジア、南米、ヨーロッパ、北米で企業や個人のクライアントと緊密に関わる。

Arc ARCインターナショナルは旧社名をライフ・ダイナミックスといい、日本で初めて設立された自己啓発セミナー会社です。80年代には、このARCを模倣したセミナーが乱立し、一説によるとピーク時にはその数100社とも200社とも言われています。本当にそんなにたくさんあったかは疑問ですが(何せ、実際に数えたという人はいないので)、現在でも30社くらいが生き残っています。「200社」とはいかないまでも、ピーク時にはかなりの数のセミナー会社があったことは間違いありません。
 ARCの日本法人は2000年に解散し、アメリカに本部を置いていたARCグループもほぼ近い時期に全て閉鎖されました。もともとホワイト氏が設立した「ワンワールド・ワンピープル協会」というボランティア団体は、NPOとして現存しています。
 講演会資料にはありませんでしたが、ホワイト氏はホリディ・マジックという化粧品マルチ商法の会社でディストリビューター教育のための研修を請け負っており、ARC設立以前から香港や日本での研修も担当していました。ARC設立時のスタッフや受講生には、このホリディ・マジック人脈が反映されていた面もあると言われています。
 このように、自己啓発セミナーをめぐるさまざまな歴史に立ち会ってきた生き証人がロバート・ホワイト氏です。

 今回のイベントの内容は、講演会というよりASKのゲスト・イベントに近いものでした。ASKのサイトにも、ホワイト氏がトレーナーを務めた4月30日~5月2日のASKの Extraordinary Leadership コースの受講生の声として、こんな内容のものが掲載されていました。

5/6基調講演会にひとりでも多くの人をエンロールしていきましょうp(^-^)q
そしてひとりでも多くの人をベーシックにエンロールしていきましょうね♪

 とは言え、配布資料にセミナーの案内があり講演後に司会者から簡単にアナウンスされただけ。会場全体でセミナーを強く勧める場面はありませんでした。受講生に誘われてきた来場者が「紹介者」から個々にどういう勧誘を受けたかは、わかりません。

 講演では、ホワイト氏はただ喋るだけではなく、2つほど「ゲーム」を織り交ぜていました。ひとつは、

①自分が好きな映画
②その登場人物
③映画の中で起こっていた「問題(登場人物が直面していた困難とか)」

 をメモ用紙に書くというもの。さらに、

④主人公がなぜその問題を解決できたのか
⑤なぜ自分がその映画を選んだのか

 も書いて、会場の人と2人で組んでインタビューをしあいます。とくにダイアードの形態(こちらを参照)でインタビューしろと言われたわけでもなかったので、気楽なお喋り程度のノリでした。ほかの参加者のことを書くのは控えて、とりあえずぼく自身を例にします。

Taiyo①映画/「太陽を盗んだ男
②登場人物/刑事役の菅原文太(自作の原爆で警察を脅迫する沢田研二を追う役)
③問題/命がけで追っかけても沢田研二を捕まえられないこと
④解決できた理由/東京で原爆は炸裂するわ文太は死んじゃうわで、解決しなかった
⑤選んだ理由/途中、ヘリから飛び降りても沢田研二に撃たれても死なないでいた菅原文太が感動的だったから

 ネタじゃありません。素で書きました。どういうゲームか告げられずに①~⑤を書かされたので。このゲームに続いて出てきたのは、こんな講話でした。

「自分以外のものが作り出す現実というものはなく、誰もが自分の現実を自分で作り出している」
「自分が見た映画とは、すなわち自分が作った映画である。あなた自身の投影である」
「映画だけではなく、あなたが聴く音楽も、あなたの周囲の人々もビルも、全て皆さんが体験を通して印象を作り上げている」

 銃で撃たれても死ねずに、でも結局は目的を果たせず死んじゃうのがぼくの現実か・・・。ペアでの発表以外に全体発表をした人もいましたが、みんなはもっと建設的な映画を挙げていました。当たり前ですが、「事実」という意味での現実ではなく、その人の人間性・美学・人生観が垣間見えるというくらいの意味に受け取っておいた方がよさそう。

 ちょっと驚いたのは、2つめのゲーム。やはりペアになって「秘密の告白」です。さすがにこの内容は、他人のこともぼくのことも秘密です。
 ホワイト氏もゲーム前にまず「自分の秘密」をひとつ語っていました。会場では、自分だけの秘密ではなく家族にまつわる秘密を語る人もいましたが、それも含めて、シャレじゃなく本当に秘密にといた方がいいように思える重たい話もありました。会場には全く悲愴感はありませんでしたが、ゲスト・イベントのレベルでこういうゲームをやったのが、部外者であるぼくには少し意外でした。
 このゲームは、こんな話につながります。

「他人事だからといって、そっけなくする人はいなかった。(怖くて他人に話せないという)予想に反することが起きたのではないか」
「私の恐れは、私だけの気持ちの投影でしかない」

 その他にもいろいろな話がありました。一緒に講演会に行った mamma さんのブログ「Seminar will never die」の「ゴッドファーザーに会ってきた」に詳しく書かれています。

 ぼくがこの講演会に行きたかった理由のひとつは、30年以上にわたる日米セミナー史の生き証人であるホワイト氏の話を聞きたかったということ。
 ホワイト氏とぼくは過去にARC日本社経由のFAXで1往復だけのやりとり(ロバート・ホワイト氏書簡)があったものの、彼のメールアドレスが死んでてその後連絡がとれず、ARCも解散してしまっていました。当時のFAXで彼からぼくに投げかけられていた問いにも返答できなくなっていたので、改めてコンタクトを取りたかったというのが、もうひとつの理由です。
 講演会後にはホワイト氏と名刺交換して、それほど長時間ではないものの業界史に関わる部分等も話せたので、ぼくの目的は充分すぎるくらい達成できました。

 会場でホワイト氏から聞いた話の内容は、おおまかには以下のとおりです。現段階ではまだ書くのを控えた話もあるので、文脈がわかりづらいですがご容赦。

White03①ASKとARCのセミナーの違いは、見てないのでわからない。聞いた限りでは、ARCは「気づく」ところまでを扱っていたのに対して、ASKは実生活に成果を出す実践的なセミナーだ。
②ARCグループは2000年に全て閉鎖した。ASK社長のように、ARC時代に関わっていた人が引き継いでセミナーを開催しているケースはあるが、自分は一切タッチしていない。
③1998年に、それまでARC代表だった菅原恭二氏を解任した理由は、彼が優秀なトレーナーだったがビジネスには向かなかったから(いまは書くのは控えますが、もうひとつ別の理由もあったとのこと)。
④自分は、セミナーによって特定の信仰を勧めることを望ましいとは思わない。ただし、口先だけで信仰を語る人に対して、その人の心と信仰をつなげたいとは思う。信仰をもたない人については、信仰をもった方がいいと思う。自分はプロテスタントだが、礼拝には通っていない。キリスト教は偉大だが、その教えは曲げられてしまい、支配や権力や罪を生み出している。
⑤来月、アメリカで自己変革トレーニングの会社を新たに設立する予定で、社名は「Extraordinary Resources」。そのセミナーは、ASKのようにARCのセミナーを発展させたものになる。ARCを解散してから6年間、いろいろ考えながら他団体のセミナーなどを受けてみた。印象に残ったものはたくさんあったが、その多くは1都市だけで開催されている小規模なセミナーだった。こうしたものを、より多くの人に提供したい。
⑥もう歳なので、自分で直接運営する会社を日本に設立するつもりはないが、ライセンスを供与してフランチャイズを日本で活動させたいと思っている。地元に通じた人物にライセンスを出し、地域密着型のセミナーにしたい。また、セミナー開催だけではなくDVDやオンラインでのコンテンツ提供をしたり、iPodで聴けるものも販売したい。

 彼が語ってくれたARC解散の年代などが講演会資料と若干違っていることに後で気づきました。後で、メール等々で確認したいと思っています。
 また、自己啓発セミナー対策ガイドの「フリートーク掲示板」で、アレクサンダー・エベレット氏が昨年亡くなったという話も出ています。なおのこと、セミナーの歴史についてホワイト氏に教えてもらいたくなってきます。

Dvd ASKでは、昨年11月にもホワイト氏を招いて講演会を行っています。そのときの様子をおさめたDVD『LIVING an Extraordinary Life 驚異的な人生を送るとは』(3,500円)が会場で売られていたので、ホワイト氏の著書『LIVING AN Extraordinary Life』(3,000円)とあわせて買ってきました。

Chahan_1  講演の最中、ホワイト氏が会場の向かいにある中華料理店のチャーハンが美味いと絶賛していました。講演後、ぼくは同行者2人と一緒にその店でそのチャーハンを堪能。味は、素晴らしく普通でした(笑)。
 ホワイト氏は、確かARC時代に近所のラーメン屋が好きだったと著書で書いていた記憶があります。中華好きなのでしょうか。

参考記事(自己啓発セミナー対策ガイド)
ロバート・ホワイト氏書簡
ARC社の主力が再集結、ロバート・ホワイトも来日
ARCインターナショナル(ライフ・ダイナミックス)
セミナー家系図

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