ウソつき差別主義者の有田芳生は人民の敵である
1週間くらい前、橋下徹氏が有田芳生氏に「最低な奴」「嘘つき野郎!」と噛み付いて有田氏が「デマゴーグ」とやり返した一件。
橋下氏が問題にしていたのは、『週刊朝日』2012年10月26日号(10月16日発売)に掲載された佐野眞一氏による差別記事記事を有田氏が発売日翌日にTwitterで「すこぶる面白い」と評して紹介していた件です。この「すこぶる面白い」発言は、これまでもネット上でネタにされてきました。全体としては、保守系の人々やネトウヨっぽい感じの人々が有田氏を非難したり誹謗中傷したりする際に持ち出してきている印象が強く、左翼だのリベラルだの野党支持者だの反差別だのといった方面から大きな批判の声があがっているようには見えません。
でもこれ、本来なら反差別や人権を掲げる人々こそが声を大にして有田氏を批判すべき案件ですよね。
問題の発端となった有田氏の発言はこれ。
佐野眞一「ハシシタ 救世主か衆愚の王か」(週刊朝日)がすこぶる面白い。レイアウトも週刊誌界の常識を破る斬新さ。取材スタッフに今西憲之さん、村岡正浩さんと最強コンビ。橋下市長は朝日新聞の取材をさっそく拒否。佐野さんの戦術にまんまとはまってしまったのは、その性格を知らない無謀反応だ。
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2012年10月17日
現在に至るまで、有田批判のネタにされてきたものの、有田氏自身はそれを無視してきました。しかし今回、橋下氏から罵られたことで口を開きます。
いままで黙して来ましたが、橋下徹元市長がデマを拡散するので事実を書いておきましょう。佐野眞一さんの問題連載で橋下パーティに来た男性についてリアルな記述がありました。そこを「面白い」と書いたのは当時のツイッターでも明らかです。それを「出自」問題にすり替えるのは、デマゴーグです。
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2017年1月30日
上記2012年10月17日の有田発言を見れば、これが「橋下パーティに来た男性についてリアルな記述」があったことを「面白い」とする発言ではなく、「ハシシタ 救世主か衆愚の王か」という記事全体を指して「面白い」とする発言であることは、一目瞭然です。これは橋下氏やネトウヨによる揚げ足取りの類ではなく、歴然とした事実です。
にもかかわらず、有田氏はその事実を歪め、記事によって差別を被った側である橋下氏を「デマゴーグ」と罵ってるわけです。そりゃあ、橋下氏から「最低な奴」「嘘つき野郎!」と言われるのも当然でしょう。
佐野氏の差別記事は当時、掲載誌面の発売とほぼ同時に炎上し、2日後の10月18日には『週刊朝日』編集長の名で謝罪コメントが発表されています。するとその翌日になって有田氏は、Twitterでこんな投稿をしました。
(3)佐野眞一「ハシシタ」について。5・しかし、ルーツのある地域を特定し、明示したことをチェックできなかった編集部は弁解の余地がない。6・佐野さんは連載をやめるのではなく、全体像を描くことで読者に判断をあおぐべきだ。橋下氏も自己の批判を原因とする執筆中断を望んでいないだろう。
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2012年10月19日
(2)佐野眞一「ハシシタ」について。3・ルーツはすでに他誌が描いている。強権力を行使する公人のどこまでを描いていいかは議論のわかれるところ。私にはルーツ暴露を「面白い」という感性はない。4・だが他者に執拗・厳格な橋下氏が佐野的手法である程度描かれても受忍の義務があると思う。
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2012年10月19日
(1)佐野眞一「ハシシタ」について。1・佐野ノンフィクションの手法で人物を描けば、必ずルーツをたどる。それが佐野作品の基本だ。編集部が筆者に選んだ以上、あのような内容になることは前提だったはず。2・私が「面白い」と表現したのは、維新の会のパーティーとその裏面を描いたところ。
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2012年10月19日
自身の発言については、実際の発言とは違う内容だったことにして逃げ道を準備。今回の橋下氏との罵り合いでは、この逃げ道を使っているわけです。
「面白い」の内容をすり替えている点ももちろん問題ですが、ほかにも問題があります。
有田氏が佐野氏の記事について箇条書きにしている中で、記事の問題点として挙げているのは〈ルーツのある地域を特定し、明示したこと〉だけです。逆に橋下氏に対して〈受忍の義務がある〉などとしています。
橋下氏について出身地や家系を根拠に憎悪を煽るような記事を週刊誌に掲載して全国にバラまくことは構わないという主張です。そして差別を向けられた当人に対して「お前が我慢しろ」と言っている。これはセカンドレイプ的な加害性のある発言で、「面白い」以上の暴言でしょう。
有田氏の一連の発言がいかにひどいものであるかは、佐野眞一氏による『週刊朝日』の差別記事のひどさに比例します。佐野氏の記事は、橋下氏の出自を云々する前段階で以下のような表現が随所に散りばめられていました。
〈恐ろしく暗い目をした男だな。それが第一印象だった〉
〈この男は裏に回るとどんな陰惨なことでもやるに違いない〉
〈橋下徹はテレビがひり出した汚物である、と辺見庸が講演で痛烈に批判したとき、我が意を得た思いだった〉(いずれも『週刊朝日』2012年10月26日号)
「印象」「違いない」「辺見庸が言ってた」。こうした表現やエピソードに、たとえば「橋下は裏でこんな陰惨なことをしている」「辺見庸が“汚物”と評したのは、これこれこういう事実を指してのことである」といった類の具体的事実が記述されているわけでもありません。ただ抽象的な不快感を表明するための情緒的表現です。
そして佐野氏は、この不快な〈橋下の本性〉を問題にするためには、〈橋下徹の両親や、橋下家のルーツについて、できるだけ詳しく調べ上げなければならない〉として、橋下氏が被差別部落出身だとか父親がヤクザでシャブ中だったとか従兄弟が人殺しだとか、そういう話につなげていきます。出自や親族の行いを結びつけることによって橋下氏への嫌悪をかき立てる構成です。仮に「被差別部落」と書いていなくても家系差別にあたる内容であり、橋下氏自身についての具体的事実を示すことなしに橋下氏を罵る誹謗中傷記事でもあります。
加えて、この記事が掲載された『週刊朝日』の表紙には、こんなキャッチコピー。
〈橋下徹のDNAをさかのぼり本性をあぶり出す〉
これが、有田氏が「面白い」と表してTwitterで多くの人々に向けて紹介した、『週刊朝日』と佐野眞一の記事です。 後に「朝日新聞社報道と人権委員会」は、こんな見解を発表しています。
〈見出しを含め,記事及び記事作成過程を通して橋下氏の出自を根拠にその人格を否定するという誤った考えを基調としている。人間の主体的尊厳性を見失っているというべきである。そして,部落差別を助長する表現が複数個所あり,差別されている人々をさらに苦しめるものとなっている。また,各所に橋下氏を直接侮辱する表現も見られる。さらに記事の主要部分が信憑性の疑わしい噂話で構成されており,事実の正確性に関しても問題がある〉(週刊朝日の橋下徹・大阪市長についての連載記事に関する、朝日新聞社報道と人権委員会の見解)
『週刊朝日』は直後に謝罪コメントを発表し謝罪記事も掲載しましたが、有田氏同様に、地名の特定以外の問題点をスルーしていました。佐野眞一氏本人も直後は〈同和地区を特定したことなど〉を理由に「遺憾の意」を表明しただけ。「朝日新聞社報道と人権委員会」の見解が出た後に発表された佐野氏のコメントは、〈私の至らなかった最大の点は、現実に差別に苦しんでおられる方々に寄り添う深い思いと配慮を欠いたこと〉(週刊朝日の橋下徹・大阪市長連載記事に関する佐野眞一氏のコメント)というもの。橋下氏に直接差別を向けたことについての反省や謝罪はありません。
しかし、この卑劣な差別主義者の『週刊朝日』や佐野氏ですら、橋下氏に対して「いいじゃねえか、政治家なんだからこのくらい我慢しろ」とまでは言っていません。その点で、有田氏は『週刊朝日』や佐野氏以上の差別主義者と言えます。
有田氏自身が表明した一連の見解をまとめると、こうなります。
・佐野眞一の差別記事は記事全体が面白い
・問題なのは同和地区を特定できる形で載せた点だけである
・橋下徹はこのくらい我慢しろ
・自分が佐野眞一の差別記事を面白い発言したとする橋下徹の主張はデマゴーグである
「政治家は差別を受けても我慢しろ」と言っておきながら自分が批判されたときは我慢しないで逆ギレ。しかも、差別された側に「受忍すべき」と言い放つセカンドレイプだけでは飽き足らず、さらに「デマゴーグ」と非難するサードレイプ的な何か。これは考え方が差別的というレベルの問題でも、「面白い」という一言だけ失言という問題でもありません。差別を被った側に繰り返し攻撃を加えるという、積極的加害行為です。
これが、参議院議員としてヘイトスピート批判などを行っている有田芳生氏自身の、いまなお撤回も反省もしていない言動です。
有田氏はそれなりに「有名人」です。社会問題に取り組む運動をしていく上では「使える名前」ではあるんでしょう。カルト問題においても、有田氏が上祐史浩と共著を出してオウム残党の宗教団体「ひかりの輪」の宣伝に加担した(2012年)とき、カルト問題に取り組む人々の間で水面下では呆れる声も聞きましたが、表立って批判する動きにまではなっていませんでした。それも「有田芳生」という名前に対する遠慮があったのでしょう。ぼく自身、正直なところ、そういう面があった気がします。
でも、周囲のそうした扱い方が、こういう人間をのさばらせるんですよね。欺瞞的な行動・言動を取りながら批判から逃げ、自分とつるんでくれる人とだけ仲良くして、その実績によってステイタスを維持し続ける。上祐史浩やひかりの輪がやっていることと同じです。
有田氏は同和差別を賞賛する一方でヘイトスピーチ問題などに取り組んでいます。しかしこのような人間を広告塔として社会問題に取り組もうとすることは、その運動自体の信頼性も低下させます。たとえばこれ。
「ヘイトスピーチを許さない」かわさき市民ネットワーク結成1周年記念集会。続いています。 pic.twitter.com/xbGIazk0RW
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2017年2月4日
差別を批判する運動の集会に差別主義者が登壇しているという、冗談のような光景です。さすがにこの集会が「同和差別は面白いけど外国人差別はやめようね」という趣旨だとまでは思いませんが、少なくとも有田氏をめぐる人権問題には無頓着な運動であることは確かでしょう。これでは、反差別運動として期待したり信用するのが難しくなってしまいます。
橋下氏は政治家です。政策や政治手法、そしてもちろん人間性についても、批評の対象にされること自体は当然です。こうした内容で批判されるのであれば、有田氏の言うように〈ある程度描かれても受忍の義務がある〉でしょう。
しかし、だからと言って、政治家であれば「暗い目をしている。ひどいことをするやつに違いない。辺見庸が汚物だって言ってた。なぜだろう。それは被差別部落出身で親がヤクザのシャブ中で従兄弟が人殺しだからだよ」なんて言われていいのでしょうか。それを許すのは、まともな社会なんでしょうか。
有田氏も政治家です。であれば、週刊誌で自分の出自や親兄弟の所業を理由に「これが差別主義者・有田芳生のDNA」などと書かれて、国会議員に「面白い」とTwitterで宣伝されても、受忍するんでしょうか。それを受忍すべきとされてしまう社会に、「人権」なんて概念があると言えるんでしょうか。ときにおたくの蓮舫代表も政治家なわけですが、出自や国籍をネタにネット上では差別的な物言いもされています。有田氏は蓮舫代表に〈受忍の義務がある〉って、ちゃんと言ってやりましたか?
佐野氏は差別記事の中で、辺見庸氏が橋下氏について「テレビがひり出した汚物」と評したと書いています。ぼくはいま、差別主義者で卑怯者でウソつきの有田氏のことを「オウム真理教事件がひり出した汚物」だと思っています。でも、もし有田氏を出自や家系で差別する記事が発表されたら、ぼくはそんな記事を書いた側を批判するでしょう。
ロクデナシに対しては、当人がロクデナシであることを根拠に批判すべきです。差別によって貶めるべきではないし、そのことによって相手の問題点を指摘したことにもなりません。相手が橋下氏であっても有田氏であっても、政治家であっても一般市民であっても同じです。
批評と差別の違いって、そういうものでしょう。そんなこともわからず差別記事を賞賛し、差別された側を攻撃し、それを批判されるとウソをついてまた差別された側を攻撃する。そんな人間が国会議員だのジャーナリストだのと名乗って税金で飯食ってるのって、おかしいですよね。
有田氏への批判を、ネトウヨに任せておいてはいけません。反差別や人権を掲げる人々こそが反差別や人権という観点から有田氏を批判しなければ、そんな人々が語る反差別や人権なんてウソっぱちです。
差別主義者は人権の敵です。差別主義者でウソつきの国会議員は「人民の敵」です。
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今回の件に限らず、有田芳生の言動には嘘がちらつく。
あろうことか「オウム事件 17年目の告白」で上祐史浩の偽装脱会(麻原彰晃こと松本智津夫への信仰からの)を手助けしたのには呆れたが、そもそも有田芳生がオウム問題の専門家というのは誤り。オウム事件当時、フリー・ジャーナリスト仲間だった江川紹子さんから聞きかじった話を、それらしく取りまとめてワイド・ショーにてコメントしていただけだ。先般の参院選でも、有田芳生はオウム専門家という肩書を自ら積極的にアピールし、一般人から支持を得ることになる。
統一協会(現:世界平和統一家庭連合)問題を追及してきた実績は認めるが、これも近年は「内部情報」を統一協会分派から得ていたこと、さらに有田芳生はあたかもそれらは統一協会の大幹部から得た情報であるかのように偽っていたことが判明。うさん臭さ感じさせた一つのエピソードだと言える。
参院選の間近に、北朝鮮当局筋から入手したとしか考えられない写真を週刊文春誌上で掲載し、横田滋・早紀江夫妻から受け取ったなどと強弁している姿も見苦しかった。横田滋・早紀江夫妻は明確に否定しているにもかかわらずだ。まあ、選挙戦を有利に進め、国会議員という身分を取得できるのであれば、嘘がばれようが叩かれようが知ったことではないのかもしれないが。
昨年の6月に川崎で行われたデモを、シットインといった手段で阻止した有田芳生。デモの内容については賛否が分かれるところだが、少なくとも(許可を得た)合法デモを、違法(道路交通法第76条違反)な手段で妨害したという明白な事実は変わらない。不逮捕特権を持ち摘発しにくい国会議員としての身分を充分に意識した行動だと感じた人も多いのではないだろうか。
反対派への暴行、内部リンチ、名誉毀損、プライバシー侵害などの不祥事で知られる左翼系団体が、有田芳生の選挙用街宣車を使用し、一般市民の自宅周辺を徘徊、ツイッター上でその有様を掲載する嫌がらせ行為を行った(いわゆる合田事件)と告発されているが、それに対して有田芳生は逃げ回るのみで、明確な答えは今に至ってもないようである。
何年か前だが、有田芳生は破壊的カルト宗教の被害対策を話し合う場にゲストとして呼ばれた。その誠実そうな挨拶を見て多くの参加者が「頼もしい方が国会議員になったものだ」と好感をもったことだろう。
しかし、今や有田芳生は怪しい国会議員の筆頭にいると言わざるを得ない。
投稿: 昔は有田ファン | 2017年2月 8日 (水) 12時21分
こんばんわ。
面白かったです。
有田芳生は東スポで酒鬼薔薇事件の記事で、「メガデスデスメタル」発言がありました。
ヒドかったです。
そこから信用してないですね!
つくば母子殺人事件で被害者に対して中傷してたしな~。
投稿: はる | 2017年2月 9日 (木) 04時23分
「メガデス・デスメタル」発言は酷かったですね。どのような根拠に基づいてあのような情報を発信したのでしょうか?結局は思いつきというか有田氏の偏見に基づいた発言に過ぎなかったように思います。だとしたら何か反差別だという感じです。
投稿: | 2017年2月 9日 (木) 17時50分
オウムで名を売ったパヨクカルト。
この内容だったら、リベラルを自称する言論人は強く有田芳生を非難すべきなのに、全然聞こえてこない。
安倍政権を支持しようが反対だろうが、
原発賛成だろうが反対だろうが関係が無い。
単に政治的権力を自分が握りたいだけで、
相手を攻撃するツールとして、ヘイトだ差別だと言っている。
呆れる。
投稿: 文鮮明 | 2017年5月25日 (木) 10時35分
実は差別と反差別はプロレスみたいなものなんです
だって、一般的な日本人だったらゲームや漫画のほうが大事でしょ?
そんなことする暇がない
差別を煽ってるのも反差別行動をするのも主体は一般人ではありません
パフォーマンス好きな人たちです
で、警察はデモを監視してビデオカメラに撮ります
なんででしょうねぇ
八百長がないか写真判定するんでしょうか
投稿: | 2017年6月 9日 (金) 20時08分
世界で2人しかいないヒマラヤ大聖者ヨグマタ
投稿: ヒマラヤ聖者 | 2019年8月10日 (土) 20時55分
世界で2人しかいないヒマラヤ大聖者ヨグマタ
投稿: ヒマラヤ聖者 | 2019年8月10日 (土) 20時55分