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2014年1月 7日 (火)

業界人気取って知ったかぶるヤツってイラッとくるよね

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やや日刊カルト新聞で「恥を知れ!」幸福の科学の霊言本キャンペーンでリブロが批判の的にという記事を書きました。

幸福の科学・大川隆法総裁が、昨年11月に亡くなったセゾングループ創業者・堤清二氏の霊を呼び出し語らせた内容を『渋谷をつくった男 堤清二、死後インタビュー』(幸福の科学出版)として昨年末に出版。これを、あろうことか堤氏が作った大型書店「リブロ」の池袋本店が、店の入口に面出し陳列して大々的に販売するキャンペーンを行って、ネット上で批判されてますよ、というニュースです。

この件は、やや日刊カルト新聞で記事にする前からTwitter上で話題になっており、リブロ池袋店がセゾン創設者の故・堤氏の「守護例本」を特設コーナーで販売→批判殺到というまとめもできています。

やや日刊カルト新聞での記事掲載後、記事のコメント欄で、以下のブログのエントリを知りました。

リリカル・ロジカル・ラジカル/リブロ炎上に寄せて

このブログ主は、「炎上中のリブロ池袋店にいた元シャイン」を名乗り、「(幸福の科学の)新刊が出版されると平積みにせざるを得ない(ストックエリアを圧迫されないように)」とか「セゾン本・堤本だからって面陳してもこれは信者以外は買わないんじゃないか なので安心してください、という話」などと書いています。さらには「この件は、書店で本を買わなくなった、探さなくなった我々にも責任があるんだろうと思うのですが」とも。

しかしこのブログ主、見境なく有名人をターゲットにして「降霊」させて、名前や顔写真を本人や遺族の了解もなく勝手に使って出版する幸福の科学のモラルなき出版活動に書店が乗っかって、客に向かってその本を推薦する書店のモラルについては、全く触れていません。この問題のいちばん重要なポイントって、そこだと思うのですが。ぶっちゃけ、書店の業界事情とかどうでもいいし、書店で本を買う人が減ったからなんていう理由で、書店のモラルの無さを正当化できるものでもありません。このブログ主、ただ単に「自分は業界のこと知ってるぜアピール」したいだけなのかな。

このブログによると、「私が(リブロに)入社したのは92年ですが、その頃からエルカンターレの本は売れてました。」だそうです。この人が語っている幸福の科学と書店の関係の話は、どうやらこの頃のことのようです。

でも90年代の幸福の科学って、いまみたいな「世俗の有名人の霊を勝手に降ろしまくって本を出す」ってことはしていないんですよね。霊言本はありましたよ。日蓮だとか孔子だとかノストラダムスだとか。宗教、思想、オカルト方面からの人選です。それが「ビートたけし!」「イチロー!」「スティーブ・ジョブズ!」みたいになっちゃったのは、ここ数年のこと。

少し具体的に経緯を説明すると、幸福の科学が初めて存命中の人物の霊を呼び出して公開するということをやらかしたのは2003年。朝日新聞の当時の社長・箱島信一氏の霊を呼び出したとして掲載された、機関誌『ザ・リバティ』での10ページあまりの(霊への)インタビュー記事でした。発端は、愛知県内の保護観察官が多数の保護司に幸福の科学の案内を送付したことを、朝日新聞が問題視して報じたことでした。教団は「公務員にも信仰の自由がある」などと反論し、箱島氏の守護霊が「朝日新聞を読めないなら愚民」「日本における神は朝日」などと語ったとして、箱島氏が独善的な思いあがり野郎であるかのように喧伝したのです。霊言を利用して名誉を毀損するという、報道への報復行為でした。

そしてその後しばらくは、この手口が繰り返されることはありませんでした。それが一変したのは2009年。幸福実現党結成直前にオバマ大統領の霊を呼び出し、その内容を書籍として出版。幸福実現党を結成後の7月には北朝鮮の・金正日総書記(当時は存命中)、鳩山由紀夫(当時は民主党党首)、さらに明治天皇や昭和天皇の霊言を出版。以降、タガが外れたように存命中の政治家や、池田大作や文鮮明といった他教団のリーダーや教祖の霊言も発刊。2012年末の衆院選に際しては、福島瑞穂、志位和夫など他党の党首の霊言を発刊し、池上彰や古舘伊知郎や筑紫哲也や膳場貴子や、なんだかもう思想とか宗教とか関係ないタレント方面にも手を伸ばします。

さらにスティーブ・ジョブズが亡くなるとスティーブ・ジョブズの霊を降ろし、iPad Airの発売に並ぶ行列の人に配布。秋元康と前田敦子の霊言本を出版して秋葉原のAKBカフェ近くで信者がコスプレしながらビラを配布。4000本安打を達成するとイチローの霊を降ろし日本シリーズ開催中の球場前で観客に配布。もはや有名人であれば生死を問わずその名前を利用する伝道活動を展開するようになります。さらに、ネルソン・マンデラ氏が亡くなるとマンデラ氏の霊を降ろし、「HS・ネルソン・マンデラ基金」なるものを作ったからそこにお布施しろと信者にカネをせびるということも始めました(やや日刊カルト新聞:幸福の科学“エル・カンターレ祭”で恒例の取材拒否参照)。

こうした有名人霊言は、必ずしも相手を直接貶めるものばかりではなく、むしろ褒めてみたり、霊に幸福の科学を褒めさせてみたり教団へのアドバイスをさせたり、というものも少なくありません。しかし、実際にその人が幸福の科学の信者やシンパでもないのに、教団を応援しているかのように見せ、その人が実際には語っていないことを書籍にするというのは、それだけで不名誉な扱いでしょう。

90年代の幸福の科学の書籍は、こうしたここ数年の有名人霊言の書籍とは、まったく性格が異なります。90年代の事情を語って「書店の事情通」な風を装う件のブログ主ですが、この違いは理解していないようです。昔のことを知っていても現在のことを知らないで現在のことについて意見を吐くのは愚かだし、「堤清二の霊言」という時点で90年代の幸福の科学のオカルト本との違いがわからないなら、「本」を見る力が著しく欠けています。

このブログ主は「元シャイン」であって現役ではないようです。そこはリブロにとって幸運でしたね。もしこれが現役社員だったら、「リブロの社員は、本を売る行為をモラル抜きで論じちゃう上に、自分たちが売ってる本がどんなものなのかもわからないのか」って思われてしまっていたところです。

このブログ主が、リブロどころか書店業界そのものからすでに足を洗っていることを祈るばかりです。モラル抜きで業界事情やらをしたり顔で語るだけの人が書店業界にのさばっていたら、本の文化に未来なんかありません。

そこで、リブロ池袋本店さんのために、霊言本を売ることをやめずに本の文化も守れる方法として、こんなポップをプレゼントします。これで堤清二の霊言本を面出し陳列していれば、きっとそんなに客の反感を招くことはなかったと思いますよ。

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コメント

管理人様こんにちは。今から数十年前、確か「幸福の科学」の熱烈な信者だった歌手・女優のT・Oや、作家のT・K達が都内某所で、雑誌「フライデー」に対して「抗議デモ」をやった様な気が致します。

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